ここで皆さん。
遊技機(パチンコ)とはどうやって作られるかご存知ですか?
大きく3つの項目に分かれます。
図-1:遊技機(パチンコ)開発の主な項目
大きく分けて、
A:メイン制御
B:ソフト開発(液晶演出)
C:プロダクト設計
になります。
各々の説明はまた別の機会という事で。
私のいた会社はその中の「B:ソフト開発(液晶演出)」をやることに。
所が当時の会社はメンバーこそ、各ゲーム開発実績がある
強者(つわもの)ばかりでしたが、パチンコを知っている人は数人のみ。
もちろんパチンコの仕組み等、誰も理解していませんでした。
当時のプロデューサーが少ない遊技機開発会社にご教授頂いたり、
メーカーさんと何度も話をして、何を作らなければいけないか?
どう作ったらいいのか?等を
それこそ、メンバーの中には「アーケードゲーム」の開発スタッフもいたので
みんなで試行錯誤して作っていました。
そんなプロでさえ?(クエスチョン)が飛び交う開発に、
ゲーム開発でさえまだ理解していない自分が入ったわけです。
最初はプランナーから始める所が、兼ディレクターもやることに。
※この辺りの役職の定義は、また次の機会に説明します。
開発スタートが2002年1月。
納期は4月末。
つまり企画立ち上げから4か月で作ることに!
出す企画は相変わらず「つまらない」と言われつつも、
プロデューサーのアドバイスや、デザイナーの先輩の提案等
色々な意見を聞きつつ、少しずつ進めました。
自分が関わった部分は(図-1)のB-①。
しかし当時何のスキルも無かった自分は、ある事に気づきました。
当時はB-④(オーサリング)と言われる作業は「Director」と言われる
ソフトを使用するのが基本でした。
※今は「After Effects」を使用しますが。
ベテランのグラフィッカーさんも使った事がなく、みんな覚えるのに必死。
「これだ!」
と思いましたね。
つまり自分も一緒に覚えれば、一つスキルをゲットできると思ったのです。
しかし、平日の昼間は1冊しかない「Director」の解説本をみんなで取り合い
読んでいます。
さすがにそれを邪魔してはいけない。
なので、自分はみんなが帰った終業後、または土日に会社に来て
自分の考えた演出を作り始めました。
もちろんその後はグラフィッカーさんにデータを渡して、しっかりしたものを
作ってもらうつもりでした、が…。
ある日、自分の出した企画演出を年上のグラフィッカーさんが
「こんなの出来るわけない!」
と言い出しました。
確かに面倒な演出だったと思います。
しかしそのグラフィッカーさんは、元々遊技機開発に反対だった人で
イヤイヤやっていました。
自分としてはなかなかOKを貰えない企画が通ったので、
簡単に「できない!」という、それもスキルがあるはずのベテランが
いう事に怒りました。
そこで土日の2日間で、自分で「Director」を使って、その演出を作って
しまったのです。
えぇ、ここが問題でした。
月曜日にチーム全員に見せた所、確かにみんなに驚かれました。
喜ぶ自分。
単純でしたね。
プロデューサーが言いました。
「お前もオーサリングやって」
これ、当時の自分は大喜びしたんです。
初めて認められて、頼られたのですから。
しかしこれが地獄の入り口でした。
企画のアイデア出しもまだまだ。
ディレクターとしてのスケジュール管理も大変。
(図-1のBの項目全てのスケジュールを管理しないといけないので)
メーカーさんとの折衝もあり。
さらに「Director」を使ってのオーサリング作業。
最終的な納期も、たまたま仕様変更、追加などに伴い
4月末→7月19日に延びましたが、正直半年以上
1日も休みがなかったです。
土日祝日、GWも当たり前に出社。
会社で寝泊まりは週3日以上。
(基本帰りは、終電)
机の下に寝袋敷いて寝ているとダニに噛まれる。
(痒いのはすぐ慣れましたw)
トイレで血尿出た!という時は隣に立っていた先輩から
「お!これで一人前だな」
と言われましたw
それだけ仕事が増えてしまったので、ミスも多く
元々適当な性格も災いして、上司には凄い怒られました。
蹴られたり、ホワイトボードの消しスポンジ?を投げつけられたり。
正直、病みそうになりました。
しかしそれを救ってくれた、助けてくれた仲間がいました。