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トークンエコノミーはなぜ成り立つことが難しいのか?

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  • とけい
  • 2018/09/25 12:05

「なぜ、トークンエコノミーを成り立たせることが難しいのか?」

「やろうと思えば、すぐ出来ることじゃないか?」

このタイトルを読んだ人から

こんな意見が飛んできそうです。


確かに、Waves上で個人トークンを発行しようと思えば、一瞬で発行できます。

手数料も微々たるものです。

ですが、本当にそれだけで「トークンエコノミー」は成り立っているのでしょうか?


実際に、とけいもこの手法を用いて「TOKEI」トークンを発行しています。

その知見を踏まえたうえで、この記事を書こうと思いました。


トークンエコノミーを1から作る難しさが身に染みて分かる

そんな記事を作っていこうと思います。




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目次

1‐1 トークンエコノミーの捉え方

1‐2 ALISの捉え方の対立

1‐3 トークンエコノミーとその普及方法

1‐4 トークンエコノミーに必要な三要素

1‐5 AHT(ハッカー部トークン)から学ぶ共同幻想

1‐6 トークンエコノミーの意義とALIS



1‐1 トークンエコノミーの捉え方


最初に、トークンエコノミーの意義に関して考えていきます。


この意義の捉え方には、持論が大きく含まれます。

ですので、この記事ではこういう捉え方をして「トークンエコノミー」を

使用しているとご解釈下さい。


トークンエコノミーとは、法定通貨を切り離しても成り立つ経済圏だと考えています。

同じ思想を持つ人達がコミュニティーの中に集い、それぞれ異なった魅力を

「トークン」という媒体を交換することによって動き出す。


これが理想の「トークンエコノミー」だと考えています。


そして、「法定通貨」から切り離された「トークンエコノミー」こそが

本当の意味でのイノベーションを生み出していくと考えています。


「ICO」は非常に「トークンエコノミー」と混同されがちですが、この意義において全く異なるものだと考えています。


その理由は、ICOは資金調達目的であり、

結局は法定通貨において価値を見出す必要性があるからです。


少なからず、ICOの理念に賛同した出資者は、

トークンを株券のような目線で購入しており、金銭的な見返りを求めています。


そのため、いくらICOを発起した側がトークンエコノミーと主張していても、出資した人全員がその意味を理解して、出資していない限り、全く意味の違うものだと考えています。


