こんにちは〜。
不動産業界の隅っこでいつも変なことを考えている株式会社REGATEの金城です。
さて、いつも突拍子もないことばかりを考えてはコラムとして執筆しているわけですが、今回は「Web3(Web3.0)」について考えてみます。
「Web3?何それ?」という人もいるかもしれません。
「Web3について?お前みたいな田舎もんは黙っとけ!」という人もいると思います。
「Web3?ちょうど聞きたかったんだよ♪助かる〜♪」という人もいればいいな。。。。
こんな三者三様のお気持ちを持つ人たちに
「Web3×不動産」で今後はどのような世界が待ち受けているのか?
ということを不動産屋としての立場から解析してみようという感じです。
この先10年は続けようと思っている不動産屋さんなら読んでみた方がいいかもしれない内容です。
まずWeb3についてある程度ご説明が必要だと思います。
まずは「Web3」で検索して自分で調べてみてください。
嘘です。はい。
Web3を簡単に説明すると中央集権型のネット社会から個人間のネット社会になるということです。
もう少し詳しく説明します。落ち着いてください。
googleが世界一の検索システムを作る“前”のインターネットは
「キーワード(スペース)キーワード」
で検索したら求めていた答えが出てくる世界ではありませんでした。
その頃のネットの活用法はインターネット上にある情報(サーバー)に個別にアクセスして情報を得るという感じ。
よくわからないと言うおじさん達にわかってもらうためにもっと噛み砕いて言うと、昔はご近所のお店の情報を調べたい時は分厚いタウンページをペラペラめくって調べていたと思うんです、これがいわばWeb0(ゼロ)。
それがインターネットを使ってタウンページのサイト(サーバー)にアクセスしてその中の情報からお目当てのお店を探すようになって
「重たいタウンページを持たなくてもいい。こりゃ便利だワイ」
って喜んでいたじゃないですか?タウンページの情報を調べたら他の類似情報も付随して付いてくるという世界ではなかったですよね?
これがWeb1です。
※古い不動産おじさん達にとってはまだタウンページをペラペラめくってTwitterをしながらFAXでやりとりするのが主流だと思いますので、もうその人達への説明はご近所のお孫さん達にお任せします。
んでgoogleさんが出てきてありとあらゆるネットの情報を網羅し検索にかけれるようになった現在が「Web2」。
先の事例のように「キーワード キーワード」の掛け合わせとか#(ハッシュタグ)とかで検索ができるようになった世界ですね。
Google Facebook Twitter Instagram YouTubeとかで情報を検索して複合的な検索によって求めている答えを見つける今の世界です。
んでWeb3はその次の世界というイメージです。
GAFAが世界の覇権を握ったWeb2の世界はいわゆる中央集権的な情報の世界でした。
GAFAは無料のコンテンツやみんなが利用しやすい色んな「餌」をばら撒いて個人情報を収集しました。googleマップやYouTube Amazon Facebookが一番わかりやすい餌です。
このハイクオリティの無料サービスをみんなが使えば使うほどGAFAにデータが溜まっていって、個人の日常の行動や趣味や性癖までもが網羅されるようになりました。
※注 プライベートモードで検索していようが履歴を削除しようがGAFAの元にはあなたがアクセスしたエロサイトの履歴が残って保存されていますよ。
そうなってくるとありとあらゆる情報がGAFAを経由する(個人が検索・利用する)ので、個人に特化した「広告」を打つことができるようになりました。一度検索したらずっと類似広告がスマホを占拠してしまうあの現象です。
GAFAが集めた個人の趣味嗜好と広告主(企業)の商品をマッチングすることで、カスタマイズした広告を出すことができるという画期的な広告手法ですね。
旧来のTVや新聞、ラジオのようにマス(大衆)に向けて一括で広告を流すと90歳のおじいちゃんにニンテンドースイッチの広告を見せることになりますが、GAFAの広告であればニンテンドースイッチの広告は小学生や中高生に絞ってニッチ(個人)に打ち出すことができます。
この無駄を省いたピンポイントの広告を打つことができると言うことでGAFAは大きな利益を生み出すことができました。
んでもってこの弊害としてGAFAのもつ個人情報のビッグデータが社会問題を引き起こすとかプライバシーの侵害だとか騒がれ始めたんです。
そこでブロックチェーン技術のWeb3の登場です。
Web3の世界ではありとあらゆる情報がブロックチェーン技術を使って「中央集権型」から「分散型」になると言われています。これを「自律分散型社会」とも言います。
Web3はGAFAのような巨大プラットフォームを経由せずに個人の情報発信が直接検索&アクセスできるようになるらしいんですね。
長々とWeb3について説明しましたがようやく不動産との関わりについて触れます。
不動産業界って物凄く閉鎖的な社会なのでWeb1の時はコンビニや書店、駅の売店で売られていた不動産情報誌か店頭やそこらの電柱に貼り巡らされた「空き物件」「売り物件」のチラシが不動産情報を得る手段でしたね。
その頃の業者間ではFAXや月一くらいで各店舗に配送されるマイソクの冊子集による情報のやり取りが主流でWebすら使っていない世界です。世間ではWeb1でしたが不動産業界はWeb0みたいな感じです。
んで世間がWeb2になるとsummoやat home(沖縄ではうちなーらいふとGoohome)に代表される巨大ポータルサイトに物件情報が集中し、人々は不動産情報を得るためにポータルサイトにアクセスして物件情報を探すようになりました。
雑誌や新聞の紙面に物件情報を載せようとお金をかけていた業者さんもこぞってポータルサイトに物件情報を載せるようになりましたね。そこでようやくおじいちゃん達はパソコンという箱型の機械を起動し、レインズという最新技術の粋を集めた情報流通網を使うようになりました。ここで不動産屋さんはようやくWeb1に辿り着いたという感じ。
Web1とWeb2の説明は不動産屋さんにはこの方が分かりやすかったか?反省反省。
さて、気を取り直してWeb3の自律分散型の社会になるとどうなるでしょうか?
