2021年3月ブロックチェーンゲーム、NFTサービスの開発を行う、CryptoGames株式会社がVTuberのNFTを販売するプレスリリースを発表しました。
バーチャルアーティストプロダクションRIOT MUSIC の所属アーティストのビジュアル4種類をNFT化し、各10枚が限定販売されます。
VTuberの撮り下ろしNFTの販売は世界で初の事例とのことです。
……が、実は私バーチャルエコノミスト千莉は2019年から既に合計200枚近いVTuberのNFTを発行しております。
金融経済フィンテックは私の専門分野です。
こちらのVTuberNFT、実は私も参加しております。
おそらく私がVTuberでは一番最初に企業からお話をいただけまして、販売数、単価、VTuberの生態など、色々とプロジェクト責任者の方にアドバイスさせていただきました。
第二弾は私バーチャルエコノミスト千莉のNFTが販売されます。
よろしければチェックしてみてください。
先に結論を言ってしまうと、今NFTはめちゃくちゃおいしいですし、今後私たちの様々なライフスタイルやビジネスに関わってきます。
NFTに関しては私のチャンネルでは1年以上前から発信を続けてきたことではあるのですが、今回改めて最新事情も踏まえて解説していこうと思います。
絶対に学んでおいた方がいいです。
特にVTuberやイラストレーターは直近の収入事情に関わってくるでしょう。
本稿では、
・NFTの基礎
・今クリプト界隈で盛り上がっているクリプトアート
・クリプトアートの次に来るNFTビジネス
これらについて解説していきます。
私は、以前よりNFT、ブロックチェーンに関する様々なものを紹介、解説してきました。
・2019年、イーサリアムが1.3万円台でNFTの発行サービスを開始(現在は20万円)
・コロナショックの際株式の所有は0、金融資産は全て暗号通貨へ(YouTube生配信で解説)
・ブロックチェーン・ゲームとして2020年秋にAxieを紹介。当時のAxie価格は1体1800円。現在は1体1.5万円。Axie 30体所持。
かなり踏み込んだ内容まで解説していますので、現在の価値観では理解されにくいかもしれませんが、
「なるほど!あの時千莉が言っていたのはこういうことか!」
と数年後に思っていただけるような内容を目指して解説していきます。
NFT(Non-fungible token)という概念があります。
NFTは日本語に直せば、代替不可能トークンとなります。
言い換えれば、NFTは世界で唯一のトークンのことです。
世界で唯一のトークンと言われてもピンと来ないかもしれません。この概念を理解するためには、世界で唯一ではないトークンから理解してみましょう。
仮想通貨の中には独自トークン発行機能を持つものが存在します。
Ethereum、NEM、Wavesなどが有名ですね。
通常の発行機能で作られたトークンはファンジブルトークンと言います。同じ内容で、価値が変わらないトークンのことですね。
例えば、太郎君がTarouTokenを100枚発行したとしましょう。ファンジブルトークンはこの100枚が全て同じ価値を持ちます。10円玉は全て10円の価値を持つというイメージが分かりやすいかと思います。
これに対して、NFT(ノンファンジブルトークン)は、100枚それぞれが独立しています。
こちらは芸能人のサインをイメージしてもらえると分かりやすいでしょう。同じ人が書いたサインであっても、「〇〇さんへ」と100枚それぞれにサインを依頼したファンの名前が刻印されていれば、100枚それぞれが別の価値を持ちます。
つまり、NFTには全く同じものは2つとして存在しないのです。
ここからは少し専門的な話になるかもしれません。
イーサリアムはトークン開発のための規格がいくつも用意されています。
その中で最も普及しているのがERC20という規格です。ERC20の規格に準拠すれば、簡単にイーサリアムブロックチェーンを利用したファンジブルトークンを発行することが可能となりました。
ERC20のメリットを紹介します。
開発者たちはERC20規格を利用することでトークンの作成が容易になりました。別の人が発行したトークンであってもERC20に準拠していれば、同一のウォレットで保管できるのです。
ERC20トークンが上場できる取引所も存在します。
ERC20トークンの利用例を1つ紹介しましょう。
2020年1月にサービス提供を終了したVALUでは、利用者のVA(VALUオリジナルトークン)をERC20トークンに移行する対応を取りました。
仮想通貨を利用した独自トークンでは、ERC20トークンが最もポピュラーで信用されている規格なのです。
