前回は、駅前で野党候補が「年金制度は破綻する」「年金運用は,ずさんで大失敗している」って叫んでいるのを聞いて、「公的年金制度は破綻するのか?」について書きました。
今回は「年金運用は、ずさんで大失敗している」について、本当はどうなのかを調べてみました。
7月5日に2018年の運用実績が出たので、過去10年間の運用実績を表にしてみました。
公的年金の資金という性格から、単純に運用益を求めれば良いものではなく、毎年損を極力出さないよう安定した投資結果が求められます。
その中で、この収益がマイナスは10年で2回しかなく、10年平均で5%、5年平均で4.5%というのは優秀な成績です。
2018年は2.4兆円を少ないと見る人がいるかもしれませんが、昨年は市場が大荒れした中、プラスを出していることはかなり立派です。
新聞など各メディアもこれに注目し、”2.4兆円の黒字”と報じられました。
2018年はトランプリスクによる米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題で混迷の年となり、日経平均は7年ぶりの大幅下落しました。
たとえば、みなさんに人気の高い、毎年各アワードを受賞することでも有名なレオス・キャピタルワークスの「ひふみ投信」でさえ、昨年実績はマイナスでした。
誹謗中傷に近いな~
さて、この堅実で優秀な実績はどんな運用から生まれているのか、投資内容に興味が湧いてきたので、調べてみましょう。
これもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の公式サイトに公開されています。
出展:年金積立金管理運用独立行政法人
このポートフォリオは、思ったよりシンプルですね。
内側の円グラフが基本ポートフォリオです。
国内:外国= 60:40
株式:債券=50:50
株式 国内:外国=50:50
債券 国内:外国=70:30
国内に主軸を置きながらも世界経済の成長をシェアと分散投資の安定化を図ってます。
シンプルですが、良く考えられています。
これをインデックス投信に置き換えるだけで、自分年金プランができますね。
さて、公的年金が運用する資金はあまりに巨額なので、私たち個人投資家のように、「この会社の株が気に入ったから”買おう”とか”売ろう”」とかホイホイできません。買えば暴騰売れば暴落になりかねないので。
この巨額をうまく運用するのはさぞかし大変でご苦労されていると思います。
最後にもう一度書きますが、
GPIFさま、これからも堅実な年金運用を、よろしくお願いいたします。
ちなみに、私の投信ポートフォリオです