あと4日で「共通テスト」!
「センター試験「から「共通テスト」に変わった昨年、英語の民間テストを導入するとか数学の記述問題を導入するとか大騒ぎでした。センター試験の欠点が“改善”されるはずだった。
あれから1年。結局、英語の民間試験も記述式の数学も導入されずセンター試験という名前が共通テストという名前に変わっただけでした。
なんで、こんな惨めな結末になったのか。日本の透明度は限りなくゼロに近いので何も分かりません。ただ、塾業界で言われているのは
「文科省はベネッセに丸投げしようとしたから、ベネッセのライバル会社が校長会や教員組合を動かして反対運動を盛り上げ改革案をつぶした」
というもの。真偽のほどは分からない。
気の毒なのは、右往左往させられた受験生たち。朝令暮改の文科省は利権しか見えていないのだろう。こんな人たちに権力が集中していていいのだろうか?
私は自分の塾だけでなく、ココナラで添削希望の方を募っています。最近、多いのが高校の教師の方からの添削依頼。ご自分の指導している生徒たちの模試の英作文の添削依頼なんです。
どういうことかというと、
「駿台(河合塾)の京大模試の英作文の得点の得点獲得率が27%だった。生徒が納得していないので、理由を説明してほしい」
といった具合。
それで、答案の実物を見せてもらうとボーダーライン(65%)程度のデキ。それで、その旨をお伝えすると
「そんな筈はない!駿台の採点官が27%につけた理由を生徒に説明したいんです!」
とネチネチ繰り返すんです。
私に駿台の採点官の採点基準が分かるわけがないじゃないですか。
ところが、そういう方はいつも
「私は県内トップの進学校の教師をしているんだ。納得いく説明をしてくれたら添削生を紹介してやってもいい」
といった上から目線の発言が始まるのでした。大学受験においては学校の教師より駿台、河合とった予備校の方が権威が上なんです。自分の高校だけでは全国規模の合格判定テストなどできませんから。駿台や河合の京大模試とその採点官は神のような存在。
でもね、私は名古屋の7つの大規模予備校・塾・専門学校で14年間の勤務経験がって多くの英語講師に出会いました。そんな神のようなスゴイ講師に出会ったことがありません。事実、アメリカの中学校で受験参考書に書いてあるような英語で語り掛けたら
「なんで、ジジイのような話し方をするの?」
と尋ねられてしまいました。
私の目には大規模予備校が権威を持っているのは指導している英語講師のレベルが高いからではなく、駅前に大きなビルを構え、マスコミを使って大量に宣伝することで知名度が高いからにすぎないのです。
模試の評価について、ある高校生の本音がSNSの掲載されてありました。
ベネッセ模試は、全国の高校で半強制的に行われている。 なので、底辺~低レベル高校の生徒や、 普通高校でも大学に行く気すらない低レベル生徒が、ワンサカと受験している。 さらには上位~難関進学校で、ベネッセ(駿台共催)模試をやらないところも多い。 以上から、恐らく受験者の1/3~1/2が馬鹿どもだ。
いくら駿台共催でも、ここまで「質の悪い」受験生が大量に受けていれば、 平均点を含めた偏差値、そして判定には大きな信用を与えられない。 一方、河合模試の受験生は全体的に「質が高い」。 学校で半強制的に実施するのは進学校ぐらいで、 後は自主的に申し込んだ受験生ばかり。 つまり、受験生の圧倒的ほとんどは、 中の上以上の学力を持ち、受験を比較的真面目に捉えている。 「下層」の受験生は、ほとんどいない。
本気で受験に取り組んでいる生徒は、だいたい上記のような評価をしているはずです。生徒の評価が低いベネッセを、税金で運営されている公立高校がどうして半強制的に受験させるのかナゾ。その闇が深いから、政府がベネッセに丸投げすることに猛反発が生まれたのかもしれない。
私の指導させてもらっている京大受験生は上記の事情をよく理解していて、
「うちの担任、今京大受けたら落ちるわぁ」
とか
「駿台(河合)の採点おかしいと思いますけど、先生どう思う?」
と尋ねてきます。事情を話すと納得します。彼らは大人の思惑など関係なく事実しか見ません。
特に、京大医学部医学科を受験する子たちは共通テスト9割、二次試験8割以上をめざしていますからね。私のようにアメリカで教師をしていて英検1級を持っていても納得しませんでした。実際に京大を受けて8割超の成績開示を見せてやっと納得してくれた感じ。
エリート校に勤務しているとか、駅前のビルで営業しているとか、タレントが宣伝しているなんて関係ないです。