しかし、ERC20トークンにも欠点があります。それは、ビジネスには不向きという点です。
なぜかと言えば、日本ではERC20トークンは仮想通貨と認定される場合があり、事業として扱う場合は、仮想通貨交換業者の登録が必要となるからです。
仮想通貨交換業者の登録は非常に厳しいため、超大手の企業以外は審査に通りません。VALUは仮想通貨交換業者に登録できなかったためサービス終了に追い込まれました。
簡単に発行できるが、ビジネスには利用しにくい。これがERC20の特徴です。
この特徴から、日本でのERC20トークンの一般化は難しい現状が存在します。
話をNFTに戻しましょう。イーサリアムにはERC721という規格が存在します。ERC721トークンこそが、世界を変えうる可能性を秘めています。
ERC20がファンジブルトークンなのに対して、ERC721トークンはNFT(ノンファンジブルトークン)です。つまり、発行されたトークンはそれぞれが唯一のものであり、世界に1枚しかありません。
ERC721トークンの強みを挙げるなら、「仮想通貨に認定されない」と言うものでしょう。NFTは通貨ではなくコレクションアイテムのようなものですので、仮想通貨には認定されず、事業として利用する際にも仮想通貨交換業者の登録が不必要なのです。
あなたは、「登録がいらない?それがどうしたの?」と思われたかもしれませんが、これはトークンを扱うサービスの普及において最も大切です。
つまり、NFTのビジネスならば厳しい規制を突破できる大企業でなくともブロックチェーンを利用したサービスを展開できるのです。
人員も資金も少ないベンチャー企業にもチャンスがあるというわけですね。
どのような業界も、始まりはベンチャー企業からです。
少しだけ話が横道に逸れますが、小さな弱小業界だったバーチャルYouTuber業界が、今や日本のオタク文化を席巻し、全世界へ展開していくほどの規模になっています。これもVR技術に目を付けたベンチャー企業がこぞって参入し、切磋琢磨した結果です。
ブロックチェーンは中古市場を変容させます。
結論から言えば、中古品が売買されるたびに売り上げの一部が製作者に渡るようになるのです。
なぜこんなことが可能なのでしょうか。これから順を追って説明していきます。
一般的に言えば、中古市場はクリエイターから敵として認識されています。
なぜなら、中古が売れたお金は製作者に一銭たりとも還元されないからです。
ブックオフで売れた本やCDの代金が作家や歌手に届くことはありません。
あなたも「中古ではなく新品を買って!」と呼びかけているクリエイターを目にしたことがあるのではないでしょうか。
ブロックチェーンはこのような中古市場の概念を一新させることができます。
例えば、マンガをトークンとして販売する場合、購入者は買った漫画を販売サイトのプラットフォーム上で読むことができます。厳密には「漫画を閲覧できる権利」の売買が正しいですね。
購入者がこの漫画を売った場合、売却益の数%が著者に入ります。NFTの革命的な点が、この中古漫画が更に別の人へ販売された場合であっても、著者へは売却益が入るのです。
今までは、1冊の本を500円で売ったとしたら利益はそれっきりでした。しかし、トークンとして販売すると、この1冊の本は500円にプラスして恒久的にお金を生み出し続けるのです。
ブロックチェーンが中古市場を活用できるのは本だけなのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。今後はありとあらゆるものがブロックチェーンで管理される社会が到来するはずです。
例えば、暗号化アンカーと呼ばれるマイクロチップがあります。商品に暗号化アンカーを埋め込むことで、生産現場から消費者の手元に届くまでその商品の正当性が保証されます。
ブロックチェーン・ゲームとはその名の通り、ブロックチェーンの技術が使われているゲームのことです。
国産ではMyCryptoHeroes(マイクリプトヒーローズ)、世界ではGods Unchainedというゲームが有名です。この他にもブロックチェーン・ゲームには様々なタイトルがあります。
現存するブロックチェーン・ゲームはほぼ全てイーサリアムのブロックチェーンが使われています。イーサリアムは「スマートコントラクト」と呼ばれる、あらかじめ決められた「契約」を組み込める仕組みとなっています。
ブロックチェーン・ゲーム最大の特徴は、アイテムが資産になるという点でしょう。
ブロックチェーン・ゲームでは、レアアイテムはNFT(ノンファンジブルトークン)としてユーザーのウォレットに保管されます。ユーザーはこのアイテムを自由に売買できます。
