しばらく忙しくしていて投稿できないうちにALISの風景が様変わりですね。
発展しているのは大変素晴らしく、私も応援しなければと思い、重い腰を再び上げました。
最近、御朱印ブームが恐ろしく加速しているようで、少し規模の大きな神社では週末には列が出来ている程です。
先日、神社ではないものの、ある史跡で手書きの御朱印に時間がかかることに来客者が苦情を言い、そんなに言うならもう手書きはしません、という風になってしまった、という報道がありました。
確かに御朱印は参拝の証しであり、スタンプラリーではないので、来客者が文句を言うというのもなんとも世知辛いものです。ありがたみを持って頂戴したいものですね。
さて、今回は御朱印がいただける神社といただけない神社をどのように判別するか、について神社の「ランキング」的な要素で考えてみたいと思います。
ランキング、なんて言ったら多分怒られてしまいますが、今風によると特に間違っていないと思います。
今から約1100年前の延長5年(西暦927年)にまとめられた『延喜式』という今で言う法律の施行規則のようなドキュメントがあります。
その中に記載のある「官社」、つまり国立・公立の神社として指定されていた神社のリストのことを『延喜式神名帳』(えんぎしきじんみょうちょう)と呼びます。
非常に重要なドキュメントで、このリストに記載がされている神社を「当時の政府=大和朝廷が非常に重要視していた」ということを示しています。
一般に、『延喜式神名帳』に記載のある神社を「(延喜)式内社」(しきないしゃ、しきだいしゃ)又は「式内」「式社」と呼び、これが一種の格付け=「社格」となっています。
延喜式神名帳に記載されている神社、つまり式内社は全国で2,861社、鎮座している神様の数は3,132座と言われています。
逆に、延喜式神名帳に記載のない神社を「式外社」(しきげしゃ)と呼びます。
もちろん、式外社にも現在繁栄を極めている神社もありますので、このリストが全てではありませんし、実際『延喜式神名帳』の記載は古い時代のため、そもそも記載されている神社が今のどこの神社に当たるか分からなくなってしまっているケースや、一応比定(おそらくこの神社のことを言っているんだろうと決めること)されているものの、比定されている神社が複数に及んでいるケースもあります。(こういうケースを「論社」と呼びます。)
さらに、式内社なのに現代では残念ながら朽ち果てて神職さんもいらっしゃらないケースもあります。
ただ、太古の昔に定められているリストなので、ここに記載されている神社が少なくとも1000年を超える歴史を有していることや、非常に大切にされてきた神社である事だけは間違いありません。
さて、『延喜式神名帳』の「式内社」には更に細分化されたランキングがあります。
「官幣社」という国家から直接幣帛(神への捧げ物)を受ける神社と
「国弊社」という各国(今で言う「県」)の国司(県知事のような職種)から幣帛を受ける神社
の2種類に分かれており、
さらにそれぞれ「大社」「小社」に区分されています。
つまり、
官幣大社
国幣大社
官幣小社
国幣小社
の4ランク存在することになります。
神社の入口の鳥居の脇に、神社の名称を記した石碑がありますが、「官幣大社 ○○神社」とか「式内 ○○神社」のように記載されているケースは上記の社格を有していたと言うことです。
このように、「式内社」の社格を有している神社は比較的規模が大きいため、常任の神職の方が常駐しているケースが多く、御朱印を参拝時に頂戴できる場合が多いと思います。
逆に、規模の小さい神社の場合は神職の方が複数の神社を兼任しているケースが多く、たまたま神職の方がいらっしゃる曜日に参拝できれば頂戴できますが、そうでない場合は難しいこともあります。
御朱印を頂戴することだけが目的ではないと思いますが、せっかく参拝したのであれば御朱印を頂戴して参拝の証しとしたいものですね。
こうした古代の「神社ランキング」にも関心を持ってみたらいかがでしょうか?