学生はビジネスをどう学べばいいのだろうか。「学生で起業しろ!」といっても実際にできるのは少数。だけど、座学のビジネスばかりの現状もどうなのかな...。とも思っていた。
そんな中、私はとある祭りで屋台を出した。そしてそこで大きな経験と、ビジネスに関する実践的な経験を得られたと思う。そして私は声を大にしてビジネスを学ぶ学生は祭りで屋台を出店するべきだと主張したい。この記事は、そんな内容の記事である。
とある祭りで屋台を出さないかというお誘いを受けた。こんな機会は受けたことないと思い、即座にOKの返事を出した。お祭りといえばお客さんもいっぱいくるし、正直クオリティが高いともいえない商品に¥500とかの価格がついてたりそれでも並んで売れてたりのイメージでイージーモードのビジネスだなと思っていた。
祭りの開催は7月末であった。「あと3週間ないくらいか、、時間が厳しそうだな。」なんて思っていた。また、誘われたお祭りなので全くどんなお祭りなのかもわからない。東京で開催される、そこまで有名ではないが、地元の人が多く来るそんなお祭りという認識だけであった。
6人のチームが形成された。何人かは大学の都合上コミットがあまりできないメンバーもいるが、僕ともう一人の大学生の女の子と一緒にリーダーという形で屋台を出す準備が始まった。ここにいるメンバーは全員大学生で、かつお互いを知っているというわけでもないメンバーであった。またメンバー全員が今から出店する祭りがどんな場所かも知らず、どんな人がくるのかもわからない状態であった。不安<<<期待という感情で始まった祭りであった。
何を売るかというところから議論は始まった。Googleドキュメントを用いてみんなから何を売ればよいかの意見を寄せ始めた。タピオカドリンク、ベビーカステラ、チョコバナナなど多くの意見が出た。その中から、原価率を意識して選ぼう!という方針にしました。ちゃちゃっとでた意見の原価率を計算し、ベビーカステラとドリンクのを両方売る方針で行こう!ということになりました。
運営の方からは、人気の商品は1000食も売れるよ!と聞きなら僕たちも800食くらいは売れるのではないか。と仮説を立て、その数字を目安に材料を仕入れていきました。さあ、ビジネスだ!と張り切っていた。
ベビーカステラとドリンクにしようということになってから、色々話を進めているうちにベビーカステラメーカーがたくさん必要になったり、思ったより衛生面管理のために必要な出費が多くなっていったりすでに不吉な予感がチームに漂っていた。
しかし、当初の予定であればうまくいけば800食売れる。それなら悪くても200食は売れるし、それならとりあえず原価代は回収できるし大丈夫であろうと楽観的に考えてしまっていた。
一通り材料の入荷もうまくいき、オペレーションも考えた。明日は予定通りであればたくさんの売り上げもでるしと思いながらたくさんの生地作りに励んだ。
前日になってカステラを一袋にどれくらい入れればいいのかということを考え始めた。値段に見合う分量を入れないといけないと考えていた。容器は最もコストのかからない紙袋をすでに選んでいたので、その中にどう入れればお客様からいい感じに見えるかということを考えていた。
屋台の装飾も前日から始めた。まるで学校祭の前日のように、そしてそのようなクオリティで装飾も作っていた。
ついに当日がきた。とりあえず準備は終わった。あとは祭りの場所で出店して開催場所を待つだけだということになった。しかし、ギリギリになっても解決すべき問題は容赦無く現れてくる。
当日、たくさんのカステラメーカーとカステラの生地を車で持っていくつもりだったがレンタカーをうまく借りられないという問題が起きた。車の保険の問題であった。荷物を運べないとそもそも屋台を出店することしかできないが、このような自体は想定していなかった。この問題はいくつかレンタカー屋さんに急遽連絡を取ることでなんとか解決した。
また前日に届く予定であったドリンクがまだ届いていなかったのだ。余裕を持って前日にドリンクを届ける予定であったのにも関わらず当日の正午になっても手元に届かなかったのだ。売るものがなくても屋台をだせない!という焦りしかなかった。これは急遽このドリンクの配達でなく、現地の業務スーパーでドリンクを購入することでなんとかドリンクの調達をすることはできた。
そのほかにもカステラメーカーのための電気をどこから持ってくるのか問題など様々な問題が登場したがなんとか、ほんとうになんとかその場を回避するように解決はできた。
祭り当日にもかかわらず、問題はざらざら現れた。
17:00に祭りは始まった。上記の問題を解決しながら装飾をしていたので17:00ジャストには始められなかった。幸先は良くない。17:15にはなんとかカステラも焼き上がり装飾も終わり販売を開始することができた。
しかし、一番の問題はここで登場した。お客さんの入りが予想を大きく下回ってしまったのだ。屋台の目の前を多くの人が通り過ぎるも、立ち止まるひとはほとんどいない。
予想では最初の1時間で80人は最低でもきて欲しかった。しかし現実は15人くらいしか購買に至らなかった。
僕はまわりを見渡した。そしてお客さん視点になって気づいた。その屋台に入る理由がお客さん側からはないと。そして今は祭りという場所で、お客さんは何を求めてここにきているのかをその時になった初めて真剣に考え始めてしまったのだ。それにはすでに遅かった。。。
そのまま漫画のように逆転することもなく祭りは終わってしまった。
僕はリーダーとしてあたふたと指示をだしていたら祭りの時間は終わってしまっていた。メンバーは忙しい中屋台の成功のためによくやってくれたが、結果としては8万円の赤字を出した。学生にとってこの負担は大きいものであった。確実に利益が出るであろうと考えていた分ショックも大きかった。何が失敗であったのであろうか。
ビジネスの厳しさを学んだ僕たちであった。
学生にとって大きな赤字をだしてしまったことは事実であるが、多くのことを学べたのも事実である。ビジネスとはなんなのか、座学だけではそれは学べないであろう。しかし祭りで屋台をだすだけで座学でない実践できなお金の使い方、利益の出し方、マーケティングの考え方を学ぶことができたように思える。その深度は比較できるものではないが、少なくとも教科書を開いていてはこのようなことは学べないと感じた。あなたが学生であったり、学生の子供がいたりしたらぜひ祭りの屋台を出すという経験をして(させて)ほしい。
では、僕はこの経験から何を学べたのか?悔しかった経験の分、もちろん長い反省をした。
その内容を
ビジネスを学ぶならセミナーに出るな、屋台を出せ[反省編]
に載せたいと思う。
読んでくれてありがとうございました。