ブロックチェーン・ゲームの画期的な点は、アイテムをリアルマネーに換金可能というところです。
多くのブロックチェーン・ゲームはMetaMaskという、Chromeの拡張機能を利用しています。
MetaMaskはイーサリアムのウォレットアプリで、イーサリアムやイーサリアムの規格に準拠したトークンを保存可能です。
ゲームユーザーが入手した、レアアイテムはNFTとしてMetaMask上に保存されます。
国産のブロックチェーン・ゲームに「クリプトスペルズ」というカードゲームがあります。
クリプトスペルズにおける換金プロセスはどうなっているのでしょうか。
このゲームでは、プレイを重ねるとゲーム内マネーが溜まっていきます。ゲーム内マネーでガチャを引くことで、運よくガチャでNFTのレアカードを手に入れられることがあります。この場合、OpenSeaなどのDEXで取引が可能です。このNFTのレアカードを買いたい人が購入してくれれば、NFTのレアカードと引き換えにイーサリアムが手に入ります。
イーサリアムは日本の仮想通貨取引所で日本円と交換可能ですので、円として現金化できます。
このように、クリプトスペルズは、レアカードを集めれば集めるほど、自分の資産が増えていくのです。
ブロックチェーン・ゲームが実現するのは「ゲームが仕事になる」という未来です。ブロックチェーン・ゲームは、ゲームをしているだけでお金儲けが可能なのです。
ブロックチェーン・ゲームはこれまでの「課金」の概念を変容させます。
これまでのゲームへの課金は「消費」でした。お金をいくらつぎ込んだとしても、ゲームに飽きて引退してしまえば手元に何も残りませんでした。
しかし、ブロックチェーン・ゲームの場合、課金は「投資」に当たります。10万円でNFTのアイテムを購入した場合、「10万円」が同等の価値を持つ「トークン」に置き換わっただけなのです。
株を買うようなイメージが正しいでしょう。株は「現金」が同等の「株式」に置き換わっただけだからです。株を買ったとしても、そのお金が無くなったとは誰も感じませんよね。
結論、課金の変化によりゲームはどうなるのでしょうか?
これまではソーシャルゲームに大量にお金を費やす人は「何も残らないのに無駄使いしている」と嘲笑される対象でした。
しかしこれからは、ゲームにお金を注ぎ込むことが推奨される時代が来るでしょう。
ブロックチェーン・ゲームではお金をつぎ込むのは投資と見られます。むしろ多くのブロックチェーン・ゲームはお金を多く過ぎこんだ人のほうが、より効率的に資産を集められる設計になっています。
ブロックチェーン・ゲームには、ゲーマーを唸(うな)らせるようなゲーム性が高い作品はほぼ存在しません。まずはNFTを利用した「ブロックチェーン」のシステムありきで、ゲームはおまけ要素という印象が強いです。
ERC721トークンの開発者が希少過ぎることや、NFTの発展性を理解できる経営者が少ないことなどが要因でしょう。
しかし、黎明期に比べると着実に新作ゲームはゲーム性が向上してきています。
今後、今流行を極めている通常のゲームタイトルに匹敵するブロックチェーン・ゲームが出た場合、顧客は一斉にそちらに流れるでしょう。
近い将来、ユーザーは、「従来のゲームとブロックチェーン・ゲームのどちらを遊ぶか?」の二択を迫られます。
クオリティがほぼ同じにも関わらず「課金しても何も残らない」。もう片方は「課金した分が資産になる」という前提ならば、ほとんどのユーザーは後者を選ぶでしょう。
あなたは「ゲームには課金をしない」と決めている無課金ユーザーならどちらでも変わらないのでは?と思われるかもしれません。
この場合でも、従来の「時間を浪費するゲーム」よりは「プレイしているだけでお金が稼げるゲーム」が選択されるでしょう。
では、現在のブロックチェーン開発企業がゲームで任天堂を倒すのかと言えば、それは現実的ではありません。
おそらく、業界の発展性に気付いた大手がベンチャーの後追いをする形になるでしょう。
これはスマホゲームの普及と同様です。任天堂がスマホゲームを出すなど、昔は誰も予想していませんでした。しかし、パズドラ、モンストを筆頭とするスマホゲームにユーザーのシェアを奪われた結果、任天堂を始めとする大手ゲーム会社も後追いでスマホゲーム業界への参入を決定しました。
これからは中小企業がブロックチェーン・ゲームで、パズドラ、モンストのような下剋上を起こすでしょう。
2019年11月時点で「Gods Unchained」というブロックチェーン・ゲームの累計売上は33,333ETHに上り、売上高600万ドル(6.5億円)以上を達成しています。
