ちゃいな回想録①から読んでね!
私の赴任先は北東部のように大雪が降ることはありませんでしたが、真冬には雪が積もることもあり、それなりに寒い地域でした。
学校が用意してくれた掛け布団は薄手の綿布団一枚だけだったので、冬にはもう一枚追加してくれました。最初にもらったものと同じ薄い布団だったのは残念でしたが、K市では豊かな都市と同じように物があふれているわけではなかったので仕方ありません。暖房器具にしても、日本で一般的に使用されているストーブ類はお目にかかることはなく、あるのは練炭コンロか炭を焚く火鉢くらいでした。
その冬に一度、車で6時間離れた省都にある某大学の宿舎に泊まる機会があったのですが、日本人留学生の部屋はセントラルヒーティングで常にぽかぽか、ベッドにはふわふわの羽毛布団がありました。
さて、布団に加えて学校が準備してくれた暖房器具というのは…
私は日本で一人暮らしをしていた時、ガスを使えないマンション住まいだったのでこの電熱器で調理していました。そのため、これでどれほど部屋が暖められるのかは使わなくても想像できました。焼け石に水…いえ、物も電気も足りない地域なので学校側は精一杯の対応をしてくれたと言えます。
8月に、私が猫好きだと知った生徒の一人が遠方の自宅から(電車で何時間もかけて)子猫を二匹連れてきて「もらってほしい」と言ってきました。私の中国での生活が少しでも楽しくなるようにという生徒の気持ちはありがたかったのですが、帰国する時に連れて帰ることが難しいため、無責任に飼いたくないからと固辞し続けました。そのうち校長先生が「帰国時には自分が引き取るから、それまで飼ってやってくれ」と頼み込んできたので飼うことになりました。あの厳しい寒さの中、猫たちがいなければもっとつらい冬を過ごすはめになっていたでしょう。
しかし、猫の湯たんぽがあっても寒すぎました。電熱器よりは練炭の方が火力が強く、部屋を暖めるパワーがあります。何度、隣の部屋から練炭コンロをもって来ようと思ったか知れません。
二ヶ月半もかけて作ってくれたバスルームは、お湯が出るシャワーもつけてくれたのですが、数回使ったところで水しか出なくなりました。そのうち水もほとんど出なくなりましたが、最初からまともに使えることを期待していなかったので学校側に修理を要求することもしませんでした。
冬のお風呂は、練炭で何度もお湯を沸かしてバスタブに入れる作業を繰り返さなければ入れなかったため、毎日お風呂で温まるということもできず……ある程度のお湯が溜まる頃には水温が下がってしまっていたんですよね。
練炭コンロはさんざん悩みましたが、一酸化炭素中毒になるのが怖くてベッドルームに持ち込むことはありませんでした。当たり前の選択かも知れませんが、あの当時は脳みそまで凍えていたようで本気で就寝時に練炭を焚くかどうかで悩んでいたのです。
後にも先にも、しもやけになったのはこの冬だけでした。
ちなみに、水虫は中国語で香港脚xiāng gǎng jiǎoと言います。(私は水虫にもなったことないです。なんか書いておかないと誤解されそうな気がしました…)
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