1,受験英語
私の年代では中学校からABCを習いました。そして、多くの日本人と同様に高校卒業まで6年間英語を学びました。だから、私がその指導法をここに書かなくても皆さんはよくご存じですよね?で、英語が身につきましたか?
英語講師になって教科書、参考書、問題集に再会して驚きました。自分が現役の頃と何も変わっていないんですよ。理科の抵抗はギザギザから長方形に記号が変わり、社会のソ連はロシアに変わったのにね。
学校で教える英語は入試の準備に化してします。入試が、穴埋め、並び替え、書き換えなどの問題なのだから、指導もパズルの解き方のような授業になってしまいます。関係代名詞がどうした、主語がどうしたと習ったところで英語が話せるようになるわけない。
学校の先生は、そういうパズル授業を受けて入試を勝ち抜いてきたのだから、今さら教科書や問題集を変えられたら困るのです。
文部科学省は先ごろ、「英語教育改善実施状況調査」の結果をまとめ、中央教育審議会等 に報告した。 同省が 15 年 3 月に打ち出した「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」で示し た各目標の達成状況について、各都道府県・指定都市教育委員会及び管下の公立中学・高 校を対象に 16 年 2 月に調査。行動計画の目標の一つである英語教員の英検準 1 級以上取得 については、中学が 10.96%、高校が 19.60%に留まっていることなどがわかった。
2,資格英語
私は英語検定を信用していません。それでも、学校の英語の先生で準1級に合格しているのが1割。高校で2割はヒドイ。中学校の9割の先生、高校の8割の先生は英語が使えないと言わざるをえません。
私は名古屋の7つの大規模予備校・塾で14年間英語講師をしましたが、そこで出会った英語講師もだいたい学校の先生と同じレベルでした。だって、同じ日本の教育を受けたのだから大差ないに決まっている。
そこで、危機感を感じた生徒と保護者の方は予備校・塾と違うECCのような英会話学校に行ったりする。そこで行われている授業はNHKの語学番組を見たら分かるように関係代名詞がどうたら主語がどうたらといった説明はありません。
講師はネイティブの外国人である場合が多い。日常よく使用する表現をひたすら暗記して役割分担をした英語劇をやったり、英語の歌を歌ったり。私も名古屋今池にあったECCに大学時代に通っていました。
でも、英語が話せるようにはなりませんでした。
3,ネイティブ英語
受験英語の目標は、高校入試や大学入試です。ですから、予備校や塾のCMには東大や京大、名大、阪大などの合格者がよく出てきて語ります。ECCなどの英会話学校の目標は英検やTOEICです。ですから、よく英検1級の合格者やTOEICで何点取れたかがウリです。
私の30年の英語指導からの推測ですが、それぞれのレベルは以下のようになります。
Aランク(京大医学部医学科の合格ライン)
Bランク(英検1級、通訳ガイドの国家試験合格ライン)
Cランク(医学部以外の京大のボーダーライン)
Dランク(TOEIC満点レベル)
Eランク(英検準1級レベル) ここまで職業につながる
Fランク(英検2級レベル) 趣味や特技レベル。アマチュア。
ほとんどの英語教師、英語教師のレベルは私にはEランクにしか思えません。英語が使えない先生がパズルの解き方を指導しているのだからどうにもなりません。私も英検2級の頃には英語が使える気がしませんでした。
2020年から小学校の英語が必修となります。これは「小さい頃から英語に接すれば英語が習得できる」という妄想の上に実施されます。間違いなく失敗するでしょう。英語の早期教育は既にECCなどの民間教育機関で実施され結果も分かっています。
早く学べば英語が習得できるというのは妄想です。
民間教育機関はビジネスなので「早期英才教育」「ネイティブが指導」「タブレットで効果アップ」などキャッチコピー作りに懸命です。でも、どれも英語習得の向上に結び付いていません。では、どうすればいいのか。
私はその秘訣を塾生にしか語っていません。私が京都大学を7回受けて実験した結果についても優秀な塾生以外には語りません。
京都大学の成績開示
平成18年、20年(文学部) 正解率の平均 66%(受験英語)
平成21年、22年(教育学部) 正解率の平均 76%(資格英語)
平成24年、25年(総合人間) 正解率の平均 79%(ネイティブ英語)