国産のコントラクトサーヴァントというゲームはプレセールの合計取引額が約3480ETH(約4500万円)に上り、パブリックプレセールでは国内過去最高額を記録しました。
https://coinpost.jp/?p=115629
時が流れるにつれ、ブロックチェーン・ゲームにシェアを奪われる危機感から、大手ゲーム会社もブロックチェーン・ゲーム開発に参入すると予想されます。
「一社が一事業しか手掛けない」
このような企業はもう時代遅れです。
現在は、Amazonのように、大企業は業界の垣根を飛び越えて多方面に事業を展開していく時代です。
任天堂がブロックチェーン開発事業に大量の予算を投入するようになるのも時間の問題でしょう。
現実的に考えれば、ブロックチェーン・ゲームの新興企業が既存のゲーム会社を踏み潰すのではなく、今ある有名タイトルにブロックチェーンが組み込まれるようになるはずです。
例としてはシャドウバースのカードがNFTになるようなものです。
このように、NFTはゲームとの相性が非常に良く、ゲームを通してブロックチェーンとNFTの理解が一般層に普及していくことが予想されます。
DeFi(分散型金融)の将来性に注目が集まり、暗号通貨が軒並み高騰
2021年テスラのCEOであり、世界一の資産家であるイーロン・マスクが1600億円のビットコインを購入したと報じられました。
企業のビットコイン保有ランキングが公開されています。資本金や株価の時価総額に加えて、これからはビットコインの保有数が企業の価値を判断する基準に使われる可能性があるのです。
これはビットコインだけでなく、数に限りがある資産をストックしていることが企業としてのアピールポイントになるでしょう。イーサリアムや資産価値の高いNFTの保有数を競い合うのも時間の問題かもしれません。
私は2019年11月、イーサリアムが底値の13000円の時、YouTokenというクリエイター支援サービスを立ち上げました。NFT(ノンファンジブルトークン)を使い、YouTubeクリエイターをトークン化するという内容です。
残念ながら、時期が余りにも早すぎたためか、世間には全く理解されず、現在は私のオンラインサロンのみで運用しております。
しかし、世間がようやくNFTの価値を理解し始めました。これからは〇〇のトークン化ビジネスが普及していくでしょう。
デジタルアート「Hashmask」、420イーサリアム(約6900万円)で取引される
https://www.coindeskjapan.com/98546/
デジタルアートに投資金が集まりつつあります。
2021年2月現在、NYダウが史上最高値を突破、ビットコインが600万円を突破、アルトコインもビットコインに釣られて好調です。
しかし、既に値上がっている資産に投資をするのは意味がありません。最先端を行く投資家はまだ一般層が知らないデジタルアートのNFTに目を付けています。
デジタルアートの取引所が審査をして価値を担保
毎日のように、デジタルアートのNFTは取引所で数万円から数百万円の単位でやり取りされてします。
デジタルアートは、取引所が厳しい審査を行い、審査を突破した作品のみがNFTとして売りに出されます。素人からすれば芸術作品の値段など判断がつきませんが、取引所が担保してくれることで安心してNFTを購入できるのです。
これにより、海外の有名アーティストは作品をNFT化して売買しています。簡単に複製、コピーされるデジタルアートに金銭的価値はありませんでしたが、これを大金に換えられる仕組みは革命的です。
2021年3月ブロックチェーンゲーム、NFTサービスの開発を行う、CryptoGames株式会社がVTuberのNFTを販売するプレスリリースを発表しました。
バーチャルアーティストプロダクションRIOT MUSIC の所属アーティストのビジュアル4種類をNFT化し、各10枚が限定販売されます。
VTuberの撮り下ろしNFTの販売は世界で初の事例とのことです。
例:ギフト券をトークン化したamaten
例えば、オンライン金券ショップ「amaten」ではギフト券をトークン化しています。
これによりギフト券購入者が、「既に登録されているギフト券を掴まされてしまう」というリスクを避けることができるのです。
https://amaten.io/
https://www.youtube.com/watch?v=R_Wm46RO49A&feature=emb_title
ギフト券のように、今後は資産のトークン化が進んでいくでしょう。
アート、音楽、不動産、書籍、ムービー、キャラクターなど、
これら全てにビジネスチャンスが眠っています。
音楽作品のNFT(非代替性トークン)が登場 グラミー賞プロデューサーが手掛ける
