21/07/2015
このアップデートも 10回目になりました。
時間に追われ始めると、比較対象が欲しくなるのか、1年前の今頃は…2年前の今頃は…どうも遡り癖が発動します。
それをしたところで、安心感が得られることも、逆に緊迫感が増すこともありませんが、ただ2年連続でこの時期にエディンバラで発表する物語を創っていられることはラッキーなことだな、と再認識します。
いつもの繰り返しになってしまいますが、皆さまのご支援があるからこそ、このプロジェクトは実現に向けて進んでいます。
今回は”complex”に関連するものを、断片的にいろいろとお見せしたいと思います。
まずは、”complex”がまだ”my complex”というタイトルだった頃、一番最初に用意したのがこの小道具でした。
実際、物語の中でとても大切な役割を果たすことになります。
最近は、ヘッドホンをつけて稽古するのですが、自分の声がはっきり聞こえないようで、声量調整という新たな課題が出てきています。
そして、何度となく登場するこの写真にうつるデスク。
今年もこのデスクも出演します。
昨年日本からエディンバラに送ったもので、ありがたいことに現地在住の私たちの大切な友人が預かってくれています。
ちなみにこのデスク、昨年は初日前日まで行方不明で劇場さんを巻き込んでの大捜索の結果、郵便局で足止めをくらっていて、ギリギリのタイミングで劇場入りできた、現場制作として大きな学びとなった代物です。
そして観客からは一切見えないもうひとりの出演者・イライザが登場するタモツさんのmac。
ビデオ面接にリアルさをもたせる為、目線には細かくチェックを入れます。
今回の物語は、ほぼデスクでラップトップの画面と向き合った状態で話が進みます。
動きがほとんどない状態で、観客の意識をこちらに向け続けるには、表情・声色に多くを頼らざるをえません。
ひたすらセリフを読み込みことで、発音の精度は格段に上がってきています。
昨年に比べて、イギリス在住という設定がある分、使う語彙レベルもかなり高くなり、その分セリフとの格闘も厳しいようです。
現段階で8割方セリフが流れるようになってきました。
回数を重ねるだけ、タイムも理想通りになってきていて、ここでも昨年の経験が活きています。
上演時間については、本当に劇場と契約した際に合意した時間枠を確実に守ることが求められています。
これは、このフェスティバルではどの劇場でも共通することで、1日にひとつの劇場で朝から夜中まで1時間〜1時間半の枠で様々な団体が入れ替わり公演をうっていくので、ひとつの団体が少しでも枠からはみ出ると、その後の団体全てに影響が出てしまうからです。
この入れ替わりのスピード感と客入れ・客出しのテンポは、今年は劇場の規模が変わったこともあり、初めての経験になるので、常に「worst scenario(最悪のケース)」を想定して準備・事前打ち合わせを進めています。
そして、稽古につきものなのが、「ダメ出し」です。
何とも響きの悪い言葉ですが、物語の精度を上げるには不可欠な作業なので、毎回意地悪なのかと自省する程の細かさになります。
その場ですぐに訂正したほうがいい場合は、すぐに止めますが、タイムを取っていたり、流れができているときは、まとめてダメ出しをしています。取ったダメの一部です。
指摘すると、ほぼ全て本人に自覚があり、自覚がある分、修正がききます。
話しぶりにも、コイズミタモツの人格が滲み出てきていて、これからの追い込みでどんな変化が起きるのか楽しみです。
まだまだ台本の最終調整が続き、稽古も細かく小返しを続けているところです。
渡航までのカウントダウンも残り僅かになってきていますが、この緊張感としっかり戦っています。
引き続きどうかご支援の程お願いいたします。
このアップデートもカウントダウン仕様に入ろうと思いますので、お時間あるときにご覧いただけたら嬉しいです。
最後に、毎週月曜日にエディンバラフェスティバルフリンジの公式Facebookページで更新される「Motivational Monday」から、お気に入りのひとつを。
Creativity is contagious. / 創造力は伝染する