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Little Boy Diary – Day 18 アクシデントとキュレーター

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  • 2020/01/04 06:42

24/08/2017

Edinburgh現地時間、只今8月24日0時。

さて残りも1週間を切りまして、さすがに疲労困憊感はありますが、それでも毎日本番はやって来ます。

いつも変わらず、宿を出る前に全シーンを通してから、劇場へ向かう日々。

そして空いた時間を使って勉強会やら、観劇やら。

とにかく毎日が刺激的。

次から次へと色んなことが起こります。

先日も、劇場側でアクシデントが起こり、一時騒然となりました。

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劇場スタッフがバタバタしながら騒然とした顔でやってきて「現況だけ伝えるから」と言って早口で説明を始めた。

状況を簡単に説明すると、私たちの劇場がある建物には全部で6つの劇場(1階に3つ。地下に3つ)が入っているのですが、私たちが使っているstudio3の隣のstudio2でテクニカルアクシデント(音響、照明のトラブル)があったようで、急遽studio2でやってた作品をstudio3でやることに。

その為、オペ卓(音響照明の操作盤)に全てのきっかけを打ち直すという荒技をしながら、studio2でやってたカンパニーは急遽studio3のサイズに合わせて芝居を作り直すことに。

当然、すぐには出来ないのでお客さんをしばらく待たせてから本番スタートさせるとの事。

で、これはどういうことかというと、私たちがやるstudio3の時間が押せ押せになってしまうわけで、当然私たちの開演時間も後ろにズレる羽目に。

仕方ないので、控え室で待っている間も、スタッフたちが劇場内をかけずり回っている。

そしてやっと前の作品が終わり、演者が控え室に戻って来た。

皆、疲れ果てた表情で「信じられない」と言った感じ。

今度は私たちのゲットイン。

が、studio3に入ると今までとは全く違う照明と椅子のセッティングになっている。

そりゃそうだ。違うカンパニーがさっきまでやってたんだもの。

急いでセッティングを組み替える。

そこで気がついた。いつも私たちに付いてくれてるテクニカルのスタッフがいない。

聞くと、どうやらstudio2のアクシデント処理に回されてしまったらしい。

仕方ないので、その場にいたスタッフにうちらのセッティングを口頭で伝える。

ところが、今度はstudio3の明かりが点かない。

慌てたスタッフ。

劇場内の黒幕をめくり上げ、全ての配線コードをチェックする。

こればっかりはただ見てるしかない。

1分、2分、ただ時間だけが過ぎていく。

開演時間はとっくに過ぎている。

外からも様々なスタッフが集まってくるが、一向に改善する感じはない。

そこで、私たちが取った判断は…「うん、いいよ。点くライトだけで本番やるから適当につけて」そう、さすがに4回もfringeに参加していると多少のアクシデントじゃ動じません。

最悪、照明がなくても、音が鳴らなくても(実際、数日前に音響設備の不具合で音が鳴りませんでした)上演できる作品をつくるのもfringeに参加するアーティストの条件だと思っているので・・・。

Little Boy は傘が一本あれば最悪の場合、どこでも上演できるようにつくっていたので、「いいよ。このままやろう!」という判断を下しそのまま上演しました。

有難いことに開演時間が遅れたにもかかわらず、お客さんも待ってくれて、終演後には「アクシデントも全く気にならなかったぐらい良かったよ」と言ってもらうことが出来ました。

終演後は劇場スタッフたちが平謝り。

そして「君たちには本当に素晴らしいよ」と。

ひょんなことから、劇場に感謝されることに。

でも、これもfringeです。

劇場じゃない場所を急遽劇場にしているので、こう言ったアクシデントは決して珍しいことではありません。

ですが、決して怒鳴ったり、ギクシャクすることなくスタッフもカンパニーも含め、全員でアクシデントを乗り越えようと前向きに動きます。

そしてアクシデント自体を「楽しもう」としている感じすらあります。

これこそfringe。

こういうことは日本では少ないと思います。

誰かが怒鳴り散らしたりしてギクシャクしながら対処する現場を何度も見てきたんで…。

話は変わりますが、初めての出来事は他にも。突然連絡が来たメール。

「君たちに興味があるんだけど、話さない?僕たちはfringeには参加してないんだけど、showをやってるから来てよ」

で、行ってみた。ただの本屋。その本屋の片隅にいくつかの椅子を並べて中年の男性が語り出す。

イギリス軍に勤めていた男性が経験した話を淡々と1時間。

終演後、メールをくれたプロデューサーと話をしました。

どうやら世界中の「戦争」に関わる作品を集めて劇場に売り込むキュレーターらしく、私たちのLIttleBoyに興味を持ってくれたようだ。

世界中には不思議な人がいっぱいいる。

そんな中、日本からお客様がいらっしゃいました。

到着初日に早速LittleBoyを観てくれました。

この日はほぼ満席!さらに昼間講習会に行ったBrighton fringeのトップまで来てくれ、クーラーのない極小空間は熱気ムンムン。

そんな中、いつも以上に汗だくで演じてきました。

これもまた、fringe。

さらにまだまだ日本からのお客様が続々Edinburgh入りします。

そんなみなさんにも、世界最大の芸術祭を堪能してもらうべく明日以降も引き続き頑張ります。

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