はいどうもどうも、アート屋の人です。
微妙に過ぎましたがALISを始めて2ヶ月になりました。
いつも記事へのいいね・コメント・投げ銭ありがとうございます!
先日、こちらの記事に面白いコメントをいただきました。(6/17 13時20分時点で50いいね、自己記録で4位の記事です。みなさんありがとうございます!わーい!)
うわああああああ!あびとらぷいきゅあーさん!!
ありがとうございます!!
『ALISのバンクシー』、超絶畏れ多い誉め言葉なのですが、同時にふと思ったことがありました。
バンクシーとALISの組み合わせって、なんか面白いなと。反商業アートと仮想通貨投資が主軸のSNS(?)という相反する面がありながら、非中央集権主義という面では親和するという…。
これは強烈なインパクトを生む可能性を秘めた組み合わせなのでは…?
バンクシーといえば、反商業・反体制・反権力主義ですよね。手を変え品を変え、さまざまな方法で既存の権力システムを嘲笑うようなアートを生み出しています。
しかし問題は、バンクシーという存在があまりに有名になりすぎてしまったこと。そのために作品が高騰し、まさしく権力と商業のアイテムとして取り込まれてしまったことです。
昨年のサザビーズオークションでのシュレッダー事件などはあまりにも有名ですね。これもオークションを嘲笑うパフォーマンスそのものがアートとして成立し、シュレッダーされた絵にはさらなる高値がついてしまいました。
これがやらせでも出来レースでも面白いから私は好きだし、同じ発想はできなかっただろうから尊敬してるんですが、反商業を商売に使うことには批判も少なからずあるようです。
そこで思ったんです。
貴方たちが欲しかったアート()ってこれでしょ?っていう。
ここまではTwitterでも書いたとおりです。
その後ひとつ案を考えたので、各方面の知識がある人に是非や改善点を相談したく、今回の記事を起こしました。いけそうな雰囲気を感じたら7月の個展でパフォーマンスアートとして実験を行う許可をいただけるよう美術館側に持ちかけようと思っています。
※追記
美術館さまのOKが出たので、8/3~25の間、メイン会場内にてイベント開催いたします!
※8/11 追記
イベントが始まり秘匿情報ではなくなったので先行有料記事から無料化いたしました。
それでですね、ちょうど同じ記事に、がくしさんがコメントで興味深い記事を紹介してくれていたんです。ありがとうございます!!
Re-Fungible Tokenという新しいトークンのアイディアについての記事ですね。これがとても面白くて、アートマーケットの新たな可能性を感じました。ここでは本当にざっくりとしか書かないですし孫引用になっちゃう部分もあるので、興味のある方はぜひリンク先も併せてご覧ください。
私はクリプト界隈についてはドドド素人もいいとこなので、この記事でEthereum系トークンがFungible Token(ERC20)とNon-Fungible Token(ERC721)の2種類に分類されることを初めて知りました。
前者のFungible Tokenは我々が通常イメージする仮想通貨で、単位ごとの分割が可能なものです。1ETHは0.1ETHを10個集めたものだよみたいな表現ができる、分割や交換が容易な形態のものですね。ALISトークンもこっちでしょうね。
一方で後者のNon-Fungible Tokenは、トークンひとつひとつが骨董品やアート作品のように固有のものとして存在し、分割ができないものです。ゲーム内のユニットなどで利用されるとありますね。
Re-Fungible TokenとはこのNon-Fungible TokenにBonded Curve Tokensというアイディアを組み合わせたもののようです。
Bonded Curve Tokensとは、「トークンの流通量の増加にともなって価格が増加するように設定することで、トークンの供給と流動性を維持する」という仕組みなのだそうです。具体的には以下のような流れです。
トークンを購入する際に、その購入費用を準備金として新規でトークンが発行されます。
トークンを売却する際は、発行者がそのトークンを引き取ってバーンし、預かった準備金とトークン総量のバランスを維持します。
このモデルでは、「通貨価格=通貨発行量^2」という価格決定曲線を取っているようです。
これにより、通常の市場よりホールドするメリットが大きいこと、下落相場においても準備金が急激に枯渇する心配がないので、経済的合理性に則って損切りや塩漬けを選択できるということのようです。
このトークンになんらかの権利や付加価値が紐付けられていたらどうでしょうか。例えば音楽や映像作品の視聴権、インスタレーション作品の観覧権などです。
