「京大医学部4名合格講師」による受験対策講座(196)
私はアメリカの中学校で教師をしていたので、日本の学校との違いがよく分かる。簡単に言うと、
「アメリカの学校は個人を守り育てようとしていて、集団より個人を大切にする」
その一方、
「日本の学校は個人を守り育てるつもりはない。個人より集団が大切」
日本は何でも“集団”なので、ブラック校則やブラック部活がいつまで経っても廃止になりません。飛び級も根付きませんし、クラス全体で一人の落ちこぼれも出さない集団主義。
その結果、授業レベルは最低学力か真ん中くらいの学力の子に向かってなされます。頑張って高学力を身に付けようとしても
「勝手に先に進むな!」
と、止められてしまいます。
「みんなで仲良く落ちこぼれれば怖くない」
という方針。
9月28日、米アマゾンが米国内の物流施設で働く人の平均初任給を10月から前年比約6%アップの時給19ドル以上に引き上げると発表したことが大きな話題になった。円安ドル高が進んでいるとはいえ、1ドル=149円なら時給2834円だ。 同じ初任給でも職務や地域によって16~26ドルの範囲になるが、最も安い16ドルでも日本円で2386円になる。 物価上昇が続くアメリカの超巨大企業と単純比較することはもちろんできないものの、一方で東京都の最低賃金は1072円にすぎない。
そんな歪んだ教育を受けた日本人は、大人になっても
「みんなで仲良く低賃金なら怖くない」
という集団主義らしい。ここまで来ると
「バカバカしい!」
と、日本を見捨てて海外をめざす子が増えてくる。頭脳の流出は現在進行形でやむことはありません。
私も、塾生の子が日本を見捨てて海外に出たいと言う声をよく聞くようになりました。
「そうだね。日本は頑張る子を応援する国じゃないからね」
と返事をすることにしている。
落ちこぼれた子ばかりに気を使っている集団主義のニッポン。優秀で頑張り屋さんを厚遇する先進国ーアメリカやドイツばかりではない。中国も韓国もそうだ。
高木繁美
「高木教育センター」塾長。名古屋大学卒業後、アメリカユタ州のローガン中学校で教師をした後、帰国。英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級などに合格。少林寺拳法二段。ジャッキー・チェンの前でヌンチャクを披露したことが自慢。「私の京大合格作戦」(エール出版)2020年度版から2022年度版に漫画化されて掲載。チャットワークを用いた質問無制限の通信添削を全国の難関校受験生対象に募集中。「高木教育センター」検索。