金融庁が本研究会を設置した理由については、下記URLに記載されています。
(https://www.fsa.go.jp/news/30/singi/20180308.html)
*上記画像も上記URLから引用
まとめると、だいたい以下の3つが理由です。
理由1
コインチェック事件の流れで各社を立入検査してみたら、
どこも内部管理体制がやばい
理由2
決済手段だと思って資金決済法で仮想通貨を規定したのに、
実態は投機商品だった
理由3
証拠金取引とICOについてどうするか考えたい
このような研究会の設置理由(および第2回までの議論)からすると、
以下のような議論が進められることが予想されます。
1:仮想通貨交換業の登録はさらに厳格にする
金融庁の仮想通貨交換業の登録については、「事務ガイドライン」において 定められています。
金融庁の仮想通貨交換業の登録については、「事務ガイドライン」において 定められています。
事務ガイドライン:
https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/kaisya/16.pdf
2:日本仮想通貨交換業協会が「認定資金決済事業者協会」となることを前提に、同協会に自主規制を策定させ、これを徹底させる
「認定資金決済事業者協会」とは、資金決済法87条に定められた仮想通貨交換業者に対する指導や勧告を行う団体です。
現在は、どの団体も仮想通貨交換業者に対する資金決済事業者協会と認定されていません。
3:投機商品なので金融商品取引法等の資金決済法以外の法律による規制を検討する
仮想通貨については、SNS等を通じて「相場操縦」が横行しているのが現状ですので、少なくともこの点の規制は期待したいところです。
4:証拠金取引およびICOについても規制を強める
日本国内の取引状況は約8割が証拠金取引となります。*第1回研究会資料参照
仮想通貨のボラティリティは相当高度なため、証拠金取引の規定を外国為替と同様に考えることはできません。
ICOについては、研究会メンバーである坂弁護士が、「一般投資家については全面廃止をすべきである」とする旨宣言しています。他のメンバーも基本的にはICO規制派ですので、ICOの規制は避けられないと思われます。
ICOを全面的に規制するのではなく、種類別に分類し、一定のものについては一般投資家も出資できる余地を残してほしいものです。
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本研究会はまだ第2回を終えたばかりであり、今後も継続的に注視していく必要があります。ただ、基本路線は規制を強めるというものです。
規制規制で辟易してしまいますね。
特に腹がたったのは、
「投資家保護のため海外の取引所に警告してやったぜ。日本の登録もしないで取引をするなんてもってのほかだ」というようなことを金融庁は言っているわけです。これはバイナンスのことを言っているのですが、登録業者とバイナンスを比べて、どちらが投資家保護を徹底しているかは界隈には明らかです。
金融庁は何もわかっていないと言わざるをえません。
そして、本研究会のメンバーは(一部を除いて)もっとわかっていないメンバーばかりです。
研究会の議論が進めば進むほど、市場は冷え込み、投資家を害することになるのではと憂いています。