「XMを使って儲けたんだけど、確定申告は必要なの?」「もし確定申告が必要なら、まず何から始めればいいんだろう?」と迷っていませんか?ちょっと調べてみると分かりますが、税金って、本当にややこしいですよね。特に海外FXで初めて「確定申告デビュー」をする方にとっては、いったいどうなることやらと不安になるのも無理はありません。しかし、心配はいりません。確かに確定申告はややこしい面もありますが、①海外FXの利益がどのような税金に分類されるのか?を知り、②それに基づいてひとつずつ計算し、③手順に基づいて確定申告書類を作成する、というステップをひとつずつ踏んでいけば、誰にでも簡単にXMの利益を申告することができます。この記事は、予備知識が無い方へ向けて、その方法を分かりやすくお伝えするためのものです。
・XMで利益を得た人の中で、確定申告が必要なのはどんな人?
・具体的にどんな手順で税金の「金額」を計算すればいいの?
・確定申告には、どんな必要が書類?
・具体的な確定申告のやり方は?
といった重要なポイントを踏まえつつ解説していきます。分かりやすい解説が読みたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
XMで利益を獲得した場合にまず考えなくてはいけないのは、「あなたは、本当に確定申告をしなければならない人に該当するのか」ということです。当然ながら、XMを使っている全てのトレーダーが、確定申告をする必要があるわけではありません。まず、次の質問に答えてみてください。
Q:あなたは、海外FX(複数の業者を含む)や仮想通貨、その他アフィリエイトなどの副業収入を通算して、今年度プラス収支でしたか?
もしこの問いに「はい」であれば、次の質問に答えてください。そのプラス収支となったその額は、
・サラリーマン(給与所得者)の場合:20万円以上でしたか?
・個人事業主の場合:38万円以上でしたか?
この問いにも「はい」の場合、あなたはXMで得た利益を確定申告しなければならない可能性が極めて高いでしょう。ただし例外的に、もしあなたが日本の居住者でないなら、確定申告する必要はありません(日本国内に「住所」を有している、または1年以上「居所」を有している場合、日本の「居住者」です)。もし日本居住者かどうかあいまいなら、知らない間に脱税してしまわないように、国税庁や税務署などに相談してみましょう。
FX歴2年以上の方へ:
海外FXは「損益通算」ができません。「今年、XMで38万円以上の利益が出た。けれど、前年に負けているから、確定申告しなくてもいいよね?」と思っている方がいるかもしれません。しかし残念ながら、申告する必要があります。国内FXでは損益通算、つまり前年からの損失の繰り越しが認められていますが、海外FXではそれは認められていないからです。XMを使っている方は、前年度にどれほど負けていても、今年度に利益が出ていたら単純にその額をもって申告する必要があります。
話を戻すと、利益がいくら以上なら確定申告をしなければならないのか?は、あなたがサラリーマンなのか、個人事業主なのかによっても異なってきます。サラリーマン(会社員・アルバイトなど企業から「給与所得」を得ている人)については、1月1日~12月31日の間のXMの利益(正確には雑所得の合計額)が20万円以上になると、確定申告が必要です。もし20万円以下なら、年末調整のみでOKなので、確定申告は必要ありません。
一方で、個人事業主、つまり会社からの給与所得を得ていないフリーランサーや専業トレーダー、学生などは、XMによる所得(正確には雑所得の合計額)が38万円以上になると、確定申告が必要となります。ちなみに、公的年金を受給されている方の場合、XMによる所得が20万円以上になると、確定申告をする必要があります(公的年金による収入が年間400万円以下で、源泉徴収を受けている場合)。
