「A子ちゃんのこと」 A子ちゃんのこと | 高木繁美, ディリリー | 少女マンガ | Kindleストア | Amazon
私が最初に人生がままならぬものだと実感したのは遅かった。塾に勤務して23年の女性講師が乳がん手術で勤務を休まれた時のこと。結局、その数年後に腫瘍ができて手の感覚が無くなったということで退職された。
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もう一人の女性講師は大学に入学したての頃に出会って青春時代をともにした人だった。卒業して20年後にひょんなことかで再会した。その時、彼女の旦那様は病で入院されていた。小さな娘さんがいた。その旦那様が亡くなったから娘さんも病が発症して看病が続いた。
そして、本人が脳出血で亡くなった。
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そのころ、私はネットで知り合った漫画家さんにマンガを描いてもらっていた。私が台本を書いて漫画家さんが作画を担当して10本くらいネットに投稿していた。意気投合して楽しかった。
ところが、数年後に返事が来なくなった。彼氏と同棲しているのを知っていたので、彼氏に様子を尋ねたら病で入院したと告げられた。
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このようなことが続くと、自分が健康でいられることが奇跡のように思えてくる。若い頃は大学に合格できたことも、英語の資格が取れたことも、すべて自分の努力の成果だとドヤ顔をしていたと思う。
しかし、冷静に振り返ってみると運が良かった面も大きいことに気づく。
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もちろん、頑張って勉強したし、酒・タバコ・ギャンブル・女遊びなどはやらず、睡眠・食事・運動に気をつけて生活してきたこともある。しかし、そういう生活をしていても病気で倒れる人は多い。健康を損なったら勉強する時間もお金もできない。
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それに、私が少年の頃は「高度経済成長」の時代で東京オリンピックや大阪万博で未来は限りなく明るいと信じていられた。大学を卒業して働き始めたら「バブル景気」でイケイケドンドンの時代だった。
そうでなければ、銀行が融資してくれず家も塾も建てられなかった。それは、巡り合わせが良かっただけで私の手柄ではない。
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バツイチになり、相続でトラブルになっても、そんなことは小さなことに思えた。身体が動いて、細々とでも生きていることに感謝しかない。私よりはるかに才能に溢れた塾生の子が、経済的な理由で進学が困難になっているのを見ると心が痛むのと同時に自分が恵まれてきたことを思う。
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それで、
「なんとか、彼女たちの人生を描き残して多くの人に知ってもらいたい」
と思うようになった。
それが、こうしてボイスドラマを作りネットに公開している理由だ。
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ときどき
「英検1級が必要になる生徒などほとんどいないでしょうに」
とか、
「なにも50代で高校生に混じって京大を受けることまでやらなくても」
と言う人もいる。
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でも、私は胆石手術をしてベッドから動けなかった時、痛風で思うように歩けなかった時、自由に歩けることの有難さを痛感した。とても、ダラダラと時間を過ごせる気持ちになれない。思いついたことは躊躇していたら出来なくなる。それだけは、絶対に避けたい。
だから、突然電話してくる人、時間を守れない人には近づかないようにしている。
ユリちゃんの「京都大学医学部医学科」合格体験記 - YouTube
酒の席とか、ゴルフとか、そういう場所には近寄らない。酒やゴルフが無ければ付き合えないような相手には近寄らない。私は嫌われることより、自分の時間を無駄にすることの方が嫌なのだ。かなり多くの人に嫌われていると思う。。