現段階のトークンホルダーの認識を考慮すると、

「ICO」が「トークンエコノミー」であるという説は不可能だと考えています。


1‐2 ALISの捉え方の対立


ここに、ALISユーザーとALIS出資者の意見の食い違いが

明確に出てきていると考えています。


とけいは、先日

「とけいがALISトークンを取引所で購入しない理由」

という記事を出し、ランキング1位を獲得しました。


この記事は読んでいただければ分かりますが、

完全にALISユーザー目線の主張であります。

そのため、ALIS出資者のみのランキングがもしあるならば、

反対意見の応酬できっとランキング圏外だったでしょう。


ユーザーは「トークンエコノミー」を、

ICO出資者は「金銭面でのインセンティブ」をALISに求めているからです。


勿論、ALIS運営には期待していますし、超長期的に見ればICO出資者も納得するモノが生まれると個人的には信じています。

ですが、現段階において、

ICO出資者から非難の声が飛んできても、致しのないことだと思います。


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<国産ICOのファーストペンギンであるALIS>



1‐3 トークンエコノミーとその普及方法


さて、話をトークンエコノミーに戻しましょう。

個人的にトークンエコノミーを行うとすると、イーサリアムかWaves上で行う2択になると思います。

実質的に管理コストを考慮した上で個人トークンを発行となると、

Waves上一択になると思います。


ですので、今回はWaves上での方法に焦点を絞ってお話します。


トークンを発行して、

まず考えるのはトークンからエコノミーをつくっていくこと。


簡単に言えば、コミュニティーを作っていく必要性があります。


とけいは、実際にこのような事をしました。

1.ALIS内先行エアドロップ

2.Twitter上でのエアドロップ

3.Twitter上で個人トークン交換会


その詳しい内容は個人ブログに記載しています


単刀直入にこの3ステップだけでは、

トークンエコノミー実現には至りませんでした。


原因としては、発行後の導線や流動性の構想を全く練っていなかったためです。

もちろん、本気で何かをしようと考えていたわけではないので

あくまで実験的に発行して、そう思いました。


上記の3ステップだけではトークンの認知度向上にしかならず、

トークンエコノミーにはなり得ないとの気づきを得ることが出来ました。


1‐4 トークンエコノミーに必要な三要素


トークンエコノミーに必要な要素を深く考察してみます。

まず必要なものは、上記で挙げた通り「認知度」です。


一定以上の認知度がなければ、トークンエコノミーなど始まるわけがありません。

ただし、この認知度だけは三要素の中で唯一、

発行者が意図して向上させることが可能です。


その有名な手段が無償でトークンを配る「エアドロップ」となります。


次に必要な要素は「コミュニティーにいるメリット」です。

その中に入って参加して、

「為になる・おもしろい・楽しい・共感できる・誰かに貢献できる」

何でも構いません。

メンバーにギブできるモノが必要になります。


ですが、このメリットを意図的に作り出すことは非常に難しく

時間のかかる作業となります。

まず、発行者の意図的に作ったモノは、

そのほとんどが参加者のモチベーションに繋がりません。


「何か素晴らしいシステム・アイデアを無償提供することで

この問題はすぐに解決するのでは?」

こういう意見もあると思います。


答えはノーです。

「馬の鼻先に人参をぶら下げる」ような手段は、

短期的に見れば

トークンエコノミーに盛り上がりを与えるかもしれません。


ですが、結局はコミュニティーメンバ-が自発的に何かしようと考える意思を持たなければ、その盛り上がりはすぐに収束していきます。


システムを利用して、満足して終わり。


これでは、トークンエコノミーとして機能していません。


そこで、大事になってくることが最後の要素「共通目的」です。

みんなで何かを創りあげていくコミュニティーは非常に強いです。

そこに、金銭的な取引などなくとも、みんなのやる気が引き金となり

コミュニティー全体に活気を与え、新たな「したいこと」を増やしていく。


こうなれば、「トークンエコノミー」としては大成功です。

そのため、一番最初に取り上げた認知度向上の手段

「エアドロップ」は諸刃の剣です。


いわば、トークンとしての価値を削りながら、認知度を上げているようなものです。


本来は「共通目的」がおもしろそうだから、トークンエコノミーに加入することで、参加者はメリットを得たと感じます。

その上で、実際に面白かったら「SNS」上でそのことについて発言していきます。


そのコメントを見た人が「おもしろそうだ」と感じ、新たに加入してくれる。

このように認知度を向上させていくことが、理想の流れであり

目指すべきトークンエコノミーの姿です。


ここにトークンを効率よく渡していくノルマや

スムーズにトークンを渡していくシステムなどの

「流動性」が加わると、トークンエコノミーはより強固なものとなるでしょう。


1‐5 AHT(ハッカー部トークン)から学ぶ共同幻想


とけいは、上記の事を考察した結果、

「TOKEIトークン」の運用方法に行き詰ってしまいました。


認知度をあげるための「エアドロップ」をし続けることは

「トークンの価値」を減らし続けるだけ。


かと言って、メリットを創り出し、「おもしろそうだ」と思える構想も

現段階のとけいでは、なかなか創り出せないなと判断したためです。


この事が出来なければ、理想のトークンエコノミーはただの絵空事になり、トークンは電子ゴミとなり果てます。


プランがあっても実行できなければ、そこらに転がっている空き缶と何ら変わりありません。


さてこの悩みの最中に、転がっている空き缶を

見事なアートに昇華しようとしてる「トークンエコノミー」を発見しました。


それが、

AHT(アリスハッカー部トークン)です。


億ラビット氏を中心に創り出されたこのプロジェクトの中核に位置付けられた

「共同幻想」がトークンエコノミーの答えだと感じました。

アリスハッカー部ページはこちらから


1‐4で分析した要素が、全て網羅されている上に

このページの作り手である

億ラビット氏はプログラミングのエキスパートであります。

そのためトークンエコノミーの流動性もしっかりと担保されています。


そしてこのAHT(アリスハッカー部トークン)には、

しっかりとした需要がすでにありました。


その需要の源を分析していくと見えてくること。


その答えが「ALIS」にあり、話はALISへと戻ってきます。


1‐6 トークンエコノミーの意義とALIS


億ラビット氏には素晴らしい技術があり、才能があります。

このことは紛れもない事実です。

ですが、単独で「AHT」を発行したとして、話題になるかどうかを

考えた場合、話はそう単純ではなかったと思います。


億ラビット氏はこれまでALIS上で有益な記事を生み出しており、更にはALISに貢献するようなサイトを独自で作ってきました。


その上で、ALISコミュニティー内にある「ハッカー部」でトークンエコノミーに関して議論した後に、創り出したトークンこそが「AHT」です。


この背景があったからこそ、最初から「AHT」に共感が生まれ、需要が生じ、トークンエコノミーが成り立ったのだと考えています。


また既に、AHTのトークンエコノミーはまわりだしており、イラストをAHTのみで受け付けるという事例も発生しています。


エアドロップも大々的に行わず、明確なマーケティングも行っていないのに

「トークンエコノミー」が成り立つ。

この流れを成し得た手段が「ALIS」の活動そのものであります。


そういう意味で、「ALIS」の信頼の可視化は

すでに分散化して始まっていると考えています。



なぜ、トークンエコノミーを成り立たせることが難しいのか?

それは、発行者の信頼が見えず、共感のステージまで

トークンエコノミー圏を拡大することが

至難の業であるからです。


この記事の答えとして「トークンエコノミー」を作るには、

発行者本人の信頼をしっかりと参加者に見せておく必要があるとの結論に至りました。


その上で、「ALIS」は最高の場であります。

ALIS参加者はモチベーションが高く、多種多様な技術・才能を持ち合わせた人が交わっているからです。


「トークンエコノミーを1から作る」には

自らの想いをどこかで発信し続けることと

その共感を熟成できるような材料を作る必要性があります。


その場として「ALIS」はうってつけだと思います。


そして、締めの一言をいうならば、



「真のトークンエコノミーは、信頼を担保にまわり続けることが出来る」


このことが記事で言いたかったことの全てです。

公開日:2018/09/25
獲得ALIS:95.96
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  • とけい
  • @nonbiritokei
映画好きな、酒飲み

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