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隣人トラブルがあっても不動産は売れる?

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  • kinjotakashi
  • 2021/09/24 03:30

 

こんにちは。

㈱REGATEの金城です。

 

本日のコラムテーマは

不動産は隣人トラブルがあっても売れるのか?

です。

Content image

 

不動産につきものの隣人トラブル。

マンションでも戸建てでも駐車場でも隣人とのトラブルは起きます。

 

 

隣人トラブルによって不動産を手放す人は多いです。

隣人トラブルのせいで売却ができない人もいます。。。

 

また、お隣さんが迷惑行為を繰り返すような要注意人物の場合、

「購入する方への告知事項」

として我々不動産屋は事実をしっかりと把握しておかないといけません。

 

このトラブル具合がひどいと不動産の価値にも大きな影響をあたえてしまいます。。。

今回は隣人トラブルがあったケースとその解消についてお話します。

 

登場する人物や団体などは架空のものかもしれませんし、

隣人トラブルの実態も架空のものかもしれません。

 

また、汎用性があるかもしれないし無いかもしれません。。。

 

 

※約10分で読めます

 

 

◆お隣さんが厄介な人??

 

売却依頼を受けて物件を見に行くと築1年の綺麗な物件。

「築浅だから離婚かな?」

と予想するも相談時はご夫婦揃って離婚の気配はなし。

 

「じゃ転勤?転職?失業?」

とあたりをつけるも全くその気配もなし。

 

(何が売る理由なんだろう?)

と考えながら売却相談は進みます。。。

 

ローンの残高と売却の査定金額も折り合いが付きそう。

このままだと釈然としないので

万を持して

「なんで売るんですか?」

と聞いてみると

 

「お隣さんがちょっとね・・・」

 

となかなか口に出しにくい様子。

 

 

購入希望者のほとんどが売却理由を聞きたがりますし、

ここははっきりと聞き出さないといけません。

お隣さんが困った方の場合は不動産の価格に影響を及ぼすケースもありますし。。。

 

 

ご夫婦から聞くと

・お隣さんが睨んでくる

・何かと難癖をつけてくる

・お隣のゴミが敷地に広がっている

・刺青を見せびらかして威嚇してくる

 

という感じ。

反社だと厄介だな。。。と警戒します。

 

 

ここで真に受けてお隣さんは「やばい」と認識するのは素人です。

売却前に実際にお隣さんにお会いして、

どういう人なのか?本当にトラブルの火種となるのか?

を体感(?)しないといけません。

 

 

後日、売却依頼者が“不在”の時にお隣さんに直訪。。。

(トラブっている人同士を合わせることはタブーです)

 

 

ドキドキしながらインターホンを鳴らしてご挨拶・・・

 

・・・・結論。

 

 

めちゃくちゃ礼儀正しい若いご夫婦

「え?売るの?ほんとに?助かる〜♪」

と思わぬリアクション。。。

 

 

聞いてみると売却希望者が引っ越しをしてきてから

毎日のように家を覗かれるようになったとのこと。

(睨んだのはこのせい)

 

それを避けるためにカーテンを閉め切ったり、背の高い柵を作るなどして対策しているうちに

段々と挨拶もしなくなり険悪になったとのこと。。。

 

ゴミの件は台風や風が強い日に近隣から飛んできた葉っぱを掃除しただけで、

自分の敷地の分は自分で綺麗にしたとのこと。

売却希望者の敷地は掃除をせずに葉っぱが残っている状態でした・・・

(ゴミの件も解決・・・)

 

 

ちなみに

旦那さんはタンクトップ。

奥様はTシャツ。。。

 

ご夫婦のどちらにも刺青やタトゥーは見えず。。。

(見えないところに小さなタトゥーくらいはしてるかもしれませんが・・・)

 

最終的に

「今度買ってくれる人はいい人を見つけてください」

というご希望をいただいて帰ることに。。。

 

この後スムーズに売却が進み、新規購入者さんとお隣さんはお互いの駐車場を使ってBBQをするくらい仲良しになりました

こんな感じで、当事者が変わるだけでトラブルも何もかも一気に解消されることがあります。

拗れてしまった人間関係ってただの印象だけなんですよね・・・

 

ちなみにどちらのご夫婦も相手に対して嫌な印象をお持ちですが

話してみた感じ

どちらのご夫婦もトラブルを起こすような人たちには思えませんでした・・・

 

これ不動産の隣人トラブルで結構ありがちなケースです。

 

 

◆見えない袋地?

 

 

続いては通路が塞がれるというパターン。

 

バリケードやブロックを設置する事で物理的に通路をふさがれるというケースもありますが、、、

接道義務を果たせなくする法律的に無道路状態になった土地をたまに見かけます。

※都市計画区域内の場合

 

1.分筆を繰り返してしまって残された土地が2mの接道要件を満たさなくなったり。。。

 

2.不動産屋がどうしてもモノにしたい土地を見つけた時に

予めその接道部分を買い取って無道路状態にすることも。。。

 

 

文字ではうまく伝わりにくいんですが、、、

パッと見、普通に道路と接している“けど”法律上は袋地状態

というケースが多々あります。

 

この場合、袋地になった側の土地は接道義務を果たすために

・接道部分を買い取る

・通行掘削の地役権を設定する

などの交渉をしないといけません。

 

この交渉が基本的には難航します。

 

2.のケースのように

不動産屋さんがこの無道路地を“買う目的で敢えて”袋地を作ってしまっていると

この不動産屋さんに売る以外の選択肢が選べません。

この不動産屋さん以外に売りたくても売れないように外堀を固められているケースがほとんどです。

 

 

そうでない場面でも隣地の方との交渉の時に

「地役権?なにそれ?売ってくれ?嫌だし」

の説明から始まって事情を理解してもらうのにも一苦労。。。

 

