事実に基づいて世界を見れば、あなたも未来に希望が持てる

 

 

 

 

 

突然ですが、クイズです

(日本人の正解率わずか6%)

世界の1歳児の中で、何らかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょうか?

A 20%      B  50%      C 80%


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解は?

C 80%


 

意外に多いと感じませんか?


 

いまや、世界のほとんどの子供がワクチンを接種しています

素晴らしい事ですが、ほとんどの人はこの事実を知らないようです


 

◆元ネタ本の紹介

このクイズは、こちらの本の冒頭で取り上げられている世界の事実に関するクイズの一つです


 

ファクトフルネス

 

他にも次のようなクイズがあります

・世界の平均寿命は?(A 50歳B 60歳C 70歳)

・低所得国に暮らす女性の何割が、初等教育を修了するでしょう?(A 20% B 40% C 60%)


14か国に住む1万2000人を対象に調査を行ったところ、これらのクイズ12問の正解率はほとんど3割以下でした


 

仮にこの3択クイズを、動物園のチンパンジーに出したとします

 

チンパンジーは完全に適当に選ぶので、正解率は33%近くに収束します
 

つまり8割の人は、チンパンジー以下

そして、この結果は、学歴が高い人や国際問題に興味がある人達であっても同じようなものでした


 


 


 

◆正解率が低い原因

▼人の本能

なぜこのような事になってしまうのか?

 

勿論、人がチンパンジーより頭が悪いわけではありません


ですが、人には、楽観的な事よりも、悲観的な出来事に敏感に反応する本能があります

 

人間の脳は進化の産物です

 

例えば、

大昔の狩猟時代にライオンがマンモスのお肉を美味しそうに食べているのを見つけた場合

🦁がおー🍖
 

ライオン🦁(危険)を優先して逃げれば生き残りますが

お肉だひゃっほい!🍖(喜びを優先) と近づけば、自分がお肉になってしまいます

 

動物として生き残るために、人の本能は、危機感を優先するのが当然でした
 

同じように

 

世界には貧困が溢れているという危機感を煽るネガティヴなニュースはわかりやすく印象も強烈です

 

しかし

 

世界が実は少しづつ良くなっているというポジティブな情報は伝わりづらいし目立ちません


 

「世界では、テロが増え、格差は広がり、天然資源は枯渇しようとしている?」
 

そういったドラマチック過ぎる世界の見方が問題なのです


 

これは精神衛生上良くないし、そもそも正しくもない


 

▼ジャーナリストに悪意はない?

では、人々の関心を引きつけるために、悲劇的なニュースばかりを取り上げるメディアやジャーナリストが悪いのでしょうか?

 

実は彼らも悪意があるわけではないのかも


 

何故なら彼ら自身も、同じように知らないから

 

ジャーナリストを対象に同じクイズを出しても、一般の人より少しマシだが、けっきょくチンパンジー以下の正解率でした


 

ドラマチックな世界の見方をしてしまう本能は、彼らとて同じなのです


 

仮に彼らの一部が、わざと人目を引くようなドラマチックなニュースばかりを取り上げているとしても、その方が数字が取れるなら、それが彼らの仕事というもの


ジャーナリストだけを悪者にしても、問題は解決しません


 

◆ファクトフルネスとは?

問題を解決するには

私達一人一人が本能という思い込みを克服し、世界を事実に基づいて(ファクトフルに)見る習慣を身に付ける事です

 

正確なGPSが目的地に到着するのに役立つのと同じように、データに基づく正しい世界の見方(ファクトフルネス)は、きっと人生に役立ちます

 

それがこの本のテーマです


本書では、10種類の思い込み(本能)を乗り越え、データを元に世界を正しくみる習慣を教えてくれます

 

本書の10の本能から、本記事では2つをご紹介します

 

ちなみに、他のクイズの答えや残りの8つの本能が何かは、興味があれば是非本書を手に取って確かめて頂きたいので、割愛します

 

