27/07/2015
さて、エディンバラ行きまで2週間を切りまして、作品づくりも制作過程もいよいよ大詰め。
物語も完成し(予定より大分遅れましたが)、翻訳と同時に物語の流れを固める作業中。
昨年と大きく違うのは、今回の作品「complex」は動きがほとんど無いということ。
ひたすらパソコンの前で”見えない相手”とチャットしている設定なので、劇中ほとんど動きがありません。
しかしながら客席と舞台が近いため「男」の些細な仕草が観客の想像力に大きく影響してきます。
しかもチャットをしている設定なので、相手(面接官)の声は観客には聞こえない仕組みになっているため「男」のセリフや相手の質問を聞いているときのリアクションがとても重要になってくるのです。
しかも、今回はイギリスに住んでいる男の話。
前回のように片言の英語ではリアリティに欠けます。
出来るだけナチュラルに、かつ日本人ぽさを残す英語発音にしなければなりません。
何度となくセリフを繰り返し、徹底的に体に英語と物語を叩き込んでいます。
さて、制作的なことでは先日アワードへの登録を済ませました。
エディンバラフェスティバルフリンジでは毎年約20ほどのアワード(賞)が発表されます。
それらは新聞や企業、世界各国の劇場などが設けているアワードで、何もしなくても勝手に批評家が審査しにくるものから、事前にこちらからノミネートし審査員が観にくるものまで様々です。
参加アーティストの中には「フリンジに参加出来るだけでラッキー」ということで賞レースとは無関係の人達も多くいますが、やはり世界中で実績を残している団体や毎年著名な劇場で作品を発表するにはこのアワードの獲得が今後の活動に大きく影響してくるのです。
昨年は参加することで精一杯だったのでその辺のこともおざなりになっていましたが、世界に通用するシアターカンパニーMY COMPLEXとしてフェスティバルに参加するからには積極的に賞レースに参戦していきたいと考えています。
とはいえ、先日発表された今年の参加数は・・・
More than 3,000 shows/Over 300 venues/More than 50,000 performances
約3000作品が約300の会場で50000ステージ開催されます。
これだけの中から賞レースに食い込まなければならず、ノミネートするだけでもとてつもないことなんです。しかもそれらに食い込むには最低でも星を4〜5獲得しなければなりません。
しかも、演劇のみならず音楽、ダンス、キャバレー、コメディなどありとあらゆるジャンルの強者が世界中からノミネートしてくるのです。
ちなみに昨年同様、日本人としてTHEATREカテゴリーでの登録は私たちだけです。
日本人はどうしても和太鼓やダンスなど言葉を必要としないものが多いです。
圧倒的にマイノリティな状況ではありますが「complex」という物語を引っさげてエディンバラに乗り込むまで手は緩めません。
さて、いよいよ次回は日本での最終アップデートになる予定です。
どうぞお楽しみ。