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因果応報の科学 後編

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  • 2019/06/16 01:19

 

与える人、奪う人、得するのはどっち?

というお話です


 

◆おさらい

前編では、因果応報を支える法則、返報性の原理を紹介しました

返報性の原理の特徴は2つ

①特に期待していない施しに対しても、お返しの義務感を感じてしまう

②受け取る側にとって、不利な交換になりがち


 

◆疑問

つまり、先にどんどん与えてしまった方が有利なのでしょうか?


 

でも世の中には、受け取るだけ受け取って何の義務感も感じない人もおりますね


 

結局、先に与える側と奪う側では、どちらが得をするのか?


 

その研究をまとめた本があります


 

それがこちらGIVE & TAKE

Content image

 


 

組織心理学者のアダムグラント博士の本です。

彼はアメリカの有名な雑誌フォーチュン誌で40歳以下で最も優秀な教授40人に選ばれている天才です。


 

彼の研究によると、人は、職場や親しい友人関係、家族、等状況よって次の3つの顔を使い分けています

 

与える人、ギバー

奪う人、テイカー

バランスを取る人、マッチャー
 

 

以下は、その分類のグラフ

Content image

 

グラフのように、ほとんどの人が何かしてもらったらお返しをするマッチャーです。

先程の返報性の原理に素直に従う人達ですね。


 

ビジネスにおいても、この返報性の原理は成り立つのでしょうか?


 

例えば、セールスにおいては、相手の事情等おかまいなしに、どんどん高値で売って利益を取ろうとするテイカーの成績が優秀になるような気もします


 

果たして本当に与える人ギバーがビジネスにおいても最もパフォーマンスが高いのか??
 


 



 


 

◆答え

答えは、イエスです

 

では、逆に最もパフォーマンスが低いのは?

テイカー?それともマッチャー?
 

実はこれも、ギバーなんです。


 

Content image

 

こちらはある営業成績のグラフです

縦軸が営業成績、横軸が分類毎の分布

成績のトップも底辺もギバーが占めています

尚、エンジニアや医者を対象とした調査でも同じような分布になったそうです。

 

じゃあ、このトップのギバーとボトムのギバーでは、一体何が違うのか?

 

実はそれぞれの与え方に違いがあるんです

 

ボトムのギバーは、人の仕事であっても、自分の時間を使ってやってあげてしまうために、本来の自分の仕事が回らずに、燃え尽きてしまいがちです


 

一方で、トップのギバーは、

自分は得意で5分とかからず出来るような方法で支援したり、

パイを奪い合うのではなく、新しいパイを作り出す方法を考えてwin-winの結果を得られるように、支援の仕方を工夫する

 

という違いがあります

 

もっと知りたい方は、是非本を読んでみて下さい

 

また、こちらのアダムグラント博士本人のTEDスピーチも非常に参考になります。

ちなみに上のグラフは、こちらの動画からの引用です。


 

◆テイカーが成功出来ない理由

返報性の原理は、実はマイナス面にも働きます

恩知らずな仕打ちを受けたら、人はその事を忘れません

そして先のグラフの通り、殆どの人はバランスを取るマッチャーです。
 

テイカーは高い確率で、いずれしっぺ返しを食らいます
 

まさしく因果応報ですね

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