◆ネガティヴ本能

ネガティヴ本能とは、世界はどんどん悪くなっているという思い込みのこと
 

冒頭のクイズのように、世界は実際には印象よりも良くなっている事が多いです

 

それを端的に示すデータが次の図

 

▼世界で増え続けている16の良い事

 

▼世界で減り続けている16の悪い事

核兵器やオゾン層の破壊は減り続け、識字率や絶滅危惧種の保全はここ数年で劇的に改善しています

 

しかし、この世界が少しずつ良くなっている事を知る人は少ない

 

一つ一つの変化はゆっくりで細切れだから、なかなかニュースには取り上げられないのです


 

▼ネガティヴ本能を抑えるには?

ネガティヴ本能を抑え、ファクトフルネスに事実を捉えるには、次のような事に気をつけると良いそうです

・悪いニュースの方が広まりやすい事に気づくこと

・良い出来事はニュースになりにくい

・ゆっくりとした進捗はニュースになりにくい


 

◆分断本能

分断本能とは、グループを2つに分けないと気がすまない事

そしてその2つのグループの間には、決して埋まることがない溝があると思い込むこと

 

例えば、次のようなイメージをお持ちではないでしょうか?

・極度の貧困のグループと大富豪のグループ

・発展途上国と先進国

・アフリカと欧米

 

このように世界が分断されているというイメージは、40年以上前の姿であり、実際には、そんなに単純に分割出来ません

 

次の図を見て下さい

これは所得レベル毎の生活水準を表したものです

その分布はこんな感じ

 

世界の大半は、レベル1の極度の貧困層やレベル4の富裕層で分断されているわけではなく、レベル2-3の中間層が占めています

 

各レベルの大陸毎の分布も入り乱れており、レベル1の国(極度の貧困)は減り続け、レベル4の国は増え続けています

 

さらに近い将来世界の富の中心は、欧米ではなくアジアに移るでしょう
 

この分布の変化については、この本の著者ハンス・ロスリング本人のスピーチでより詳しく知る事が出来ます

 

こちらの方が本よりも動的なイメージが伝わりやすいかと。

特にこのスピーチの目玉であり、本書の裏表紙にも使われている世界各国の収入と健康の分布を表すバブルチャートの遷移は芸術的で一見の価値有り。ハンス先生のテンションもアゲアゲですw

 

ただのデータをこんなにも、分かりやすく面白く表現出来るのかと感動しました。今の世界の正しい姿を知りたい方はぜひ観てみて下さい


 

▼分断本能に気づくには

分断本能を乗り越えるために、次の事に気をつけましょう

・大半の人がどこにいるのか探す事

・極端な数字の比較に注意、最上位と最下位など


◆考察〜本能とは?

読んでいて、気になった事が1点だけあるので考察します


▼気になったこと

この本では、10の本能を知ることが世界の正しい見方に繋がると主張しています

しかし、「この10の本能の分類は、只の著者のアイデア(意見)であり、肝心のデータや根拠がないのではないか?」

 

▼考察

よく脚注も調べてみると、認知心理学の著作を参考にしているようです

 

確かに本能の概念は、心理学でいう認知バイアス(思考の偏りによる思い込み)に似ていると読んでいて思いました

 

例えば、文中に次のような記述があります

ネガティヴ本能とは、物事のポジティブな面よりもネガティブな面に気づきやすいと言う本能

 

これは行動経済学者でノーベル賞を取ったダニエル・カーネマンが提唱するプロスペクト理論に似ているなーと感じました


プロスペクト理論とは、私なりに超ざっくり言うと、

人は合理的ではなく、リスク回避を優先する傾向がある

何かを得るよりも失う事に対して倍以上敏感になる

例えば、半分の確率で50万円失うリスクがあれば、同じ確率で100万円以上儲かる可能性がある場合じゃないと賭けたがらない人が多い

(51万円以上あれば期待値的にはプラスであるにもかかわらず)