https://coinpost.jp/?p=224068
音楽のNFTも登場しています。この最大の特徴はロイヤリティーフリーという部分でしょう。NFTを購入することで有名なアーティストの音楽を自身の作品に組み込むことが可能になるのです。
音楽は無料で聴くのが当たり前になっている時代において、音楽のNFTの登場はアーティスト達の救世主となるでしょう。
バーチャルの土地が約1億6000万円で落札される|イーサリアム基盤のNFT資産で過去最高額
https://coinpost.jp/?p=219707
2021年2月「Axie Infinity」というブロックチェーンゲームの土地が1億6000万円で落札されるというニュースが出ました。
このゲームは、2020年10月に私のYouTubeチャンネルでも紹介しており、私も継続的にビジネスの一貫で運用しております。
https://www.youtube.com/watch?v=Eh0mTPksV7E
こちらはAxie運営からTwitterや公式コミュニティでも拡散された動画ですので、もし興味があればご覧ください。
なぜゲームデータであるAxieの土地がここまで高いのかと言えば、土地から資源を生み出せるからです。
よりよい土地を持っているプレイヤーは豊富にアイテムをゲットできるようになります。つまり、それを換金すればお金が手に入るのです。
現実世界の土地は、固定資産税だけがかかってお金を生み出すことはありません。他方で、Axieの土地は維持費無しで定期的にリターンを得られ、流動性も高いです。
どちらの土地でもキャピタルゲイン(売却益)がし得るので、どうせ買うならばゲームの土地のほうが利益が大きいとも言えます。
つまり、NFTの土地は
1.お手軽に売買可能
2.維持費がかからない
3.リターンが得られる
という3つの特徴を持つのです。
とはいえ、現実の土地と同じく値下がりリスクも存在しますので、リスクが大きい投資であることには変わりません。
クリプトアートでアーティストの名前を語った別人に自分のアートを売られてしまうリスクはないの?
あり得る話ですが、無視していい程度にリスクは低いです。
NFTを売る際は予め取引所が厳正な審査を行うことで信用を担保しています。
消費者は
1.公認マークがついていないNFTを買わない
2.審査が緩い取引所を使わない
これらを行うことで偽物を掴むリスクを避けられます。
審査がガバガバな取引所で偽物の作品に公認マークがついていた場合のみ、アーティストは訴えを起こせばいいでしょう。
しかし今のところ私はそんな事例は聞いたことがありません。
作成したNFTのデジタルデータが購入者にばら撒かれてしまうことがあるのでは?結局違法ダウンロードは止められないんじゃないの?
よく勘違いされますが、NFTはそもそも違法ダウンロードを止めることはできませんし、止めることを目的としているわけでもありません。
ブロックチェーンはそのデータが本物であるという証明書に過ぎないからです。
NFTはオリジナルデータの価値を担保するための証明書として使われます。
分かりやすく説明するために1つ例を挙げましょう。
世界で最も高額な絵画はレオナルド・ダ・ヴィンチのモナ・リザと言われており、パリのルーブル美術館に展示されている本物のモナ・リザの推定価格は最低8億3000万ドルだそうです。
この価値を担保しているのがモナ・リザの本物を証明する鑑定書です。
モナ・リザの複製は世界中にあるので、どこからでも見ることができます。素人では鑑定書が無ければ本物と偽物の区別などつかないでしょう。
結果的に、モナ・リザはどれだけ複製されようと本物の価値は揺るがないのです。
つまり、NFTの購入は、有名画家のサイン付き原画を購入するようなイメージですね。
物の価値は希少性と有用性の2種類から構成されます。
NFTはこの希少性の部分を担保することが可能です。
デジタルアート作品に有用性はありません。そのため希少性のみで値段がつけられます。しかし、デジタルデータは簡単に複製可能なため、希少性もほぼなくなってしまうのです。
結果、アート作品の価格は暴落し誰も購入しなくなります。
NFTはこの希少性の部分を補填してデジタルアートの値段を引き上げているのです。
NFTは有用性も担保可能
「結局、偉そうなことを言っても違法ダウンロードは止められないんでしょ?」
そうとも言い切れません。
NFTを使えばある程度の対策は可能です。
その理由は、希少性だけでなく有用性も担保する仕組みを作れるからです。
結論、ブロックチェーンで本物が証明されたデータ以外はプラットフォーム上で使えなくなるのです。
