言ってはいけない予備校業界の闇
「先生、今年“京大医学部医学科”に4人目の合格者が出ましたよね!奇跡だ!」
「モモちゃん、この世に奇跡なんて存在しないよ。当たり前の結果だね」
「うわ、えらっそうな言い方。でも、秘密があるなら知りたい!」
「だから、この世に秘密なんて・・」
「わかった。分かりました。秘密なんてこの世にありませんよね」
「そう。全ての結果には原因がある」
「わ、ガリレオの湯川先生のパクリですね」
「・・・」
「で、どういうことなんです?」
「京大の二次試験はほとんど英作文と和訳のみだろ」
「そうですね」
「客観テストと違うから、受験生は自分の答案が何点とれるか分からない」
「そうですね」
「学校の先生も、予備校や塾の先生もどんな答案が最高レベルの8割を取れるか知らない」
「え?そうなんですか?でも、私の英語の先生は京大卒ですよ」
「京大のボーダーは6割チョイ。合格者の平均点は毎年7割くらいだよ」
「そっか、それでは医学部医学科の8割狙いの子の指導はムリですね」
「そう。アメリカにいて英検1級の私も本当のところは分からなかった」
「そうなんですか?無責任!」
「本当に無責任だよね。それで、40代のときに自分で受けてみたんだ」
「え?高校生に混じってオジサンが?」
「そうだね。結構、不審者扱いだったよ」
「まぁ、先生は見た目もヤバイかも。ハゲてるし」
「そうかもね。門の所で守衛さんに呼び止められた」
「で、その結果は?」
「日本には学校で教える受験用の英語や、ECCみたいな英会話学校で教える英語がある」
「そうですけど、それが?」
「私はアメリカで、受験英語が通じないことが何度かあったんだよ」
「そうなんですか?」
「そう。受験参考書に書いてある表現で話したら、生徒にジジイみたいと言われた」
「英会話の方は?」
「私はECCに通っていたからね。英検2級や通訳ガイドの国家試験の過去問もやった」
「アピールはいいから、結果は?」
京大入試の成績開示
平成18年、20年(文学部) 正解率の平均 66%( 受験英語 )
平成21年、22年(教育学部) 正解率の平均 76%( 資格英語 )
平成24年、25年(総合人間) 正解率の平均 79%( ネイティブ英語)
「やっぱり、アメリカで使っていた表現の評価が一番高かった」
「やっぱり!当たり前ですよね」
「そう。だから、滞米経験のない講師には京大医学部医学科の受験生の指導はムリ」
「でも、先生って全然有名じゃないよね」
「悪かったね。でも、そのとおり」
「なんで?」
「中京地区では、ちょっと有名かも」
「そう?」
「河合塾系の専門学校や駿台グループの予備校の採用試験に合格してるからね」
「そうなの?」
「“私の京大合格作戦(エール出版)”に2020年版から2022年版まで紹介されている」
「ヘー、知らなかった」
「私の経験から言うと、英語の試験の難易度は以下のようだね」
Aランク(京大医学部医学科の合格ライン)
Bランク(英検1級、通訳ガイドの国家試験合格ライン)
Cランク(医学部以外の京大のボーダーライン)
Dランク(TOEIC満点レベル)
Eランク(英検準1級レベル)
「えー?京大医学部医学科の合格ラインは英検1級より上ですか?」
「たぶん、英検1級の講師でも8割を超えられると思えない」
「それ、ちょっとヤバイ発言じゃないですか?」
「なんで?」
「だって、高校の英語教師でも英検1級合格している人少ないし」
「そうだね。名古屋の7つの大規模予備校で教えていたけど合格者に会ったことない」
「先生、その合格の秘訣を本にしたら大儲けができるかも」
「それは無理」
「どうしてですか?」
「ほとんどの生徒は説明しても反発するだけ」
「本当に?なんで反発するの?」
「“学校や塾講師のように模範解答を教えてくれ”と言うんだよ」
「それが、なんでダメなんですか?」
「川端康成の文章が美しいからといって、それを見せても自分の文章力は向上しない」
「ま、そうですね」
「減点されるところが一つひとつ訂正していかないとダメなんだよ」
「じゃ、本はムリか。では、添削生を大量に集めたら?」
「それも難しい」
「なんで?」
「京大医学部医学科の定員って知ってるかい?」
「知らない」
「100人くらい」
「え?そんなに少ないんですか?」
「そう。だから、そんな少数を相手にした仕事は儲からないから大手は手を出さない」
「なるほど」
「それに、そんな生徒を指導できる講師なんて大都市でもいないよ」
「だから、先生は貧乏なんだ。車もダサイし」
「そういうこと」
「でも、先生は10年連続で京大合格者を教えている。どうやって生徒が集まったの?」
「マスコミは大規模予備校や塾がいいスポンサーなんだね」
「何を言っているんですか?」
「そんな良いスポンサーを否定するようなことを言うヤツは取り上げない」
「で?」
「マスコミでもSNSはコントロールできないでしょ」
「そうですね」
「だから、YouTube やブログで自分の経験を書いてみたいんだ」
「それで?」
「すると、驚いたことに北海道から沖縄まで問い合わせがきた」
「そうなんですか?」
「京大の定員は3000人くらいで、倍率は3倍くらい。つまり、1万人くらい受ける」
「そうなんですか?」
「その1%の生徒が私の主張に耳を貸してくれる」
「つまり、100人?」
「そういう優秀な生徒は学校の英語の先生や塾講師に不信感を抱いているんだよ」
「そういえば、私の学年トップの子も学校の先生をバカにしていた」
「バカにしているんじゃないと思うよ」
「どういうこと?」
「現実をありのまま口にしているだけ。つまり、正直なんだろうね」
「うわ!だから、先生は嫌われる」