そうすると、その権利や付加価値を得たいと思う人が増えるほど、トークンの価格は上昇していくことになります。著作者→著作者のコアファン→アーリーアダプター……と、早い段階で買った方が得をする仕組みになります。がくしさんがこの記事を紹介してくださった理由もここかと思います。私が当該記事で提唱したのと同じように、早く買ってくれる上客様ほど得をします。また、その作品の価値が透明かつ経済的合理性をもって保証されることになります。
そしてRe-Fungible Tokenは、アート作品に紐付けされたNon-Fungible Tokenを発行し、その所有権を別のBonded Curve Tokensで分割所有できるようにするという考え方です。
著作者は最初の一番安いトークンを購入することでトークンの売れ行きに応じた利益が生じ、著作権はNon-Fungible Tokenによって保証され、Bonded Curve Tokensによって公正な価値で取引できるというわけですね。
ただこれは今のところ、複製可能な音楽や映像作品向きだと思います。1点もののアート作品だと、Bonded Curve Tokensの所有者全員が作品の所有権を有し満足に観賞するのが難しいからです。
この方法を上手いこと生かして、投機商品としての逆バンクシーアートを来月の個展で実験できないものかと考えています。
しかしいきなり仮想通貨トークンと紐付けしてどうのこうのというのは、正直知識のない私にはちょっと出来そうにないかなと思います。独自トークンを作るとこまではググればたくさん出てきたんですが、その後の運用方法がよくわからない…。
それに個展のお客様が説明を理解して参加してくれるかという点にも不安が残ります。おそらく大半の方は仮想通貨に馴染みがないと思われますので…。
また、前述のとおり、1点もののアート作品にこの仕組みをそのまま適用するのは難しそうです。
ですのでとりあえずは、もっとシンプルにお手軽に、Bonded Curve Tokensの仕組みだけを物理トークンでやってみて、この行為をひとつのアート作品としてみたいなと考えています。
たとえば個展の会期中、お客さんの依頼を受けて私がその場で紙にイラストを描いて販売します。これがそのまま物理トークンになります。1枚1枚が別々の絵柄をもったユニークイラスト作品でありながら、その価値はこのコンセプトで作られたすべてのイラストと共有されています。
価格はBonded Curve Tokensに準拠し、発行量^2 × 100円とします。つまり1枚目は100円、2枚目は400円、3枚目は900円…となっていきます。この売上は準備金としてプールします。
購入者がトークンを売りたくなったら、私がイラストを買い取ります。買取価格はその時の販売価格の90%とかでしょうか。取引所のスプレッドと比べたら相当ぼったくってる気もしますが1枚1枚手描き発行だしそもそも取引回数もそんなに多くないでしょうから許してください…。
まあこのへんのパーセンテージは検討の余地がありますが、とりあえず計算しやすく90%と仮定します。つまり総発行量が1枚のときは90円、2枚なら360円、3枚なら810円…とどんどん上がっていきますね。このお金は準備金から出てきます。
そして買い取ったイラストはトークンバーンとして私が責任をもってその場でシュレッダーにかけます。もったいない!
これはトークンバーンによる価値保存と同時に、『アート作品を投機商品として突き詰めるとこんな無粋なことになるよ』という問題提起と、バンクシーのシュレッダー事件へのオマージュを兼ねています。
作品をシュレッダーして作品の価値を担保するなんてね。
アパレルブランドの余剰在庫大量焼却などを想起する人もいるかもしれませんね。
要するにこんな感じですね。
本当はちゃんと絵を描きたかったんですがペンタブのペンが反応しないので諦めました。ごめんなさい。
多分デバイスドライバを入れ直さなきゃいけないんですがLAN環境がないもので………。
発行したイラストは1枚1枚異なる絵を手描きするので、コピーしてもすぐにわかります。一応和紙とかに描こうかな…?
まあだいたいこんな感じです。
これを個展の会期中限定で実験的にやりたいなと思ってます。
最終日間際に一気に売られる可能性もありますが破綻することはないはずなのでw
どうでしょうかね、逆バンクシーパフォーマンスアート、『ブラックホールエコノミー(仮)』。展示会場が販売所になるという試みです。アドバイスいただけたら幸いですです。以上です。
【個展】お座敷ブラックホール
7/6 ~ 8/25 (月曜休館)
NSG美術館にて!
(新潟市中央区西船見町5932-561)
◆この記事の販売数◆
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◆この記事でもらったお菓子(投げ銭)◆
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