例えば、ブロックチェーンゲームでNFT化されたアイテムは実際にゲームで活用することができます。このアイテムは希少性だけでなく、有用性も持ち合わせているため多額の値段がつけられます。
これは、プラットフォームがウォレット内のNFTを参照して、利用可能にしているからです。
例としては
・書籍のNFTを購入すればNFTを所持している間はウェブ上でその書籍が見られる
・3DアバターのNFTを購入すれば、ゲーム内でそのアバターを利用できる
このような利用方法が可能です。
ただし、この仕組みを実現するためには消費者ではなく、プラットフォーム側の対応が不可欠となります。
これからはNFTに対応したプラットフォーマーしか生き残らなくなっていくでしょう。
課金が全て水の泡に消える通常のゲームか、課金が資産に代わるブロックチェーンゲームのどちらが生き残るかは自明の理ですよね。
バブル
2021年3月現在、バブルに近い状況が起きています。
特にクリプトアートへの資金流入は凄まじいです。
クリプトアートを購入しているのは芸術などからっきしの投資家、投機家たちです。
この問題点は、投資家たちがクリプトアートの正しい相場を知らずに購入しているところです。
最新のクリプト事情に詳しいプロの投資家でかつ芸術界隈にもが深い人がどれほどいるでしょうか。
素人が現実世界のアート作品に値段をつけることなど不可能でしょう。
美術館で飾られている絵画を一目見ても値段なんてわかりませんよね。
反対に、アートの目利きができる芸術家はDeFiやNFTなどの金融界隈の最新情報は専門外でしょう。
当然私も芸術など全く分かりません。
ただし、私が調べた限りの情報では、芸術のプロの目から見ると「クリプトアートは芸術的な価値は0円である」とのことです。
つまり、現在のクリプトアートの盛り上がりは、砂上の楼閣なのです。本来の価値と乖離した値段がつけられている可能性があります。
これでは、いつバランスが崩れて暴落が起きてもおかしくありません。
チキンレースの開幕
では、今クリプトアートを買っているのはどういう層なのでしょうか?
1.芸術的な価値がないことなど理解しているが、値上がりを見越して仕込んでいるプロの投資家
2.本気でクリプトアートに芸術的な価値があると思い込んでいる素人投資家
赤信号はどこから?
では、バブル気味だからクリプトアートは買わないほうがいいのでしょうか?
実は価格が本来の価値から乖離しているからと言って、すぐさま元の価格に戻るとは限りません。プロの投機家はこういう時こそ高く買って高く売るのです。
オーバーシュート(値段が行き過ぎること)が起きるまではじりじり上げ続ける可能性が高いです。
2021年3月現在、まだ赤信号は灯っていません。まだ青信号から黄色信号に変わり始めるくらいの段階です。
黄色信号のサインはこちらです。
・NFTの利用権がリースされるようになる
・NFTが信用取引で買われるようになる
・複数のNFTをまとめた証券化商品が出回る
・CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が販売され始める
「NFTはコレクティブルアイテムだからコレクター以外には価値がない」
これは少し間違いです。発行体はNFTを少しでも高く売るためにNFTに様々な付加価値をつけるのです。
例えば、私が2019年から発行しているオンラインサロンのメンバーカードのNFTは所有者のサロンへの月額参加費が無料になります。
これにより、希少性だけでなく有用性が高められます。発行から1年半で130枚のメンバーカードが購入され、販売価格は2400円からスタートして現在は20000円にまで値上がっています。
より高額なNFTを所有していれば様々な恩恵が受けられるようになります。例えば、クリプトアートのハッシュマスクでは所有者に毎日専用のトークンが送られてきます。
ブロックチェーンゲームのクリプトスペルズでは、最上位のレアリティのNFTを他プレイヤーに貸し出すことで利用料を徴収できるのです。
その結果、レバレッジをかけてNFTを購入する人々が増えていく可能性があります。10万円分NFTを買うよりも1000万円分のNFT買ったほうが利益が増えますからね。
しかし、NFTの発行体が破綻するとNFTがゴミになってしまいます。ブロックチェーンゲームがサービス終了するなどですね。
このリスクを避けるためにCDSという保険が広まっていくのです。CDSは保険料を支払う代わりにもしもの時に保証を受けられるサービスです。
この流れは2008年リーマン・ブラザース破綻から巻き起こった世界的な金融危機「リーマン・ショック」と同じです。
投資家がハイリスクハイリターンの金融デリバティブを追い求め続ければ、最終的に風船が破裂してしまいます。
