新興国通貨として主としてスワップポイント収入を期待されて買われる(ロングされる)通貨ペアですが、新興国通貨の宿命といいますか、株価下落などのリスクオフ相場では真っ先に売られて暴落することが定期的に起こります。
また、以下のとおり、長期的に下落傾向ですので、スワップポイント欲しさに迂闊にロングポジションを持つと、大きな為替差損を抱える可能性が高くなります。
そこでよく行われているのが業者間での両建てを行い、スワップポイントのサヤ取りをするということですね。例えば2020年3月現在、LIGHT FXでは151円/10Lotsのロングスワップが設定されていて、対してDMM FXでは100円/10Lotsのショートスワップなので、これを両建てしてスワップポイントの差額をとる、というわけです。
しかし、やってみるとこれがなかなか儲からない(笑)。当然スプレッドがあるわけですから、差額のスワップだけでスプレッド分を賄おうとすると一月以上かかったりします。時間が解決するとはいえ、損益がプラスになるのを待ってる間に相場の急変で片方の口座がロスカットにでもなったら目も当てられません。
私が行っているのは、スワップポイントによる利益はある程度目をつぶり、キャピタルゲインを1つの口座内の両建てでとっていく方法を実践中です。1つの口座内で両建てするので、両建てによって証拠金が相殺されて、片方だけの証拠金でよい業者を使うと有利です(LIGHT FXなど)。DMM FXはロング、ショートそれぞれに証拠金が必要です。ただ、ZAR/JPYは必要証拠金が少額ですので、私は大したことではないと思っており、ショートスワップが小さいDMMを使って行っています。
具体的な方法は南アフリカランド円のFX両建てトレードにて紹介されている手法です。
1.月初に過去6ヶ月の平均レートを算出
これはYahooファイナンスのページでデータをとることができます。例えば、2019年9月~2020年2月までのデータをとると、以下のようになります。
そうすると、平均は7.441円となりますね。
2.平均レートから買い指値、売り指値を算出
この平均レートを、私は8%下回る点を買い指値としています(7.441円×0.92≒6.845円)。逆に、売り指値は3%上回る点としています(7.441円×1.03≒7.664円)。両者に差をつけているのは、上述のとおり長期的には下落している通貨だからです。さらに、値動きの激しい時期には、これらの指値を通り越して、オーバーシュートすることもあるわけですが、上記のポイントを超えたらさらにロングまたはショートを入れていく、という手法です。もちろんまったく指値にかからない場合もありますが、それはじっと待つ、ということです。
3.証拠金の管理
証拠金はざっくり、1万円/1ポジで入金しています。計算しやすいですからね。
4.これから始めるなら
まったくのノーポジからスタートする場合は、最初はプラススワップがもらえる買い指値だけを入れておき、じっと待つ、ということから始めるといいと思います。具体的には、まず1万円を入金して最初のポジションが約定するのを待ちます。約定したらすぐに1万円を入金してショートポジションの指値をします。どんどん値が下がるようならもうひとつロングポジションをとることを検討してもいいかもしれません。両建てになっていく中で、ロングポジションが少し多めになれば、スワップポイントのサヤ取りまでできますね。
5.両建て投資法のメリット
この手法のよいところは、不定期ではあるものの必ず起きる、強烈な円高局面にも強い、ということです。この記事を書いているのはまさに「コロナショック」「逆オイルショック」で歴史的な株価大暴落が起きている中なのですが、むしろ良い買いポジションの仕込み場として、冷静に対応することができています。
(注;まったくの初心者の場合、今の相場にいきなり突撃するのは自殺行為です。少なくとも米国の株価や債券相場が落ち着いてからにしましょう。簡単に死にますよ)
6.いつ決済するか
両建て投資法において、利益確定のタイミングはなかなか難しいところです。基本的には、トータルマイナスにならないところで全ポジション一括決済が基本的なやり方かなと思います。
決済時期については1年ごとに(年末とかね)でもいいですし、ずーっと保有し続けてスワップだけ定期的に引き出す:スワップ振替というのもよいやりかたです。
これはロングポジションとショートポジションがどのような構成比率になっているかによって変わってきますので、人それぞれになるかなとも思えます。よっぽど偏った動きをしていない限り、かなりの為替差益がとれるはずです。
7.まとめ
1万円から始める南アフリカランド/円(ZAR/JPY)投資法について紹介しました。業者はLIGHT FXやDMM FX、過去6ヶ月の平均レートからロングポジション、ショートポジションの指値を決めることを提案しました。スワップ目的で高金利の新興国通貨を持つのはリスクも高いので、ロングとショートでスワップポイントの乖離が少ない業者を選んで、両建て手法を実践してみることをおすすめします。
でも、投資は自己責任で!(決まり文句)