 

実際、脚注の認知心理学の著作のリストには、ダニエルカーネマンの著作「ファスト&スロー」もあります

 

おそらく、世界に正しい見方を伝えるために、バイアスとかの小難しい専門用語を使わず、誰にでも伝わるわかりやすい表現(本能)を選んだのでしょう

 

つまり著者の言う本能とその分類は、心理学や行動経済学で裏付けがある概念を元にしているものと推察される

 

認知バイアス、つまり変な思い込みに引っかからないためには、様々なバイアスの概念を知り、自分が思い込みにハマっていないか、常に客観視する事が有効です

 

そして本書でも、世界を正しく見るために、10の本能とそれを乗り越える考え方を教えてくれます


 

▼考察の結論

10の本能の分類は、確かに著者のただのアイデアかも知れない

しかし、完全に根拠のない思いつきというわけではなく、認知心理学を参考にしているので、本能を知れば正しいモノの見方に繋がるという考え方は信頼出来そう

 

ということで、勝手に穿った見方をして、勝手に納得しました。考察終わり


 

◆著者紹介

本書はロスリング家の3人による共著です

 

ハンス・ロスリング

スウェーデンの医学博士

世界保健機関やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデンで国境無き医師団を立ち上げた

2012年には、タイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人の1人となった

2017年2月7日に他界

ファクトフルネスが最期の遺作となった


 

オーラ・ロスリング

ハンスの息子でありギャップマインダー財団の共同設立者

本書のチンパンジークイズやTED スピーチのバブルチャートのツールを開発


 

アンナ・ロスリング・ロランド

オーラの妻

世界の収入毎の実態を写真で理解できるドルストリートを考案

 


ギャップマインダー財団

ハンスロスリングが2005年に息子のローラとその妻アンナと共に設立した財団

財団の使命は、事実に基づく世界の見方を広げること



 

▼所感

国連や世界銀行が公開している統計データをまとめたビジネス書

 

このように書くと、硬く重そうな印象です
 

実際私も、去年から話題になっていたのは知っていたがその分厚さと印象から、なかなか手が出ませんでした

 

しかし一旦読み進めると、驚きと感動の連続で、読み進める手が止まらず

 

数日で一気に読んでしまった

 

キャッチーなチンパンジークイズに始まり

 

事実に基づいて世界を見れば、世の中もそれほど悪くないと思えてくる

という、本書のメッセージは優しく、叡智に富んでいる


 

データを裏付ける著者の講演の様子や医療の現場でのストーリーの数々は、そんな事まで書いて大丈夫?と心配になるくらい赤裸々で本当に面白い


 

自身の医療ミスや判断ミスで、多くの命を失った事、エボラの現場で世界の危機を皆と救った事


 

ハンス博士は、本当に魅力的なキャラクターで、読み終える頃にはすっかりファンになってしまいました

 

しかし彼はもういません
 

本書を読むと、本当に惜しい人を亡くしたと実感します

 

「おわりに」

の共同著者である家族のコメント

 

泣けます

 

まさか統計データのビジネス書で泣けるとは思いませんでした

 

素晴らしい本をありがとう


 

この本は希望の書だ


 

世界中で小さな進捗が積み重なり


 

世界が少しずつでも良くなっているという明るい事実を我々に教えてくれる


 

私のこの書評も、本書に興味を持ってもらい


 

世界に希望の種を広げる一助になれば


 

 

 

 

 


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この記事は、大街さんによる夏の読書感想文コンテストに触発されて書きました

 

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期限は8月末まで

 

8/12現在、まだまだ先着枠はあるようです

 

しかし、世はこれから本格的な夏休み

 

本を読み、記事を書く人も増えていくのではないでしょうか?

 

興味がある方はお急ぎ下さい


 


 

公開日 いいねによる獲得 投げ銭による獲得 サポーター
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2019/08/11 41.18 ALIS 64.20 ALIS
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