絶対に即逃げたほうがいい赤信号は以下の2つです。
1.テレビでクリプトアートが特集される
2.お笑い芸人がクリプトアートに手を出す
こうなるともはやおしまいです。
クリプトアートを知らない人が世間から消えている状態なので、新規参加者がいなくなっています。
プロはとっくに利益確定に動き、次の投資商品に移っています。最後にジョーカーを掴むのはテレビでようやく情報を知ったド素人の一般人です。
2019年1月こうやって仮想通貨バブルは暴落を迎えました。
赤信号がともった場合は直ちに全投資商品を店じまいしましょう。
正直に言うと、私は素人は投資に手を出さない方がいいと思っています。
・行動経済学
・効率的市場仮説
・アービトラージ
投資をする上でこれらのワードを聞いてはてなマークが出ている人は止めた方がいいでしょう。最低限これらの概念を理解できていないならば、利益が出ていたとしてもたまたまに過ぎません。
プロの投資家にカモにされるだけです。
でも、せっかく最新の金融知識について勉強しているのだから、チャンスを生かしてお金を儲けたいですよね。
そんなあなたに、超低リスクでハイリターンを狙う方法を教えましょう。
NFTに投資するのではなく、NFTの販売側に回るのです。
投資家ではなく事業主側になればリスクを抑えて大きなリターンを得ることができます。
NFTがバブルになって値段が上がれば上がるほど、最もおいしいのはNFTの発行体や販売プラットフォームです。
クリプトアート以外でも、アイデア次第でなんでもNFTに変えることができます。
2次流通の収益も発行体に入りますので、NFTを広めれば広めるほど不労所得も増やすことが可能です。
私がオススメしたいのは断然NFTの販売側ですね。
NFT、DeFiなどクリプト界隈が抱えている最大の課題は環境問題でしょう。
マイニングの消費電力は小国の1年間の消費量を上回っています。
出展:ケンブリッジ大学:Cambridge Bitcoin Electricity Consumption Index (CBECI)
環境問題に取り組んでいる億万長者のビルゲイツもマイニングに対しては警鐘を鳴らしています。
これからの企業はSDGsに取り組んでいることをアピールするのか、クリプトの保有量をアピールするのか2択を迫られるかもしれません。
電気エネルギーを使い過ぎたゆえに起きる環境問題が表面化した場合、今のクリプト界隈の盛り上がりに冷や水がさされることになるでしょう。
とはいえ、それが致命傷となりクリプトがなくなるということはあり得ないでしょう。
あくまでも投資家の警戒心により短期的に値段を下げうるマイナス要因の1つというイメージです。
ビジネスチャンスとしては、環境に害を与えない再生エネルギーでマイニングを行うシステムの開発などが考えられますね。
資本主義は物欲無しでは成り立たない
未来の人々がお金を稼ぐ目的は、「憧れのNFTを購入するため!」になるでしょう。
物が溢れる現代は便利さよりも、希少性が価値を生む時代だからです。
資本主義は人間の物欲を利用して経済成長を促す仕組みです。
しかし、物であふれた現代では労働者の労働意欲が損なわれていきます。
昭和、平成時代は高級車、高級腕時計、高級住宅を購入すれば人間は幸せになれるとメディアが洗脳を行っていました。
しかし、令和時代の若者の価値観は異なります。もはやバブル時代に流行ったこれらを人生の目的とする若者のほうが珍しいでしょう。
若者は物を所有するためではなく、自分のやりたいことを見つけ、それを成し遂げる自己実現へと向かっているのです。
「お金があっても欲しいものがない。」
ただし、それでは資本主義が崩壊する可能性があります。
その使い道がNFTになりうるのです。
「高級車も高級時計も興味はないが、自分の好きなアーティストが出す世界に1枚の限定NFTは欲しい!」
こうなるわけですね。
NFTは資本主義の欠陥を補い、豊かで幸福な社会を実現するエコシステムになりうるでしょう。
資本主義では古くから富の不均衡が問題視されています。
今の世界はたった62人が全世界の半分の富を所有している構造なのです。
これに対する解決策は、所得の再分配です。所得の再分配とは、社会保障制度などを通じて、高所得者から低所得者へ所得の分配がされることを意味します。
とはいえ、全く進展は見られません。
ベーシックインカムが解決策の1つとして脚光を浴びていますが、施行時期の目途はたっていません。
私も社会実験として自身のオンラインサロン内でベーシックインカムを実装してみましたが、想像以上に問題が多いことが判明したため、一国家の財源のみでは難しいのではないでしょうか。
