黄龍のツメは勇者をマタドールにする。

今回のガチャを引き終えた、もうチケットは無いし、ジェムも20しかない、すっからかんだ。はてさて装備はいったいどんな感じになっただろうか。

黄龍の装備が揃ったのが熱い。

極貧勇者無課金組としてはイベント装備なんて１、２個出てくれれば良いくらいに思っていたので、こんなとこに運を使ってしまって良いのだろうか。まあ他に運を使う場所なんて何処にも無いから良いという説もある。

黄龍のツメがなかなか強い。

神龍を召喚して、

どーーーんっ。

というか☆５装備に格差問題がある気がする。

ゴシックパラソルと黄龍のツメは強い。

しかし、同じ☆５であるはずの名刀斬鉄丸はどうにも地味だ。

黄龍装備フルセットに身を包んだ武闘家アカメー君は、調子に乗ってロン毛になってしまった。なんて奴だ、初期装備はあんなにダサかったくせに、何だその頭は、往年の江口洋介か。

元々装備が揃っている魔法使いドロシーさん。

この２人が敵全体に4,500ダメージ与える、強い、頭が上がらない。

地味☆５の名刀斬鉄丸によって200ダメージ前後しか出せない主人公は立つ瀬が無い。黄龍の道着上をアカメー君に取られたので体の装備も中途半端だ。

自分の主人公という立場と能力の狭間で思い悩んだ結果、

マタドール装備の上下になってしまった。牛に対抗する角の生えた兜に、手に持っているのは剣ではない、赤い布だ、コンセプトは揃えてみたが、装備が迷子である。

奇抜な衣装で主人公感を出そうとして失敗しているやつだ、こういう時は下手に目立とうとすると一層ヒドイことになるのである。

そして主人公以上に装備が全く揃わない僧侶マゴットさんは、

やる気を無くして遊び人に転職してしまった、そんな職業は実装されていないが勝手に転職してしまった。でもこの装備は結構かわいいような気がする。

今回引いたガチャ達。

最初の１回はブチギレ案件だったが、最後の１回で取り戻した。

しかしそろそろガチャを楽しめる時期も限界を迎えそうだ、☆５が揃ってきてしまったので、次くらいには☆５を引いても要らない☆５ということが起こりそうだ。最初の頃は嬉しかった☆４は、もう全く嬉しくない。

こうして人は、持てば持つ程に次の幸せから遠ざかっていくのだろう、されど持つことによって幸せになれるという幻想を追い続けるのである、あぁ人とはなんて愚かな生き物なのだろうか。　　　－－　勇者回顧録　第12章５節　より　－－

　　　　　　　　　　　　　　ーー おしまい ーー

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