不動産情報を得る手段が中央集権型のように牛耳っていたポータルサイトやレインズではなく、個人個人が発信する不動産情報になり、ポータルサイトを経由せずに顧客と不動産が繋がるようになるんだろうと考えています。
各々の不動産情報がポータルサイトを経由せずに直接調べることができる世界というわけですね。
ようやくWeb1のレインズという中央集権型のサーバーを使い出したおじさん達にはもうてんやわんやの時代が到来です。
今からHPを作ってイメージアップじゃい!って言っているおじさんは周りの人が止めてあげてください。
いや、無いよりはマシかもしれませんが・・・
Web3は個別の不動産情報が直接個人に検索される世界。
こうなると個人と個人の取引が成立して、ネットリテラシー高い民の心の合言葉である「仲介手数料不要」が現実のものになって我々不動産屋は淘汰されるのかとも考えがちです。Web1で守り抜いてきた業者間の不動産情報が白日の元に晒されてしまうんです。
ただ、そこ(不動産業務)には大きな壁が立ちはだかっているのでそうそうネットリテラシー高い民の思うようにはいかないと考えます。
我々不動産屋さんは日々たくさんのクレームと理不尽の中で生活をしています。
やれ隣がうるさいだのやれゴミの分別をしない住人がいるだのやれ秘密結社に追われているだのやれコロナだから家賃が払えないだのやれ入居した時から汚れていましただのクロスは6年で償却だから原状回復しなくてもいいだの・・・etc
気持ち悪くなってきたのでこれ以上の事例は「#賃貸管理の現場から」と検索してみてください。。。
このように一般の人には想像もできないようなお金にならない仕事を処理するのが不動産屋さんの日常です。
私個人の感覚では仲介手数料不要論者やネットリテラシー高い民の人たちが上記のようなクレームを言って大家さんや善良な住民を困らせている気もしないでもないんですが・・・
個人と個人で不動産のやり取りをするようになればこのような理不尽極まりないクレームを個人で受け止めないといけません。
今流行りのボロ戸建大家さんになったサラリーマン大家さんだと本業の最中にこういったクレームが来たり、仕事の都合で対応が遅れると言うと「こっちは借りてやっているんだぞ!すぐに対応しろ!」という高圧的な入居者と対峙しないといけないんです。
自分で手塩にかけた物件をボロボロに汚されて「ガイドラインなんで」といって原状回復費用を踏み倒されることもたくさんあるでしょう。
売買の世界になれば通行掘削の承諾が無いので建物が建たないとか、無理矢理な分筆販売プランのせいで接道義務違反とか建築基準法違反、反復継続の宅建業法違反に当たるケースも出てくるでしょうし、深夜に解体業者から連絡が来た地中埋設物の見積もりを思い出して吐き気を催すような悩みも個人で抱えないといけなくなります。
そんな怖い個人売買・個人賃貸物件を買う人はいますか?売る人はいますか?借りますか?貸しますか?
そうです。不動産屋さんの金にならない仕事は無くならないんですよ。
すみません。
変なところに火がついて脱線しました。
Web3の世界でポータルサイトの集客力よりも個人の発信力がメインになるとしても、我々不動産屋がやる仕事に大きな変化はなさそうです。安心ですね。
ただ、個別の不動産のクレーム処理だったり、再建築不可の物件の建築許可を取得したりなど個別で動いた実績や口コミがついて回る世界になるものだと思っています。
逆に契約をした後は音信不通になる担当者とか入居者や購入者からのクレームを蔑ろにしている営業マンにはそれなりの評価がついてしまって今後の営業がやりにくくなると思います。
お客様からのクレームをテキトーにあしらっていた営業マンにはマイナス評価(口コミ)が直接結びつくようになるのかもしれません。
今までは中央集権的にポータルサイトとか会社の看板で集客できていて個人の評価が曖昧になっていたんですが、自律分散型になると会社の看板とか大きさではなく、個人の実力が明るみになる世界が待っているんだと思うんです。
物件情報自体は個人発信で直接検索の時代になるかもしれませんが、
「その不動産が適正に貸せるのか?買えるのか?適法な取引なのか?」
という視点をアドバイスする不動産のセカンドオピニオン的なポジションを確立しないと生き残れない世界かもしれませんね。
「いい物件を見つけたんですが少し調べてもらえますか?」
「こんなことで悩んでいるんですが解決策のアドバイスをもらえますか?」
「過去の口コミを見たんですがこのケースのアドバイスとサポートをお願いできますか?」
という問い合わせが営業マン個人に直接くる時代なのかもしれません。
我々不動産屋さんは日々の業務で正当な仕事をして、よりお客様にとってメリットのある取引を提供していかないといけない時代の到来です。
適当なへっぽこ担当者が淘汰される時代になれば自ずと生き残る営業マンは優秀な人ばかりになるはずなので、そうなれば不動産業界のイメージも変わるのかもしれませんね。
日々の行動が注目されて評価される時代になるからこそ、個人個人のいつもの営業活動がブラッシュアップされる。
そうなればWeb3の自律分散型の世界も悪くないのかもしれません。
Web3の世界で選ばれて検索される営業マンになるように頑張らないとですね。
以上がWeb3に対して不動産屋さんが考える不動産業界でした。
的外れなような的を得ているような内容になりましたが沖縄の端っこでいつも変なことを考えている不動産屋さんの独り言です。
誰かの何かのヒントになればいいな〜
では〜