
「校則なし」「制服なし」の高校と京都大合格率の意外な関係
岸田首相の増税政策が発表されて楽天の三木谷社長がコメントを発表しました。
何より強く危惧しているのは、日本として、誤ったメッセージを世界中に発信してしまうことだ。シンガポールはもとより、米国などの諸外国に比べて、現在でもすでに非常に高い税率をさらに高くするのは、金融資産と有望な人材を日本国外へ流出させる愚策に他ならない。 ビジネスを通じて経済に貢献した個人への懲罰的な課税という「社会主義的政策」にしか僕には見えないし、世界もそう感じているのではないか。リモートワークで海外からも企業の経営ができる時代。多くの有能な技術者、経営者が日本から出ていくことになるだろう。 (楽天、三木谷社長)
日本の「同調圧力」は左翼的。みんなが同じでないと許さない。私が日本の学校の様子を撮影した写真をアメリカの中学生に見せたら
「これは囚人か軍人を撮ったものですか?」
と尋ねられた。全員が同じ服を着ているのはアメリカでは刑務所の囚人かアメリカ軍の戦闘員くらいだからです。
欧米の多くの人は「アジアには真の民主主義が存在しない」と思っている人が多い。確かに中国、北朝鮮は社会主義で、日本や韓国も自分では民主主義国家と信じているいるようだけれど欧米から見たらそうは見えない。
灘中学高校の和田孫博校長は、同校ウェブサイトで次のように言う。
「本校の生徒たちは自由を謳歌しています。ただ、本校に存在する自由というのは放縦とは異なり、自律心を伴わなければ許されないものです。服装や髪型も自由ですが、中学生・高校生にふさわしいものでなければなりません」
京都大学や国立大学医学部の合格者が多い超進学校には「校則」なし「制服」なしの学校が多い。「賢い生徒たちだから自由を謳歌できている」のか、はたまた「自由を謳歌できるから賢い生徒に育つのか」。どちらだと思います?
麻布中学高校の平秀明校長はこう説いている。
「校則というのは、何々をしてはいけないという『拘束』だと思っています。仮に、校則によって中高時代がコントロールされても、卒業したらタガが外れて、自分を律することができなくなるのではないかという懸念があります」
「私は教育現場で統制を強めることはいいことじゃないと思っています。国の考えを注入する機関でもありません。一人の人間としてしっかり確立させるというのが教育の大前提です」(いずれも「弁護士ドットコムNEWS」2018年2月12日)
三重県の県立高校のトップ2というと四日市高校、津高校です。私は四日市高校に通っていましたが、校則はあってなきようなものでした。津高校には制服がありません。生活指導の先生もゆるゆるでした。
私はアメリカのローガン中学校で教員をしていました。もちろん、制服はありません。化粧も自由。部活は存在しません。クラスも存在しません。日本の一部の中学校や高校でありがちな「ワンチーム」や「クラスの団結」なんて彼らには時代錯誤に聞こえる。

こういうことを書くと必ず
「他国は他国。日本がマネをする必要はない」
と反論される人がいます。しかし、日本は明治維新で恥も外聞もなく欧米をマネしたでしょう?第二次世界大戦後はアメリカのコカ・コーラを飲み、マクドナルドで食事をしてきました。
日本はまだまだ民主主義が徹底している国とは言えません。三木谷社長はそのことを痛感しているのではないのかな?
ドイツの学校に校則がない理由
「ツーブロック禁止」の校則に関するニュースが流れたとき、とても日本的なニュースだなと思いました。日本の一部の高校がツーブロックを禁止する背景には、髪型を規制することで生徒がどんどん派手になりいわゆる「荒れた学校」になるのを防ぐ目的もあるといいます。でも「生徒が派手にならないように」「学校が荒れないように」と生徒の生活面での指導をしているところが日本的だなと思いました。
アメリカだけではありません。ヨーロッパの経済的な中心地であるドイツも同じです。ブラック校則、ブラック部活、クラス制度など日本の学校は中世的で遅れた制度の残渣がいたるところで見られます。
筆者はドイツで育ちましたが、ドイツの学校には「校則」そのものがありません。そのため筆者が通っていたギムナジウムでは膝のあたりがビリビリに破かれたジーンズをはいて登校をする同級生もいましたし、胸元が大きく開いたデザインの服を着てデコルテを見せている生徒もいました。パーマはもちろん、毛染めからピアスまで「何でもあり」でした。
特に荒れた学校ではなくむしろ逆でしたが、なぜこんなにも生徒の自由が重んじられているのかというと、ドイツでは「身だしなみや生活指導は家庭の役割」「学校の役割は勉強の面倒を見るところ」といういわば役割分担に関する「すみ分け」がはっきりしているからです。そのため仮に生徒が学校の外で問題を起こしたり、またはトラブルに巻き込まれたとしても、学校の責任が問われることはありません。
もしもドイツで子供に「ツーブロック」を禁止するとしたら、それはドイツでは「学校」ではなく「親」の領域です。ただし実際にはドイツでツーブロックを禁止する親の話は聞いたことはありません。(サンドラ・ヘフェリンSandra Haefelin)
私は30年以上「受験指導」を職業としてきました。京大や国立大学医学部に合格するような優秀な生徒の指導をさせてもらってきました。そして、ハッキリと分かったことがあります。
「成績優秀な子は自由を求める。成績が良くない子は束縛を求める」
成績が良くない子は塾の講師に
「今日は何ページをやりますか?」
「次に進んでいいですか?」
「宿題は何ですか?」
と、指示ばかり求めます。講師はロボットに命令するのが仕事のようです。
こんな人材ばかりの国が経済的に発展できるわけがありません。
今、学校での「ブラック校則」や「ブラック部活」が社会問題になっています。
生まれつき茶髪なのに生徒に髪の黒染めを強要するようなおかしな校則、根性論で過熱する地部活動、事故が相次ぐ組体操。日本のあちこちで、子どもたちが理不尽を強いられ、危険に身をさらし、自由を奪われています。
「ルールだからおかしくても耐えるしかない」そんな空気のなか、長年子どもたちを苦しめてきた学校における人権侵害にようやく「おかしい」と声が上がり始めました。
「ブラック校則」をなくそうと、実態調査に乗り出したNPOの動きの中心となって活動されている荻上チキさん、組体操問題からブラック部活まで、学校における子どもたちのリスクに精力的に問題提起されてきた内田良さんをお呼びして、学校現場を取り巻く子どもの人権について議論します。
日本が復活するには戦国時代の「織田信長」や明治維新の時の「坂本龍馬」のような人間が求められています。みなさんは制服を着せられた織田信長や坂本龍馬が想像できますか?彼らなら、そんな規則は絶対に拒否しますよね?
日本の学校は、そういう優れた人間の伸びる芽を摘んでしまう制度なんです。











