便利で使いやすいiPadなどのタブレットは、使い過ぎると「iPad首」「タブレット首」と呼ばれる首や肩の痛みの原因になることが知られています。
今回、新たな研究で、これらの症状には「タブレットを使用する時間の長さ」よりも、「女性」であることと「使用時の姿勢」が重要なリスク因子である可能性が示されました。
米ネバダ大学ラスベガス校の研究グループが実施したもので、タッチスクリーン式のタブレットを日常的に使用している大学の学生や教職員、卒業生412人(うち男性135人)を対象に、タブレットの使用状況や使用時の姿勢、首や肩の症状について調査を行いました。
その結果、参加者の67.9%がタブレット使用時の首や肩の痛みを訴えており、その部位は首(84.6%)、肩や上背部(65.4%)、腕や手(33.6%)、頭部(15.0%)の順でした。
症状には凝り(74.3%)が最も多く、ひりひりとした痛み(48.1%)、鈍い痛み(42.5%)もみられました。参加者の約55%はこれらの症状は中程度でしたが、重度とする回答も10%にみられ、15%は睡眠に支障が出ていると回答していました。
また、首や肩の症状は高齢者よりも若者に多く、症状を訴える人の割合は、男性に比べて女性で2倍に上ることも分かりました。
さらに、首や肩の症状を引き起こすリスク因子として「女性であること」と「使用時の姿勢」が重要なことが明らかになました。
痛みの原因となる姿勢には、
①背もたれのない状態で座ること
②タブレットを膝の上に置いて使うこと
③椅子に座った状態で平らな机の上にタブレットを置いて使うことが挙げられました。
なお、調査では、こうした不快な症状が現れたらタブレットの使用をやめると回答した人は46.1%にとどまりました。生活に根付いているわけですね(^_^;)
タブレットPCを用いていて、首などの痛みに悩んでいる方、特に「女性」で「姿勢の悪い方」は上記の①~③に該当しないかチェックしてみるのも一つの手段かもしれません。
参照:国際医学短信 2018年7月6日