11/06/2015
エディンバラフリンジフェスティバル参加作品「complex」の初日まで2ヶ月を切りました。
作品創りはもちろんですが、公演に関しての劇場・フェスティバル事務局とのやり取りも徐々に細かくなってきており、いい意味での緊張感が増す毎日です。
5回目のアップデートとなる今回は、エディンバラフェスティバルフリンジについて、そして私たちが皆さんのご支援を募って、是が非でも参加したいと思うようになったきっかけについてお話したいと思います。
このプロジェクトのページにも概要は書かせていただいているのですが、エディンバラフェスティバルフリンジは世界最大の演劇祭とも呼ばれており、演劇を含めパフォーミングアートに携わる人間にとっては、世界に自分の作品を売り込む最大の機会でもあります。
8月7日〜31日の会期中に、去年を上回る49ヵ国から3,314作品(50,459公演)が発表されます。
普段は教会・学校・カフェ・ホテルという場所が「劇場」に姿を変え、エディンバラの街中が劇場で溢れかえります。
その数、313箇所。
数字だけではなかなかイメージがつかないと思いますが、実際一度でもその空間に身を投じただけで、一瞬でその特異さの中毒になるといった感じです。
かと言って、決して「敷居が高い」といった堅苦しさはなく、世界中のアーティストに対してオープンにかつ平等に扉が開かれていると、去年初めて参加したときから変わらず感じています。
実際、このフリンジで世界各国のアートディレクターやプロデューサーの目に留まって…という無限の可能性があるということもあり、フェスティバル事務局とも「どうやって自分の作品を売り込むか」について個別アドバイスをSkypeや電話などで受けて策を練るのも大切な作業になります。
そして、ついに3,314作品の情報がつまったプログラムが手元に届きました(冒頭の写真)。
以前のアップデートで掲載した昨年のプログラムからデザインは一新され、今年のキーメッセージ「What The Fringe?」の問いに対する答えが全面に描かれています。
もちろん私たちの作品情報も「Theatre」部門にしっかり掲載されています。
Theatre部門で「新作・独り芝居」とタグを付けている非英語圏からの団体は、かなり稀です。
そもそもMY COMPLEXは、昨年のエディンバラフェスティバルフリンジに参加がきっかけとなって結成されたユニットです。
何もかもが初めての挑戦で、1週間7ステージの公演でしたが、公演中には今年の参加を決意していました。
それは、願望ではなく「絶対」でした。
その「絶対」を実現する為、より広い視野をもって活動したいという想いが私たちの根底にあります。
是が非でもエディンバラ、という理由は、このフェスティバルの規模やそこにある機会の多様性もひとつに挙げられますが、何よりも世界中の観客そして劇評家からの率直な評価を受けることができるということが一番だと思います。
その評価は、参加団体の国籍や経歴は一切関係なく、純粋に作品そのものに対して出されます。
昨年参加した際も、劇評家・観客双方からレビューをもらうことができ、私たちの作る物語が世界に通用するという手応えを得たと同時に、多くの学びも得ました。
だからこそ、何があっても「絶対」このフリンジに参加し続ける必要があると感じています。
会期中は、毎日のようにレビューが各メディアそして観客から発信され、その情報は、その公演の動員に直結するシビアなものです。
今年は、昨年の倍のステージ数、知名度のある劇場での公演。
去年はできていなかった、事前のメディア対策も講じているので、露出も必然的に増えます。
大胆な挑戦なのかもしれませんが、自信をもって世界中から集まる観客に私たちの物語を届けてこようと思います。
そして、この私たちの強い想いを実現へと後押ししてくださっているのが皆さまです。
本当にありがとうございます。
さて、肝心の「complex」の現在。
まさしく産みの苦しみという状態で、日々格闘しています。
主人公の「男」もようやく重い口を開いて話し始めてくれたようです。
近々、その主人公のお話もこの場でできれば、と考えています。
劇場からもフェスティバル事務局からも明るいカウントダウンがされる中、戦いのような日々を過ごしています。
引き続き、皆さまの温かいご支援をお願いします。
また、こんな挑戦をしている私たちのことを身近な方にもお話いただけたら幸いです。
次回はどんなアップデートになるか、是非ご期待ください。