XMトレーダーの疑問:XMには、独自の「ボーナス」という仕組みがあります。ボーナスは現金ではなく、トレードの元手として使うことができるポイントですが、これは利益(所得)に含まれるのでしょうか。結論としては「含まれない」と考えられます。なぜなら、XMのボーナスは出金することができないからです。あなたはボーナスを、「自分のお金」として日本円に替えたり、物を購入したりするのに使ったりできませんよね?そのため、それはボーナス(もしくはXMP)は所得ではなく、現時点ではただの「数字」に過ぎないと解釈することができます。
さて上記で、あなたに確定申告が必要なことが明らかになりました。では、あなたは具体的に、いくらを税金として支払わなければいけないのでしょうか。その具体的な計算方法を知るためには、まず「累進課税」という税金の仕組みを知る必要があります。累進課税とは、海外FXや仮想通貨などで得た所得に対してかかる税金(正確には「総合課税」という)を計算する仕組み方法のことです。その特徴は、「より多くの所得を得ている人ほど高い税率が適用され、より多くの税金を支払わなければならない」というもの。そもそも所得税は「税率(所得に対して何%分の税金を払いなさい、というもの)」という形で請求されます。その「税率」が、利益を出せば出すほど上がるのが累進課税です。これは、国内FXや株式投資の所得に採用されている申告分離課税(単に「分離課税」とも)とは対照的です。
国内FX:雑所得 申告分離課税(税率は一律20.315%)
海外FX:雑所得 累進課税(税率は利益に応じて15%~55%)
国内FXの場合、どれだけ利益を出しても所得に対してかかる税金は一律20.315%です。一方、海外FXでは、15~55%の間で変動します。これは海外FXに限らず、総合課税が適用されているすべての所得に当てはまります。総合課税にはいくつもの種類があり、そのひとつが「雑所得」です。海外FXで得た利益は、「雑所得」に分類され、その雑所得は「総合課税」に分類されます。だから多くのサイトで、「海外FXの利益は総合課税の雑所得」と解説されているのです。
では、XMの利益(総合課税の雑所得)から、実際に支払う税金をどのように計算するのでしょうか。それにはまず、①所得額を計算し、②所得にかかる「税率」を割り出し、③所得税を計算する、という3ステップを踏む必要があります。ざっくりとした計算方法は、以下のようになります。このうちの①と②の考え方は、次の通りです。
①「所得額」=「XMで得た利益+その他の総合課税(給与を含む)を合算した額」-「経費」
②「税率」=総合課税の税率(下図の表)を参照
所得金額と税率
所得金額
税率
控除額
195万円以下
15%
0円
195万円超~330万円以下
20%
97,500円
330万円超~695万円以下
30%
427,500円
695万円超~900万円以下
33%
636,000円
900万円超~1,800万円以下
43%
1,536,000円
1,800万円超~4,000万円以下
50%
2,796,000円
4,000万円超~
55%
4,796,000円
所得税(5%~45%)・住民税(10%)の合算
この表を見て、「400万円稼いだ場合、その30%となる120万円の税金がかかるのか」と思われるかもしれません。確かに上の表ではそのように見えますが、厳密には異なってきます。なぜなら、400万円の所得があった場合、その全てに30%の税率が適用されるわけではないからです。具体的には、
・195万円まで15%
・195~330万円まで20%
・330万円~400万円までに30%
の税率が適用されることになります。つまり、今よりもワンランク高い税率に頭がはみ出してしまったからといい、いきなり所得税が跳ね上がることはありません。また、400万円にかかる税金が120万円ではないもうひとつの理由は、右側に記載されている「控除額」があるからです。控除額は、所得から無条件に引くことができます。これらを考慮すると、XMで400万円の所得を得た人にかかる税金は、実際には30%(120万円)よりもずいぶん安くなります。ひとつのケースをご紹介すると、海外FX(総合課税)で得た利益の合計が431万円以上を上回らない限り、国内FXの税率(税率20.315%)よりも安くなります。つまり、海外FXを選択した方が「節税効果」が期待できます。
