ChatGPT に2023年度「東大英語」の問題2(B)をやらせてみた
問題文は以下のようになっています。
さらにもう少し掘り下げてみると、日本の近代化がヨーロッパの影響を受けながら辿ってきた道筋を考えるには、そのヨーロッパのことをもっと知らなければならない、といったことも感じていたのだった。
これを機械翻訳をしてみると以下のようになります。
① Furthermore, upon delving deeper, I realized that in order to contemplate the trajectory of Japan's modernization, which has been influenced by Europe, it is necessary to acquire a greater understanding of Europe itself.(ChatGPT)
② Digging a little deeper, he felt that he needed to know more about Europe in order to understand the path that Japan's modernization has taken under European influence.(DeepL)
③ Further digging a little further, I also felt that I needed to know more about Europe in order to consider the path that Japan's modernization followed while being influenced by Europe. (Google 翻訳)
予備校が公開している「模範解答」は以下のようになります。
④ If I dig a little more deeply into the reasons, I think it was also because I felt I had to know more about Europe to consider how Japan came to be modernized under its influence. (駿台)
⑤ Thinking about it a little more deeply, I realize that I also felt that I had to learn more about Europe in order to think about how Japan, influenced by Europe, had achieved modernization. (河合塾)
⑥ To dig a little deeper into my motives, I also felt that I needed to know more about Europe so that I could understand the path that Japan's modernization had taken under the influence of Europe. (東進)
この6種類の解答は、少し異なりますね?優劣をつけることは簡単です。でも、巨大IT企業や大規模予備校に睨まれることはコワイので止めときます(笑)。
上記の解答をAIに和訳させると以下のようになるので、自分で判断されると良いですね。
問題文
さらにもう少し掘り下げてみると、日本の近代化がヨーロッパの影響を受けながら辿ってきた道筋を考えるには、そのヨーロッパのことをもっと知らなければならない、といったことも感じていたのだった。
①、さらに掘り下げてみると、ヨーロッパの影響を受けてきた日本の近代化の軌跡を考えるためには、ヨーロッパそのものをより深く理解することが必要であることがわかった(ChatGPT)。
②、さらにもう少し掘り下げると、ヨーロッパの影響を受けてきた日本の近代化の軌跡を理解するためには、ヨーロッパについてもっと知る必要があると考えた(DeepL)。
③、さらにもう少し掘り下げると、日本の近代化がヨーロッパの影響を受けながら歩んできた道を考えるためには、ヨーロッパについてもっと知る必要があると私も感じた。 (グーグル 翻訳)
④、もう少し掘り下げると、日本がヨーロッパの影響を受けて近代化したことを考えるには、ヨーロッパについてもっと知らなければならないと思ったからだと思います。(駿台)
⑤、ヨーロッパから影響を受けた日本がどのように近代化を遂げたかを考えるためには、ヨーロッパについてもっと知らなければならないと思ったからだと思う。(河合塾)
⑥、 もう少し掘り下げて考えると、ヨーロッパの影響を受けた日本がどのような近代化の道を歩んできたのかを考えるためには、ヨーロッパについてもっと知らなければならないとも思っていました。(東進)
京大の過去問を同様に分析した結果を別のページに載せておきました。比較すればすぐに分かりますが、京大の方は3種類の機械翻訳も、3人の大規模講師の解答もバラバラで似ても似つきません。しかし、東大の方は機械翻訳も予備校講師の“解答”も似ています。
なぜでしょう?
それは、東大は日本のリーダーーつまり、官僚ーを選抜するために作られた大学だからでしょうね。最近は、東大生も官僚を見捨て始めて官僚に占める東大卒の割合は15%まで低下しています。しかし、それでも日経HRの2023年度公表のデータによると「上場企業と有力企業の人事担当者のイメージ調査」によると“京都大学が2年連続首位”という状況です。
つまり、東大は「正解」を探し当てる人材、京大は「創意工夫」をする人材を求める傾向があるようなのです。英語の設問を比べると、東大の解答は機械翻訳にせよ予備校講師にせよ工夫の余地がないのでどれも似たようになる。一方、京大の設問は機械翻訳も予備校講師も解答がバラバラになるのは「正解」がないからだと思われます。
受験参考書も、学校の教師も、予備校講師も、正解を求める設問を解く方法ばかり教える。だから、受験生も正解ばかり求める。京大は、そんな生徒を求めていません。7割の生徒が落ちるのは、必然であって運や勉強不足ではありません。結果には必ず原因があるのです。