殺陣がよい。
はじめに目についた殺陣は松平健「暴れん坊将軍」だった。
彼の殺陣は非常に綺麗で、いかにも上品である。
将軍が剣を奮ったらというイメージにぴったりである。
ちょっと、調べてみると、勝新太郎の運転手だか、付き人をしていたそうである。
それから、知ったのが、座頭市、勝新太郎である。
彼の殺陣は、全く違う。
とにかく、早い。
松平健も非常にうまいように思うが、実戦では敵わないだろうなと思うような、殺陣である。
加えて、品がある人が振るう件ではないので、野卑である。
したたかに相手を倒すのである。
そういう意味では、藤田まことの仕事人なんかも、そう雰囲気が少しあるように思う。
これ以上うまい人はないだろうと思うと、さらにうまいと思う人がいた。
若山富三郎である。
この人は、上手すぎる。
映画にしても、剣さばきが見えない。
今のカメラの技術ならば、よく見えるだろう。
そして、実戦でも強いことだろう。
しかし、映画やドラマでは、あまりに早すぎて、通りすがりに切られたこともわからないような状態で、見ていてもよくわからない。
ただ、すごいと思うだけである。
画面映りとしては、上手すぎるのも考えものなのだと思う。