他にも所得があるんだけど、その場合どうなる?:
これは裏を返せば、431万円よりも所得が高い人は、国内FXの税率(20.315%)よりも高くなる可能性があります。このとき、もっとも気をつけなければならないのが、この431万円には「XM以外の総合課税」が含まれるということです。他に所得がある場合、総合課税の所得すべてを合わせた上で、計算する必要があります。具体的には、以下の所得が総合課税に当てはまります。
・事業所得
・不動産所得
・利子所得(定期預金など)
・給与所得(サラリーマンやアルバイトなどのお給料)
・雑所得(海外FXの利益、仮想通貨、アフィリエイトから得た利益など)
・総合譲渡所得(自動車などを譲り渡した際の所得など)
・一時所得(懸賞の賞金や立ち退き料など)
「総合」課税という名前のとおり、会社からの給与を含むあらゆる所得が「総合課税」に適用されていることが分かります。およそ国内FX、株式投資、投資信託で得た利益に適用される「分離課税」ではないものは、総合課税になると考えていいでしょう。XM以外からも多くの所得を得ている場合、結果として総合課税で計算される所得額が増え、税率が高くなってしまいます。この点を考慮する必要があるでしょう。
それでは上記のように計算された納税額を、いつまでに納付すればいいのでしょうか。それは「2月16日~3月15日」です。これは毎年、変わることはありません(ただし、所得の計算は、1月1日~12月31日の区切りで行われる点には注意してください)。
期限内に納付しよう:もし確定申告までに納税するお金を用意できなかったり、バタバタしてしまって確定申告に納付が間に合わなかった場合、どうすればいいでしょうか。その場合、遅れてもいいので、なるべく早く確定申告を済ませてください。なぜなら申告漏れに対するペナルティはかなり厳しいからです。
・無申告加算税(最高20%)や税延滞税(最高14.6%)などが課される場合がある
・「悪質な脱税」と判断された場合、逮捕される危険性も
過去のケースでは、大阪城の前でたこ焼きを売っていたおばあちゃんが3年間で1億3000万円の税金を逃れたとして、懲役1年が課せられたケースがあります。もちろん、この例は金額が大きかったことも影響しています。実際には、懲役刑なることはめったにありませんが、無申告課税(最大20%)が課せられる可能性なら十分にあります。遅れれば遅れるほど、本来の納税額+ペナルティの支払いが求められるので、経済的負担が増加します。サッと支払ってしまうのが、精神衛生上もいいでしょう。
ちなみに、3月15日にどうしても支払いが間に合わなかった場合でも、以下の条件を満たせば、無申告課税を避けることができます。
①3月15日から1ヶ月以内に自主的に確定申告が行われている場合
②期限内申告する意思を持っていたと認められる場合(直近5年間に期限後申告をしていないなど)
この両方を満たしてれば、ペナルティが課されることはありません。どうしても間に合いそうにない場合、覚えておきましょう。
確定申告デビューの方がもっとも戸惑うのは、「書類関係」でしょう。国税庁HPなどを見てしまった日には、どんな書類をどれだけ用意すればいいのか、なおさら訳がわからなくなってしまいます。実は、XMで得た利益を申告するために必要な書類は、それほど多くありません。具体的に用意すべき書類の一覧をみていきましょう。
・マイナンバーカード(または通知カード)
・源泉徴収票(給与所得者のみ)
・各種控除証明書(社会保険料控除・医療費控除・住宅ローン控除)
・経費の領収書 ※提出義務なし
・年間取引報告書(年間損益報告書)※提出義務なし
それぞれどのような書類なのか、ひとつずつご紹介します。
XMの確定申告は源泉徴収票、経費の領収書、控除証明書が必要
・マイナンバーカード(または通知カード)
マイナンバーカードは、XMで得た利益の申告に限らず、確定申告を行う際には必ず用意しなければならない書類です。マイナンバーカードをお持ちでない場合は、「通知カード」をマイナンバーカードの代わり利用することになるので、用意しておきましょう。
