今月の始め、シチリアに遊びに行ってました。コテージタイプのホテルだったので、自炊をする機会もあったのですが、野菜がとても大きい。ナスもキュウリもピーマンも、日本では見たことないという大きさです。
で、キュウリを切っている時に、村上春樹さんの『ノルウェーの森』にこんなシーンがあったのを思い出しました。
大学の同級生である緑の、お父さんが入院しているところにお見舞い行き、そこにあったキュウリを切ってあげると、病気で食欲のないお父さんがキュウリを3本食べた、というシーンです。そして、『ノルウェーの森』の英語版にはこの描写のところに、「注:日本のキュウリはとても細い」と書いてあるんです。
たしかに、いくらみずみずしい食べ物が病人の食欲を刺激したといっても、この大きさのキュウリ3本を想像してしまうと、読者に誤解を与えるよなぁと、思いながら、キュウリを切っていました。
父が台所にやってきたので、ノルウェーの森の注と、それを書かざるを得ないほどのキュウリのサイズによる文化の違いについて、興奮とともに報告しました。すると、かえってきたのは冷静な、「8年前のヨーロッパ旅行でも同じ話をしていたよ」という突っ込みでした。
むむむ。
という事で、海外でキュウリを食べると、『ノルウェーの森』を思い出す、という話でした。
(ナスもナスで、びっくりの大きさだったけれど。)
MIO
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