3時過ぎに自宅を出て、9時に大山駐車場に到着した。2018年は開山1300年とのこと。出発時は雲がかかっていてあいにく伯耆大山を拝めず。
参道へ続く道から夏山登山口へと入る。阿弥陀堂まで両側に石垣が残る道を歩く。かつてはたくさんの堂宇が建っていて、ここは一大修験場であった。さらに進むと広いブナ林へと入っていく。
とても広いブナ林であるが、なんかどのブナも上へ上へと伸びてずいぶん背が高い。北陸ほど雪は多くないだろうから成長が早いのかな? 関係ないか?
立派なブナたちで新緑が気持ちよかった。
5合目を過ぎると、次第に木々の背丈が低くなり6合目避難小屋でパッと視界が広がった。ダイナミックな頂上稜線と崩壊する北壁、北を向けば日本海が見えた。出発時に山を覆っていた雲はだんだん消えていった。
さらに高度を上げるとすっかり展望が良くなる一方、登山道が狭くなって人の多さが気になってくる。家族連れ、ツアーの団体、スニーカー履きの人、老若男女。地元の人に愛されている山なんだろうな〜。
山頂はすごい人だった。人を入れずに写真を撮るのが難しい。こんなにも人が登ると木道やロープで囲っておかないと、すぐにはげ山になってしまうだろう。
山頂は広々として、海も見えて展望も良いが周囲に高い山、特徴のある山はない。なんか白木峰のほうがいいなと感じてしまうのは、北アルプス周辺の山に登っている自分の贅沢な感じ方だろうか。
山頂までゆっくり登ったつもりが2時間で着いてしまった。お昼を食べるには早いし、人が多くてその気にならない。木道をつたってグルッと周回して、とりあえず行者道へ行ってどうするか考えよう。
相変わらず大勢が行き来する登山道を下り、行者道へ入ると途端に静かになった。途中すれ違ったのは数名のみ。しかもこちらは素晴らしいブナ林。
急な登山道を下りきった行者谷出合のブナ原生林に圧倒された。すごい、なぜこっちの道を誰も通らないのかな。行者谷のベンチにいた単独行がポツリと「ここは気持ちの良いところですな。」
そこからすぐに元谷に出ると大山の北壁がバーンと。この周囲には高山がないので山頂に登っても今ひとつだったが、大山そのものを見るのがいいようだ。よし、ひとつ山頂稜線の端にある三鈷峰まで登ってみよう。
ユートピアコースと呼ばれる登山道は、最初は緑豊かな谷を登り、ブナの白い幹肌が印象的な尾根づたいに、下宝珠越、中宝珠越、上宝珠越へと至る。こちらも人が少なく静かで良い道だと思ったら、ロープが出てきたり険しくて崩れやすい岩場が出てきたりで上級者コースじゃないですか。人が少ないわけだ。
尾根はところどころ展望がよく、北壁を眺めたり目指す三鈷峰や稜線の目印となる避難小屋が確認できる。しかしこの小屋までアップダウンがあって、歩けども歩けどもなかなか近づかない。時間は過ぎて14:00を回って、もう稜線までにして下山しようかとも思った。でも、クタクタになってやっと稜線分岐まで来たら来たで、ここまで来たのにピークに行かないなんてありえん、と前に進む。
道は細く崩れているところもあったが、危ないところはない。稜線上はカラマツソウなどが咲いていて癒やされる。
朝から6時間運転して、山頂まで登って下りて、さらに登り返しして到達したピークだったので思わず「やったー!」と叫んだ。
誰もいない大山の眺めを独占できたピークだった。写真を撮ったらお湯を沸かして遅い昼食。食事を終える頃に3人登ってきただけだった。騒々しい夏山登山道と弥山山頂より、こちらの方が大山の良さを満喫できるコースだと感じた。避難小屋から先へ行けばなお良いだろう。
帰り道で。右の弥山山頂からいったん下って左のとんがった三鈷峰へ。崩落が激しい大山は、山頂の剣ヶ峰を通っての縦走は禁止されている。
こんなに人がわんさか登る山は、けが人が出ないようあるいは山が荒れないよう整備が必要になる。お金もかかる。立山でも白山でも大山でも、入山料をとってもいいのではないかと思った。
2018/6/16土
9:15 第1駐車場
9:30 阿弥陀堂
10:30 6合目避難小屋
11:20 大山1710m
12:50 ユートピアコース分岐
14:45 三鈷峰 15:10
16:25 大神山神社
16:40 大山寺
16:55 駐車場
距離 14.2km
高度上昇 1818m