・源泉徴収票(給与所得者のみ)
源泉徴収票についても、XMに限らず、確定申告の際に必要となる書類です(給与所得を得ている方限定)。源泉徴収票は、12月末頃に勤務先から受け取ることができます。
※2019年4月1日から、確定申告の際に源泉徴収票を添付しなくてもよいことになりました。そのためサイトによっては確定申告に源泉徴収票は「不要」と書かれていることもあります。しかし実際には、確定申告書を完成させるために、源泉徴収票に記載されている内容を見る必要があります。そのため、源泉徴収票は手元に用意しておきましょう。
・各種控除証明書(社会保険料控除・医療費控除・住宅ローン控除)
各種控除証明書は、所得額から一定の金額を「控除」できることを証明する書類です。確定申告での提出義務はありませんが、控除額の分だけ所得を少なく申告することができるので、節税になります。ぜひ用意しましょう。各種控除証明書もっとも身近な例としては、社会保険料控除があります。「健康保険料」「厚生年金保険料」「国民年金保険料」などです。このように、多くの方が何らかの各種控除証明書を用意できるはずなので、確認してみましょう。
・経費の領収書 ※提出義務なし
利益を得るためにかかったコストのことを費用と言います。費用は、確定申告の際に「経費」として計上することで、所得額からその分を引くことができます。上記の控除と同じように、所得を少なく申告することができるため、結果として節税につながります(収入-経費=所得)。たとえば、XMで100万円の利益を得ており、そのための「経費」が10万円発生している場合、所得は90万円となります。ただし経費を計上するためには、費用がかかったことを証明する領収書やレシートを保管しておく必要があります。何でもかんでも経費にしていると、税務調査が入り「この経費は本当にかかりましたか?領収書は?」と聞かれたとき、あたふたしてしまいます。経費の水増しは、脱税の典型的なパターンとして税務署も警戒しているので注意しましょう。
ちなみに、FXトレーダーは、一般的に以下の費用を「経費」として計上することができます。
・トレードのためのパソコン、スマホの購入費
・インターネットプロバイダー料金
・FXの勉強のための書籍や雑誌、セミナー代金
・セミナーやFXトレーダーとの勉強会に参加するための交通費や宿泊代
・自動売買システムはEAの購入代金
・XMへの送金手数料
・トレードに必要なマンションの家賃など
・年間取引報告書(年間損益報告書)※提出義務なし
年間報告書(年間取引履歴)とは、1年間でどのような取引があったかを記載した報告書のことです。XMの場合、取引ツールのMT4・MT5からダウンロードできます(ダウンロード方法は後述します)。年間報告書は確定申告での提出義務はありません。しかし、海外FXでの損益を証明する書類として添付しておくと、スムーズに手続きすることができます。あなたの所得の申告額が正しいことが、一目で分かるからです。
初めて確定申告では、誰もが「なんてややこしいんだ」とウンザリするものです。しかし、初年度さえ乗り越えてしまえば、翌年からは勝手が分かっているためずいぶんと楽になります。実際に面倒なのは、確定申告の作成そのものではなく、それを作成するために必要な知識を覚えることなのです。もし分からないことがあったら、そのつど用語を調べながら、ひとつずつ乗り越えていきましょう。これもXMでお金を稼ぐために必要なこと一部なのです。
最後にこの記事の要点をまとめておきます。
・サラリーマン(給与所得者)の場合、XMで20万円以上の利益を出すと確定申告が必要となる
・個人事業主の場合、38万円以上の利益を出すと確定申告が必要
・XMでは「分離課税」ではなく「総合課税(累進課税)が適用される
XMは、総合課税の雑所得(税率15%~)が適用されます。よく「海外FXは税金が高い」と言われていますが、利益がそれほど多くない場合、むしろ国内FXの分離課税(税率20.315%)よりも税金は安くなります。ハイレバレッジの他にも、節税というメリットがあるXMを、この機会にぜひ使い始めてみましょう。