「無理なものを無理」と言うと怒る人がいます。受験指導をしていると、絶対に合格できそうにない高校や大学を第一志望にあげてくる子がいる。正確に言うと、保護者なんですけどね。
たとえば、旧帝は全国で7校しかありません。なぜか?理由は簡単で、
「知的レベル(あくまで受験偏差値での話ですよ)がその水準にある人は限られているから」
東大、京大、阪大、名大、東北、九大、北大の受験生を指導できる予備校や塾、正確に言うと難関校を受験する生徒を指導できる講師の数も同じくらいしかいないのが当然です。ここ三重県北部でいうと、そんなハイレベルの受験生と講師の組み合わせなら1校設置するのも無理なくらい。
なのに、中京地区には河合塾もあれば駿台、東進など大手が駅前に立派な校舎が設置されています。三重県にはエイスウと秀英というデッカイ塾が競争しています。でも、この地区にそんなに旧帝卒や英検1級レベルの講師はいませんね。東進は、そういう地方の実情を知っていたので「動画授業」を配信して成功したわけです。
しかし、今はネットが普及して東進レベルの授業なら YouTube で無料で視聴できます。コロナのせいで学校の授業がオンライン授業となり各ご家庭に学校の授業が配信された結果、保護者の方に学校の授業レベルがバレてしまった!だから、よけいに予備校や塾に頼ろうという流れが加速しているのが現状です。
地方に住みながら、旧帝受験生の生徒を指導できる予備校や塾、講師を見つけるのは
「無理なものは無理」
なんです。それで、私の塾生の中で優秀な子たちは
「うちの担任、今京都大学を受けたら絶対に落ちると思う」
なんて口をきくのです。
でも、予備校や塾には特有の事情がある。本物の「最高級」の予備校を作ろうと思ったら中京地区なら1校しか設置できないでしょう。それだけの学力を持った生徒も講師も限られているからです。それでは、儲からない。
だから、(儲けることを優先するなら)一番人数の多い“平均的な生徒”に一番集まりやすい“凡庸な講師”をあてがうしかない。そして、広告にこう書く。
「絶対に合格させます!」「成績がアップしなければ全額返金!」