お金や健康、仕事、人付き合いの心配
何の不安もなく日々過ごせたらどんなにいいだろう?
ですが意外にも、適度にストレスを感じる人の方が、実は、人生の満足度も高く、より健康である事がわかっています
その一方で、強いストレスを感じると死亡リスクが上がるというデータもあり
「この1年間でどのくらいストレスがありましたか?」
という質問に対して、
アメリカで3万人を対象に8年間追跡調査したところ
「強度のストレスがある」
と答えた場合には、43%も死亡リスクが高かった
これらの違いは何故起きるのか?
ストレスの強度の問題?
実は、
ストレスに対する貴方の捉え方次第で、
身体への影響が変わるのです。
先程の調査で死亡リスクが高まったのは、
「ストレスは健康に悪いと思う」と答えた人だけでした
一般にストレスを感じた時、身体は次のように反応します
交感神経が活性化
脈拍が早くなる
呼吸も早くなる
アドレナリンを分泌
筋肉が緊張して瞬時に行動可能になる
これは、脈拍を持つ動物全てに共通する典型的なストレス反応です。
自然界で天敵から襲われたり、ナワバリ争いが起きた時に、闘うか逃げるかを瞬時に行うための反応で、
闘争逃走反応と言われています
ゲームだとこんな感じ
どうする?
→闘う
逃げる
しかし、この闘争逃走反応は、人間の社会には適していません
日常生活において対処する問題では、
殴りかかったり逃げたりするのは、
理想的な反応とは言えないですね
通勤地獄や上司からの叱責のストレスに対して、
何か嫌なことが起こるたび、
闘争逃走反応は、人間の社会では、
火事から逃げ出す時とか、溺れかけている子供を助けるとか、本当に命の危険に瀕した時位しか役に立ちません
それ以外の状況では、エネルギーの無駄遣いで、かえって状況にうまく対処できなくなるのです
これをストレスのミスマッチ理論と言います
尚、この理論は、ストレスに対する反応が1種類しかないと言う考え方に基づいています
しかし流石、万物の霊長たる人類
実はストレス反応も、長い歴史の中で、ちゃんと進化しています
人間のストレス反応の選択肢は、ゲームだとこんな感じ
どうする?
(クラス : 人間)
闘う
逃げる
→仲間にする new!
そう、人間だけが闘う、逃げるだけではなく、ストレスを仲間にする事が出来るのです
個人的に、初めてこの事実を知った時は衝撃的でした
スピーチの前の緊張や、仕事のプレッシャー、さらには過去のトラウマさえも?
ええ?あの厄介なホイミスライムやキラーマシーンが仲間に?
人間はストレスを受け入れる事で
闘争逃走反応の代わりに
次の2つの反応を選択できます
▼チャレンジ反応
自信や集中力が高まり最高のパフォーマンスを発揮する
闘争逃走反応と似ているが、恐怖は感じない
数種類のストレスホルモンが分泌され、特にデヒドロエピアンドロステロン (脳の成長を助ける男性ホルモン)の割合が高くなり、ストレスから回復したり学んだりする手助けになる
▼思いやり絆反応
誰かを抱きしめたときに分泌されるホルモンで抱擁ホルモンとも呼ばれるオキシトシンが分泌されて、人とのつながりを求める気持ちが強くなる
では、どうしたらこの2つの反応を引き出す事が出来るのか?
前述の通り
ストレスを感じたくない、避けようとしていれば、いざストレスを感じた時に心身に悪影響が生じますが
ストレスを受け入れて、コントロールすれば、集中力を増したり、共感能力を高める事ができるのです
人前でスピーチをしたり楽器の演奏を発表する時、緊張して、脈拍が上がりますね
これをストレスと感じて緊張する、恐い、逃げたいと思えば、パフォーマンスは下がります
しかし、アドレナリンが出てきた、血流が上がって脳が覚醒し、集中力が増してきたと捉えれば、パフォーマンスは上がります
清掃員の作業量はきつめの筋トレと同等の運動量である
ある清掃業者を対象にこの事実を伝えたグループと知らないグループに分けて、経過を調査したところ、
この事実を知ったグループの、運動能力や健康状態が優位に上がりました
ストレスフルな肉体労働を効果が高いトレーニングとして捉えなおす事で
実際の身体の状態にも影響を与えたのです
今日の記事の参考はこちら
著者は、スタンフォード大学の心理学者
ケリーマクゴニカルさん
「フォーブス」の「人びとを最もインスパイアする女性20人」に選ばれています
この本には、ご紹介した内容の他にも、様々なストレスにうまく対応するための方法や根拠となる事例や研究の内容を多数紹介しています
ストレスに対する考え方が変わる、目から鱗の情報の数々、ご興味があれば是非
▼著者のこの内容に関するスピーチもあります
ストレスとは、自分にとって大切な事が脅かされたり、近くにある時に生じるもの
好きな人が近くにいる時、ドキドキして手に汗にぎるのと同じです
みなさんが、ストレスを味方につけて、
大切な事にうまく対処するための一助になれば幸いです