

この間、将棋について書いた時に、カロリー消費量についてのコメントをもらった。
脳を使うこととカロリーの関係は以前から興味がある話題の一つだ。
本当とも聞いた気がするし、デマとも聞いた気がする。どっちなんだろうか。
結論から言えば、デマらしい。
脳のカロリー消費量は確かに大きいそうだ。質量としては体の2%に過ぎないけれど、一日のカロリー消費量の20~25%を脳が占めているらしい。
だがしかし、頭を使えば使う程カロリー消費量が増えるのかと言えば、そんなことはないそうで。脳は特に何も考えていない(と自分では思っている)状態でも常に活動しており、ものすごく考えたとしても、カロリー消費量は僅かに増える程度らしい。
つまり勉強ダイエットなどは出来ないという訳だ。
でもそうなると、棋士が一日の対局で動いていないにも関わらず体重を減らすというような話はどうなるのだろうか、それもデマなのだろうか。
いや、これに関しては本当らしい。実際にチェスプレイヤーの対局日の消費カロリーを計測したところ平均 6000 kcal だったというような結果もあるそうだ。
いくら頭を使っても消費カロリーが増えないのであれば、考えている以外は座っているだけのはずの対局で何故そんなに消費カロリーが増えているのだろうか。
答えは「緊張感」という説があるそうだ。
ある実験でホラー映画を見せて消費カロリーを計測したところ、視聴中の平均で安静時の2倍、怖いシーンで6倍のカロリーを消費したということだ。
安静時の6倍は軽いジョギングに相当する消費量らしい。
これが、緊張による効果だそうだ。まあ何となくわかる、確かに緊張していると心拍数も上がるし、長時間緊張状態を強いられるとドッと疲れる。
ただ、長時間緊張するというのは案外難しく。別の実験で、被験者に細心の注意が必要な作業をやらせてみると、最初のうちはやはり消費カロリーが増えるが、作業に慣れてくるに従って消費カロリーが落ちていくという結果になったそうだ。
そこのところ、棋士やチェスプレイヤーが対局中に緊張感を失くしたり慣れたりすることはなさそうである。余程どうでも良い対局や明らかに勝勢になれば別かもしれないが、プロ同士の対局でそういう場面はまずないだろう。
そう考えるとあれだけの長時間緊張状態を維持したらカロリーも消費する訳だ。
さて、せっかくなので、このことを利用する方法を考えてみたいと思う。
しかしながら、我々が日常生活でそれだけ長時間に渡り緊張状態を強いられるような場面はなかなかない、仮に将棋を指したとしてもプロの対局の緊張状態を得られる訳でもない。どうでも良い作業に故意に緊張することは出来ない。
では、ホラー映画の原理の方を利用してはどうだろうか。
例えば、ランダムなタイミングでスピーカーからビックリするような音が流れるとしたらどうだろうか。音が出た瞬間は当然驚いて緊張するだろう、更に、ランダムに繰り返されれば、いつ来るんだ、いつ来るんだ、とビクビクするようになるだろう。
これはまあまあの緊張感だと思われる。
確か寝させない為にそういうことをする拷問もあると聞いたことがある気がする。
そういうアプリなら簡単に作れそう、通常はリラックス音楽を流しておいて、ランダムなタイミングで急に叫び声とかが流れるアプリ。
ぼーっとネットを眺めているときでも、これを聞いてビクビクしていればダイエット効果が期待できる。誰か作って儲かったらロイヤリティ下さい。
そういえば僕はとても痩せているのだが、もしかしたら人より緊張しているからかもしれない。家にいても無駄な不安感で緊張しているときが多いし、外に出て人と関わったりすれば常に緊張を強いられる、それはもう普通の人からしたら考えられない程の緊張感をもって人と関わっている。ものすごくカロリーを消費している可能性。
これが一番良いかも知れない。外にいる間中ずっと勝手にダイエットしている。










