Devcon5が、2019年10月8日~11日の4日間の日程で開催されました。
Devconとはロンドン(イギリス)、上海(中国)、カンクン(メキシコ)、プラハ(チェコ)で過去4回、開催されたイーサリアム開発者のカンファレンスです。
今年は5回目、大阪(日本)での開催となりました。
Ethereum創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏をはじめ、
多くのイーサリアム関連の企業や、開発者たちが、これまでの成果について講演を行いました。
当日の様子、自身が参加したセッションの様子など、ざっくりと記載してみたいと思います。
(セッションの技術的なトピックなどについては、追記、または別記事でまとめようと思います。この記事では空気感などを感じていただければと思います。)
スケジュール
https://devcon.org/agenda
動画
https://slideslive.com/38919733/devcon5-hall-a2-day2
今回、初参加だったのですが、チケットの金額や販売方法など、事前にまとまった情報がなかったため、少し苦労しました。今回に限っていえば、wave1~wave4まで販売が行われたようです。私は、wave1の開発者向けの抽選に外れてしまい、販売期間わずか数秒というwave2でギリギリ滑り込み購入できました。のちに聞いた話では、wave3は10分前後購入できた + wave4は、オークション形式で販売が行われたとのこと。(チケット価格は、wave1が666EUR,wave2が999EURでした。wave1に受かった知人の話では、特に自身の活動など登録時にPRなどはしていなかったとのことで、wave1は完全なランダムだったのでしょうか、真相はわかりません^^;)
大阪南港 ATCホール
私自身が主に興味のある下記キーワードから、pickupして、いくつかのセッションに参加しました。
"Ethereum2.0"
"エンタメ(ゲーム/アニメ)"
"Layer2"
"FacebookLibra"
"Solidity開発"
Ethereum Roadmap 2020: Say Hello and Opening Ceremony~
Open Source Lira Community Coding Workshop
Welcome Ceremony ~
Vitalik Buterin: Keynote Address
ナカモトサトシが開発した、クリプトエコノミクスの話題を皮切りに、暗号経済の中のリワードの考え方から、PoS、zkSNARKsなどについての今後のEthereumがどうなっていくかを垣間見せる内容でした。
What Do We Do About Libra?
タイトルだけみて、Libraの話題なのかと思いきや、OpenLibraとしてセッション中に、Hardforkしました。まだ追えてないのですが、Githubにすでにコードが存在している様子。 https://www.openlibra.io/
Building Synthetic Derivatives on Ethereum
Scaling is more FUN: How Kame.gg uses Quorum to reach gamers on Twitch
Building a Community-Driven Anime Studio
Twitterにも書きましたが、このセッションが結構個人的にはお気に入りでした。P2Pの物作りの事例として"初音ミク"の話題なども出て、新しい物作りの可能性を感じさせるセッションでした。
Rocket Protocol - Sharing the Empirical Experience of Developing a Large First Person Shooter Game on Ethereum
ゲームに特化したブロックチェーンSDKの話。全体感として、ゲームなどエンタメ分野には人が少なかったような印象で、だいたい会場に来ている人と顔見知りになるくらいに。このセッションも、かなり人数は少なかったが、熱量は高かったように感じました。あとで読んでみる。
https://medium.com/rocket-pool/ethereum-2-0-76d0c8a76605
Beyond CryptoKitties: building tradeable, interoperable ERC721 digital assets
みんな大好きOpenSeaの中の人のセッション。事例紹介のなかで下記のような事例がとても興味深かったです。
cryptovoxels
https://www.cryptovoxels.com/
Minecraft on the Blockchain: A Look Into the World of Cryptovoxels
https://medium.com/@Andrew.Steinwold/minecraft-on-the-blockchain-a-look-into-the-world-of-cryptovoxels-54d46c117ffd
オーストリアの郵便局がイーサリアムNFT付きの物理切手「Crypto Stamp」を限定発売
https://cointyo.jp/article/10007360
How to Develop Generalized Applications on Layer2
Cryptoeconomics Labさんのセッション。
このどうがではなかったのですが、同様のPlasmaChamberの動作事例が動画で流れて、トークンが移動すると、"Oh~~"と歓声が起きていました。
参考
この辺りからはLightning Talksに参加。実際にSolidityでコードを書く際のTipsなど参考になる事例がたくさんありました。
Robotics Under Ethereum Computer Control (Lightning Talks)
Choosing Composition Over Inheritance Wherever Possible: Is That Right?(Lightning Talks)
Solidityの継承に関するトピック。登壇者をみていたら、Interview記事を発見したので参考までに。
Testing DApps with Realistic Web3 Mocking (Lightning Talks)
Catching Exceptions in Solidity (Lightning Talks)
SolidityにおけるTryCatchの書き方について、大変参考になりました。詳細は、発表者の方がBlogにも書かれていたのを見つけたので、こちらも参考になります。
Upgradeability of Self Governed Contract (Lightning Talks)
The Thing From the Future: Using Games for Blockchain Social Foresight
>最終日の1番目のセッション。部屋で待機していたのですが、何かの事情で中止になってしまいました。スライドだけでも欲しいな、と思い問い合わせ中です。
AKASHA Reloaded: Unifying the Ecosystem with ethereum.world
比較的、早い段階から、個人的に情報を追っているAKASHAのセッション。セッションの開始前に、AKASH自体の登録してるアドレスにメールがきて、なんて細やかな対応なんだろうと思いました。
Ask Not What Ethereum Can Do For Videogames, Ask What Videogames Can Do For Ethereum
最終日のセッション。個人的には、1番期待していたセッション。ゲームやテンタメ分野でどうなっていくかという話。色々興味深いポイントはありましたが、このスライドのように、マネタイズの流れがbuytoplayから始まり、ブロックチェーンによって、paidtoplayが実現するかも!?という話題はなかなか面白かったです。
Decentralize All The Things: Deploying Your Own Node Infrastructure
AWS上で、自分のノードを運用するという話。ソースコードもあるので、あとでみてみる。登壇直後に、おもむろにコンソールを開いて、いきなりコードを打ち始めて、インストール始めたので、これだけの聴衆を前に心臓に毛が生えてるのかなこの人、、と驚いていたら、途中で「動画を用意してます」とのことで、しっかりプランBを用意されていたので、安心した(笑)。
Demo and code review
https://github.com/blockscale/ecs-rpc-service
メイン会場のフードエリアには、日本料理が並ぶ。
会場のベイエリアは、晴れて、とても気持ちが良かった。
DropPartyというスタンプラリー。登壇者のスライドや会場のあちこちにQRコードが貼り付けてあり、全部集めるとTシャツがもらえるとのことでしたが、、残念ながら自分は集めきれませんでした...。
blockbaseさんのイカ踊りが素敵でした。
Devcon Shows Ethereum’s ‘World Computer’ Is a Movement, Not a Product
https://www.coindesk.com/devcon-shows-ethereums-world-computer-is-a-movement-not-a-product
At Devcon, Bitcoin Developer Amir Taaki Foresees a ‘DarkTech Renaissance’
https://www.coindesk.com/at-devcon-bitcoin-developer-amir-taaki-foresees-a-darktech-renaissance
日本初開催のイーサリアム開発者会議「デブコン」閉幕──日本勢も注目集めた4日間
https://www.coindeskjapan.com/24437/
4日間を通じて、月並みな言葉ではありますが、新しい発見と、新しい出会いのある素晴らしいイベントでした。
Twitterにも書きましたが、舗装されていない荒れ野をみんな工夫しながら、頑張っている姿が本当にチャレンジングで、自身も頑張らねば、と思える素晴らしいイベントでした。