きみの受験勉強は「鉄人型」か「アトム型」か?
昭和40年代の少年たちは「鉄腕アトム」派と「鉄人28号」派に分かれていた。アトムは今でいうところのAIを備えた自立型のロボットだった。鉄人はリモコンで動く巨大ロボットだった。おおまかに言うと、賢い子たちはアトム派が多く、勉強がイマイチの子は鉄人が好きだった。
私は小学生にしてロボットには自分の思い通りに動くタイプと、そうでないタイプがあることを知った。その後「サイボーグ009」で人間の身体に機械を埋め込んで機能を上げるタイプをサイボーグ。アトムのように全て機械でできている人間型のロボットをアンドロイドというと知った。
しかし、次に現れた「エイトマン」は人間の記憶を残したロボットなのでアンドロイドなのだけれど、人間を改造したサイボーグのようにも思えた。鉄人タイプはその後、「マジンガーZ」でリモコンではなくロボットと一体化した人間が操縦するように進化した。「仮面ライダー」は改造人間なのでサイボーグらしい。
今も基本的に2タイプ。工場ロボットは完璧に操縦が可能だが、AI兵器は自立なので自分で判断して人間を殺すことが出来るので禁止にしようと国際世論が動いている。将棋の藤井くんはAIで学んだそうだ。
SF作家アイザック・アシモフのロボット三原則。「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を厳守しないと自立型のロボットは危険である。
厳密に言うと、歯の治療をしている人はサイボーグ。義手や義足を利用していてもサイボーグ。スマホは内部に埋め込んでいないけれど、いつも私たちの記憶を補うのでスマホを利用する人もサイボーグ。では、「アイアンマン」のようなスーツを利用している場合の分類は何だろう。
また、遺伝子組み換えで機能を上げた人類が生まれたら「ミュータント」なのだろうか。ミュータンとに機械を埋め込んだら最強の兵士ができあがりそう。でも、そんな研究は禁止になりそう。隠れて研究は進みそうだけど。
受験生を見ていても同じ2タイプが見られる。先生が教材もスケジュールも全て決めて、その通りに実行する巨大ロボット型で勉強を進める鉄人型と、先生や学校のカリキュラムを無視して自分で判断して勉強を進めるアトム型だ。
学力が中位以下の子に多いのが「鉄人型」で、上位の子は「アトム型」の子が多い。「鉄人型」の子とその保護者は「いっぱい宿題を出してください」「絶対合格できる計画でお願いします」と言う。「アトム型」の子は指示を嫌う。やりたいようにやらせて質問がある時だけ答えることを求めてくる。
この2タイプの受験生の指導は、真逆となる。「武田塾」で検索すると「授業をしない塾」というキャッチフレーズの有名な塾がある。そう!成績上位の子には授業がいらない。というか、求めてこない。いや、やろうとすると拒否されることさえある。分からない時だけ質問したいわけだ。
ところが、勉強嫌いな子は逆。「次、何をしたらいいですか?」「次のページに進んでいいですか?」「これで100点とれますか?」と、延々と質問と指示を待つ。これでは難関校に合格できるわけがない。
鉄人型は、アトム型には勝てない。