過去には

「地役権みたいにずっと土地に残ってしまう権利なんてダメ」

「何それ?なんか怖い」

ということで地役権の設定を断られたケースもあります。

 

物理的な袋地も困りもんですが、この見えない袋地は不動産屋にとっては結構身構える案件となりがちです。

解決方法も相手次第でどんどん違った手法が必要になるのが袋地無道路問題。

 

謄本をみてみるとその土地がなぜこの状態になったのかが読み解けることも多いので

袋地でお悩みの方は是非一度お近くの不動産屋さんにお問い合わせしてみてください。

 

 

◆雑木林と拝所とおじいちゃん

 

 

最後はこの案件。

この売却依頼は東京にお住まいの方から。

 

本人は沖縄を離れて40年くらい経っているので現地がどうなっているかもわからないとのこと。。。

一応実家という認識はあるが、その物件に住んでいた記憶もない。

 

謄本を取ると相続の登記は今年の頭で前所有者は依頼者の母。

 

母親の住所が依頼場所と違って沖縄県北部の山原(やんばる)に移転されていたところが少し気になった。

 

この辺りを依頼者に聞いてもよくわからないとのこと。

母親ともずっと疎遠で、売却地のことはほとんど思い出せないとのこと。

 

依頼者が知らないなら聞き込みだ

ということで現地に直行。

現地は過去に見たこともないくらいの拝所の密集地。。。

歩いて敷地内に入るのも一苦労なくらい木々が生い茂っています。

雑木林の中に崩れたブロックが見える。

これが実家の跡だろうな。。。

 

ブロック塀の跡が僅かに確認できるだけで

そこに人が住んでいたような形跡も感じない。

 

少し離れたところの民家を訪問。

運よく昔からここに住んでいるおばあちゃんから情報が聞けました。

 

「昔女の人が住んでいた」

「集落の人たちと距離を置いていた」

「最期は精神病か何かで出て行った」

「持ち主は山原(やんばる)の病院に入院したよ」

 

という結構詳しい情報をゲット。

女手一つで子供を育ててたが、嫁いできた時に集落の人間と反りが合わずに孤立。

子供(依頼者)に被害が行かないように子供だけでも、と親戚に預け県外に避難させたらしい。。。

みたいなことを教えてもらえました。。。

 

登記簿の住所変更はそういう意味ね。

一つ謎が解けました。

 

あと近隣の状況について聞くと

「ここらの拝所は昔から祀られている神様がいる」

「集落でも大切にしている拝所」

 

しかもかなり長期間放置されて荒れ放題の売却依頼地。

隣地の拝所などとの境界線も曖昧だろうな。。。。

 

 

そんな不安は的中します。

案の定測量を入れると越境on越境パーリー♪

併合図と現況がこんなにズレるのを初めて見たというレベル。

 

 

しかも厄介なことに拝所の通路や御神体の部分とガッツリ交わっている。

 

この越境部分を見やすくするために草刈りをしたら

「神様のいるところの植物を傷つけるな!」

とこれまた見知らぬおじいちゃんからのお叱りを受けました。

 

土地を売却するために必要だと説明しても

「神様の土地をなんだと思っている!」

「神様の土地に家を建てるなんてとんでもない!」

と一向に話は通じません。。。

 

いや、神様の土地はそっちで、こっちは一般人の私有地なんだけどね・・・

 

 

田舎に行けば行くほどこういった口出しをしてくるご神体間近なご老人はいらっしゃいます。

こういう人とは膝を付き合わせていろいろとお話を聞くのが一番。

お茶を飲みながらこのおじいちゃんのお話を三時間くらい聞いていたら、、、

 

最終的に

「いい人に使ってもらう方が土地も神様も喜ぶ!」

という結論に至りました。

 

 

越境の解消はこのおじいちゃんに間に入ってもらって

地域の自治会と区長さんとの協議の上で解決。

 

最終的には買い手さんも見つかって万事OK

 

かなり時間を要しましたがいい勉強になる案件でした。

(売却依頼から引き渡しまで約2年程度の時間がかかりました)

 

 

◆隣地トラブルはそれぞれ。。。

 

 

一個一個が思い出深い案件です。

不動産はまたとして同じものがない商品。

 

なので一つ一つ性質は違えど、大なり小なり問題の火種を抱えています。

 

隣地の所有者さんとのトラブルなんかは当事者では解決できないことが多いのも事実。

 

そのために私たちのような不動産屋という仕事があるんだろうな〜と回想する内容になりましたw

また、担当する不動産屋さんの取り組み方次第で問題の解決にも大きな差が出ます。

 

何度か行っていますがネットで売り出されたりしている商品となった不動産のほとんどは

「我々不動産屋が事前に問題を解消してから売り出している」

モノばかりです。

 

 

所有している不動産の売買で

「売れない」

「売るのが難しい」

という物件があれば不動産屋を変えるのも一つの手です

単純にその不動産屋さんが

“売るための努力をしていない”だけというケースも多いので。。。

 

不動産も不動産屋もそれぞれに特徴があります。

弊社のように地域密着で細々とやる業者だったり

全国展開をしている大手さんだったり。。。

 

 

 

大規模開発が得意な業者もいるし、隣人トラブルに強い業者もいます。

逆に大手に所属しているだけで問題の解決をするだけのノウハウが全くない人もいます。。。

 

 

 

得意分野も担当者のレベルも千差万別です。

 

 

今回の内容は全て架空の出来事かもしれません。

 

不動産選びは不動産“屋”選びが大事。

 

隣人トラブルも不動産屋次第で解決できるというお話のご紹介でした。

 

では~

 

 

 

 

 

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