先日 expotrading のsETHでマージンコールされたので、その体験を紹介します。
expoの概要・使い方は以下の記事を参考にしてください。
expoの各トークンはマージン取引用のトークン(マージントークン)なので、それぞれマージンコールがかかるラインがあります。
以下の画像のように点線で表現されています。
マージンコールがかかると、
"an automatic dutch auction is executed to close the position"
されるとのことです。つまり以下のページをもとに考えると、トークン発行に際して担保された資金が売りに出されるということだと思います。
参考: dYdX_DutchAuctionCloser contract
そして、担保を清算した金額をもとにマージントークンの値段が固定されます。
理想はマージンコール価格とほぼ同額で固定されることですが、ETHの価格変動が大きいときには乖離が予想されます。
例として、sETH1/15がマージンコールされたときの様子を紹介します。
1. アナウンス(2018年12月23日10:02)
sETHが設定価格の $18.5 よりも下落したことでマージンコールがアナウンスされます。
2. 担保清算
sETHの新規発行は停止され、担保清算が進んでいきます。expoのsETHの欄には"closing"と表示されていました。
(この時、トークンの売却はできるようだったので、そうしなかったことが悔やまれます。)
3. 価格ロック
アナウンスから約1時間後、担保清算が終了しトークン価格がロックされました。価格は $13.25 です。
4. sETH1/15Bの発行
1日後、新たにsETH1/15Bが発行されました。
追記
コントラクトを確認したところ、dutch auctionによる売却が行われたのはマージンコールから30分後で、所要時間は20分だったようです。
開始: https://etherscan.io/tx/0xf191bb2167f5375e3aa4f118a782137c793a4194518fa805ab4ed1fe6b6d64c1
終り: https://etherscan.io/tx/0x7dccf58912332a0f92b3cf61f71cb02718cdb9e9e136cfdb4c3618d08706ebfd
sETH1/15のマージンコールによる清算は
・約1時間かかり
・ロック価格は設定額の70%までずれ込む
という結果でした。
この結果から言えることは、
短期トレードではマージンコールラインを逆指値と思って安心してはいけない
だと思います。レバレッジドイーサ(LETH)ではさらに注意が必要でしょう。
担保率を手動で十分に保って安心のトレードがしたいという方は、
・ロング: ETHを担保にDAIを発行してETHに換える
・ショート: DAIを担保にETHを発行してDAIに換える
という方法をお勧めします。
著者 kyoronut
過去記事一覧 https://alis.to/users/lisalisa