出典:China AD
本稿では、最新のYouTuberやVTuberのインフルエンサーマーケティングについて解説していきます。
インフルエンサーマーケティングとは、芸能人や有名ブロガーなど影響力がある人物が、特定の商品やサービスを紹介して、消費者の購買行動に影響を与えるマーケティング手法です。
インフルエンサーに自社の商品の宣伝を依頼するならば、あなたは何を基準に依頼をしますか?
企業の広報担当になりきって考えてみてください。
多くの人に商品を知って貰うためにも、おそらく最も重視する部分は、フォロワー数、登録者数ですよね。
しかし、果たして、フォロワー数に比例して宣伝効果は高まっていくのでしょうか?
Twitterのフォロワー数100万人、YouTubeの登録者数100万人のインフルエンサーに宣伝を頼んでおけば間違いないのでしょうか?
「あれー!めちゃくちゃお金払ったのに、全然商品が売れないぞ!」
のように、もしかすると大金を払ってもほとんど成果が得られない危険性があるのです。
参考文献
月刊中国ニュース 2020年 12 月号
インフルエンサーの影響力を測る際に、フォロワー数以外の部分でも判断する動きが進みつつあります。
つまり、今後はフォロワー数、チャンネル登録者数が絶対的な指標ではなくなるのです。
この前提を理解しておかないと自身がインフルエンサーを目指して活動する際や、インフルエンサーマーケティングを活用する際に大きな落とし穴にはまってしまうでしょう。
Twitterのフォロワー数、YouTubeのチャンネル登録者数、果たしてこれだけでインフルエンサーの影響力を測定できるのでしょうか。
当然、答えはNOですね。
フォロワー数だけでなく、フォロワーの質も重要となります。
そもそも、どうしてフォロワー数で影響力が測れないのでしょうか?
その答えは、フォロワーの熱量が現れていないからです。
フォロワーの数だけでは、実際に何人が商品を購入してくれるかが判別できません。
同じフォロワー数が100万人でも、とりあえずフォローしているだけなのか、熱烈なファンなのかで全く意味が変わってきます。アマゾンギフト券をばら撒いて集めた100万人と、KOLの情報を求めて自然と集まった100万人では商品の拡散力はまるで異なるでしょう。
フォロワー42万人でもクラウドファンディングで大失敗
フォロワー数で影響力が測れない例を1つ挙げます。
りょうくんグルメというインフルエンサーはtwitterのフォロワー数が42万人以上にも関わらずクラウドファンディングで2.2万円しか集まりませんでした。
これはインフルエンサーマーケティングを利用する企業にとって衝撃を与える結果となりました。インフルエンサーの拡散力はフォロワー数だけでは判断してはいけないのです。
今はまだインフルエンサーマーケティングに疎い企業が多いですが、今後は少しずつフォロワー数(登録者数)以外でも評価される時代に突入していくでしょう。
最近では視聴者の間では少しずつ、再生数や同時接続者数での評価基準も浸透してきていますね。
近年はその人の職種や発信内容でフォロワー数の基準が変動しています。
Twitterでは「イラストレーターならフォロワー数10万人はいかないとダメだよ」と担当者に言われたツイートがバズっていました。
この本質は、「イラストレーターを軽視している!」や「10万人がどれだけ大変か分かっていない!」ではありません。
この事件からは
「職種によって異なる基準値でフォロワー数が判断される」
このような時代の到来を読み取れるのです。
フォロワー10万人と言えば一般のサラリーマンからすれば途方もない数字です。フォロワーが10万人いるサラリーマンは憧れの存在と見られるでしょう。
しかし、芸能人やイラストレーターの場合、基準値が引き上げられ10万人でさえ物足りなく見られてしまう可能性があるのです。
これは、企業が賢くなっているとも言えます。
基準値を変動させることで、よりその人の実力や影響力を判断しやすくなるのです。
今後、職種によってフォロワー数の基準値が変化してしていくのは間違いないでしょう。
企業がインフルエンサーに仕事を依頼する際は、インフルエンサーのフォロワー数に加えて業種、発信内容、エンゲージメント率、セッション数、コンバージョン率など様々な要素を複合的に判断しなければならないのです。
エンゲージメント率
「ある投稿に対してどれくらいのエンゲージ(反応:いいね、クリック、シェアなど)があったか」を計る指標です。
セッション
訪問者がそのサイトを閲覧し回遊し離脱するまでの事を指します。
コンバージョン
訪問者がホームページの目標としているアクションを起こしてくれた状態のことを指します。
コンバージョン率(CVR、Conversion Rate)
アクセスしてきたユーザーのうち、どのくらいがコンバージョンに至ったかを示す数値です。
中国のライブコマースでKOLの実力の指標には売上高、成約件数、アクセス数、オンライン滞在時間などのデータが中心に使われています。
このことから、日本のインフルエンサーもフォロワー数だけでなく、総合的なデータで影響力を判断される時代に突入していくことが予想されます。
結論として、企業が限りある予算で大きな成果を得るには、ただフォロワー数順にオファーを出すのではなく、多角的に検知して、より安いコストで大きな効果が得られるインフルエンサーを選定する必要があるのです。
そして、インフルエンサーを目指すならば、そのような時代が到来に備えて、フォロワー数、登録者数以外の部分でも影響力を蓄えなくてはならないでしょう。
どうすればエンゲージメント率、セッション数、コンバージョン率などを高められるのかについてはまた別の動画で解説していきます。
参考文献
月刊中国ニュース 2020年 12 月号
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