貧困は人間の幸福度を減少させる最も大きい要因の1つです。
この解決方法は所得の再分配のみと考えられるでしょうが、この方法では人類は一向に前に進んでいません。
強制的な所得の再分配は資本主義と乖離してしまい、矛盾が起きるからです。
資本主義の仕組みでは、所得の大きさは社会への貢献度の大きさとも表せます。
社会に大きな価値を生み出した人はその対価として大きなお金を得られます。
大金があればそれだけ豊かな暮らしができるので、人々は大金を得るためにどこまでも働き続けます。これにより経済が発展していくのです。
格差社会の是正とは、社会に大きな価値を生み出している人からお金を取り上げて価値を生み出していない人に配るという行為に他なりません。
この方法は、お金持ちと貧しい人双方の労働に対する意欲を失わせてしまうのです。
富の不均衡は誰しもが問題だとは感じていますが、一向に改善されないのは資本主義の仕組みから考えれば仕方のないものなのです。
実は格差を是正するアプローチ方法はもう1つあります。
それが、お金がなくても安心に暮らせる社会の実現です。
目的を明確化すると、富の不均衡が問題なのではなく幸福度の格差が問題なのです。
貧困による心のダメージを取り除ける社会になれば、実は強制的な所得の再分配は必須条件ではなくなるのです。
それを実現させるエコシステムが
・シェアリングエコノミー
・サブスクリプションサービス
・NFT
この3つなのです。
今後は世界中であらゆるモノのNFT化が進んでいくでしょう。
現代はUber、メルカリ、Netflixなど、サブスクリプションやシェアリングサービスを使えばモノを所有しなくとも生活が可能です。
しかし、それではこれまでモノやコンテンツを作り出して販売していた生産者が貧しくなっていきます。
そして、シェアリングはエコに配慮した合理的な仕組みですが、人間には所有欲求があることも事実です。
また、行動経済学でいうウェブレン効果により、人間は見せびらかし欲求も持っています。
ブロックチェーンの面白いところは、所有者が目に見えるところです。これにより、高価で希少なNFTを持っている人はそれだけで満足感を覚えることができます。
これからの時代のお金を集めるモチベーションは暮らしを豊かに便利にするためではなく、高価なコレクティブルアイテムを購入して満足度を高めるために変容するのです。
まとめると、
・貧しい人はサブスク、シェアリングサービスで豊かな暮らしをおくれる。
・お金持ちはNFTを購入しリッチな体験ができる。
・生産者はNFTの売却益と2次流通市場(NFTは中古からもお金を生む)から安定した収益が得られる。
このような時代が到来します。
無名のアーティストのNFT作品が75億円で落札
例えば、2021年3月現在、無名のアーティストのNFT作品が75億円で落札されるというニュースが飛び込んできました。
これによりお金持ちとアーティスト双方の満足度が上昇し、豊かな人から貧しい人へと強制的ではないお金の循環を生んでいます。
このアートを購入したお金持ちも、政府から強制的に奪われるのと自分の好きなものを購入するのでは全く満足度が異なるでしょう。
つまり、富裕層は持っている資産価値を減らさずに貧しい人へ富を再分配できるようになるのです。資産を切り崩して寄付をしたり、政府から税金で資産を取り上げられる必要はありません。
かなり複雑な話になりますが、75億円でNFTアートを買ったお金持ちAさんはお金が資産に変わっただけで、損をしたわけではありません。しかし、今後この75億円は貧しい人へ分配され、再び富豪たちの手に戻ることはないのです。
なぜなら、お金持ちAさんがこのNFTアートを75億円で再び販売したとしても、それを購入できるのはAさんと同じ富裕層のみだからです。
結果、大きな流れで見ると、人類のトップ数%の富が一般層に還元された形になります。
分かりやすく言えば、「資本家たちにプラスになる方向で富の再分配を促すシステムを作ったほうがいいよね」という話です。
寄付や税金だけでは上手くいかないことは歴史が証明していますからね。
このようにNFTは、お金持ちも、貧しい人も、生産者も消費者も全ての人が満足度が上昇する社会を実現しうるのです。
つまり、NFTやブロックチェーンの勉強は必要不可欠であり、これらを理解しておかなければ時代の流れに追いていかれるという話ですね。
NFTが一般社会に浸透していけば経済格差を是正せずとも、幸福度が均等になる社会へと人類は歩みを進めていくのではないでしょうか。
では
どのようなNFTを買えばいいのか?
どのようなNFTを発行すればいいのか?
実際にNFTを扱う方法については次回以降、私の動画やnoteで解説していきます。