個人的にAR/VRなどを含むxR関連、ホログラム/PMなどの映像投影技術に興味がある。
これらは市場として開拓余地をたっぷりと残す業界であることは確かだが、C向けに認知/利用されるには体験場所の拡大、ビジネスモデルの確立、デバイス保有率の向上(特にVR)が必要だと思う。
そこで、これらテクノロジーに対するC向けの認知拡大に一石を投じる可能性を感じさせ、目下気になっている"WANNABY"を紹介したい。
国内VR/AR界の第一線を行くMESONのARおじさん(@AR_Ojisan)のTweetでも定期的に名前があがるWANNABY
「オンラインショッピングにおける障壁の破壊」という課題について言及されたミッションでは、商品購入の際に消費者側で生じるサイズやカラーイメージとの差異を出来る限り無くすこと、また既存の形態を壊して新しい購買体験を提供することが含まれているように思う。
AR技術を活用した試着によってもたらされる新しい購買体験として、保有ファッションアイテムとのトータルコーディネートがイメージしやすくなることや、居住地域に依存しないこと、手間の軽減が挙げられる。
さらに達成される障壁の破壊は商流にも影響があると考えられる。
【販売者】
・返品率の低下
・発送コストの圧縮
・店頭へのWEBルーミング斡旋 etc
【配送業者】
・返送によって生じる配送負担軽減
・人員不足や需要過多による問題の緩和
オンラインショッピング上でAR技術を活用することは、消費者の購買体験を向上させるだけではなく、企業の負担軽減にも寄与し、双方向に良い影響をもたらす革新的なものと言えるだろう。
・Wanna Nails(ポリッシュ) iOS/And
Wanna NailsTry on any nail polish color instantly. Shop anytime, anywheapps.apple.com
・Wanna Kicks(スニーカー) iOS/And
Wanna KicksBe the first to experience sneakers Try-On in AR! Wanna Kapps.apple.com
【技術提供】
・NIKE公式 App
・GUCCI公式 iOS / And
ちなみに、WANNABYに注目しているのは技術だけではなくて、ベラルーシ企業であることも理由として挙げられる。ベラルーシは東欧の隠れたIT先進国として有名で、自身の行ってみたい国TOP5のひとつである。
そして、文中で触れた消費者側がEC利用の際に「保有ファッションアイテムとのトータルコーディネートがイメージしやすくなること」についての補足として、既にいくつかの国内ブランドがアプリや店頭におけるバーチャルフィッティングに着手していることを伝えたい。
現状は店頭において専用のデバイス(例えばFXMirrorなど)での試着体験が想起されるが、紹介したWANNABYのようにモバイルによるAR試着がオンラインショップ全体で使用されるようになれば、鏡に写った自分を撮影しながら欲しい服や靴、そしてアクセサリーやメイクに至るまで、まるでヴァーチャルアバターのように試着してそのまま一括購入が可能となる。
また、データ活用を駆使したリコメンドも精度が上がり、有人/無人問わずオンラインかつオンタイムでコーデを提案してもらってえるようなサービスも登場するかもしれない。
プリクラ(専用機械)での落書きやスタンプ機能が、InstagramやSNOWに変遷したように購買体験の革新が起こる日も近いと思う。
*C向け:C=Customer(消費者)
*Webルーミング:Web上で商品情報を検索/認知し、商品は実店舗で購入
⇄ショールーミング:実店舗で現物を認知/確認し、オンラインショップで購入