来週経済メディアのNews Picksさんで取材を受けることになりました。
経済系VTuberとしては本当に光栄ですね。
さて、あなたは
「この動画結構自信があったのに、思うように再生数が伸びないなぁ」
という経験はないでしょうか?
または自分で作った「自信のある商品」の売れ行きが悪いと悩んでいませんか?
もしかすると、その問題はマーケティング戦略で解決するかもしれません。
今回は「発信内容」を変えずにコンテンツの価値を高める「PR戦略」について解説していきます。
実は「クオリティの高い動画」を作ることだけがチャンネル登録を伸ばす方法ではありません。「動画のクオリティ」を上げずとも登録者数を増やすアプローチ方法があるのです。
YouTubeに限らず、最新のPR戦略を学ぶことは、自社製品の売上を増やしたり、効果的な広告の作成に繋がります。
参考文献
戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則 本田 哲也
結論から言うと、YouTubeでチャンネル登録者数を伸ばすためのPR戦略とは、「ビヘイビアチェンジを起こす」です。
「ビヘイビアチェンジを起こす」とは、言い換えると、自分のチャンネルに登録してもらう理由を視聴者に与えることです。
そもそもPRやビヘイビアチェンジとはどういう意味でしょうか?
PRとは「世の中を舞台にした情報戦略」です。
PRの究極の目的は「人の行動を変えること」なのです。これをビヘイビアチェンジと呼びます。
ビヘイビアチェンジとは帰り際にコンビニに寄るなどのちょっとした行動の変化ではありません。習慣、固定観念の変容というダイナミックな変化を言います。
「広告を見て、居酒屋でビールではなくハイボールを頼む習慣に変容にする」これもビヘイビアチェンジです。
つまり、PR戦略で視聴者に行動変容(ビヘイビアチェンジ)を起こせばいいのです。視聴者にあなたのチャンネルで発信する情報の重要性を認識してもらうことで初めて、あなたの情報に価値を見出されるのです。
では、どうすればビヘイビアチェンジを起こせるのでしょうか?
ビヘイビアチェンジはPRのピラミッドの頂上に位置します。
パブリシティ(情報の露出)
パーセプションチェンジ(認識変化)
ビヘイビアチェンジ(行動変容)
まずは動画を見てもらい、その中で認識の変化を起こし、最終的にチャンネル登録に結びつける。この3ステップが必要となります。
例えば、「SDGsの大切さを訴えかけたい」発信者を例に上げます。
まずはパブリシティ(情報の露出)です。面白いサムネイルと導入で「SDGsに興味がない」視聴者にも動画を再生してもらいます。
次にSDGsについて解説し、「よくわからないけど、世界でSDGsの推進が進んでいるんだ」というパーセプションチェンジ(認識変化)を引き起こします。
最後に「それならSDGsを勉強してみるか」とビヘイビアチェンジ(行動変容)に繋がれば成功です。この視聴者はSDGsの他の動画を見る習慣が身に付きます。こうなれば自然とチャンネル登録に繋がるでしょう。
「買う理由」の代理戦争時代
YouTubeのPR戦略に必要なのは「チャンネル登録をする理由の企画」です。
チャンネル登録者数を伸ばすためには、「動画のクオリティ向上」だけではなく、「チャンネル登録をする理由」を作る方向でもアプローチが可能なのです。
そして、世界は「商品を買う理由」を作る方向に動きつつあります。現代社会において「商品の質」のみで戦うのは厳しいのです。もはや提供できる商品に大きな違いがなくなっているからです。
掃除機も炊飯器も、消費者からはどれも同じに見えますよね。
では、どうすれば「チャンネル登録をする理由」を生み出せるのでしょうか。
1つに「属性順位転換」を意図的に仕掛ける戦略が考えられます。
「属性順位転換」とは、社会的な共通認識を変容させることです。分かりやすくいうと「いい〇〇とは?」の定義を変化させることですね。
例えば、「いい車」の定義は時代によって移り変わっていきます。
かつてのいい車は「カッコいい見た目」「広い車内空間」でしたが、現在は「環境にやさしい」のがいい車です。そして未来は「安全な自動運転機能」がいい車と呼ばれるようになっていくでしょう。
この定義を自社に有利はフィールドへ変えることができれば、自社の車が売れるようになるのです。
YouTubeならば「いいチャンネルとは?」「いい動画とは?」「いいゲーム実況とは?」「いいドッキリ企画とは?」などですね。
この定義を自分のチャンネルに合わせて変化させることで、視聴者がチャンネル登録をする理由になりえるというわけです。
例えば「いい動画」の定義とはなんでしょうか?
2021年現在では「短時間」「凝った編集」「面白い」などが上位に来るでしょう。
このいい動画の定義を変えてしまえば、動画のクオリティを変化させずとも、登録者数を伸ばしうるのです。
無編集で面白さに欠ける長時間の動画をアップしているチャンネルを例に挙げます。
……これは当然伸びませんよね。
このチャンネルはそのままアップしていてもなかなか成果が得られませんが、「いい動画」の定義を「長時間」「無編集」「面白くない」に変えてアプローチするPR戦略はどうでしょうか?
「コロナ時代、テレワーク中に見るには、短くて面白い動画は仕事に集中できませんよね?でも私のチャンネルは仕事を邪魔しない程度にゆるく暇潰しができる動画が揃っていますよ」
こう訴えかけることで、「なるほど、作業中に流しておけるならチャンネル登録してみるか」と視聴者の行動を変容できるかもしれません。
チャンネル名はチャンネルアートは「作業用まったりゲーム実況チャンネル」「作業のお供にまったりラジオ」などが考えられます。
どう見てもダメダメな動画やチャンネルであっても、属性順位転換というPR戦略を使えば、いい動画、いいチャンネルになりうるのです。
あなたは、そんなことをわざわざPR戦略などをしなくても「いい商品」や「クオリティの高い動画」だけを作っていれば結果が出るんじゃないの?
と思われるかもしれません。
しかし、現代はいい商品であっても、そもそも手に取ってもらえない可能性があります。
その理由は以下の3つが原因です。
・「選ぶのがめんどうくさい」情報洪水と選択率の低下
・「好き勝手やらせて」アンコントロール領域の拡大
・「気になるものはそれぞれ」社会関心の多様化
つまり、消費者は広告的なコンテンツを避ける傾向にあるのです。このような時代背景から、広告よりもPRが求められるのです。
もはや他社が真似できないハイクオリティな商品を開発し、それを売りつけるを広告撃つのは時代にあっていないでしょう。
現代は消費者が「買う理由」を想像し、いかに自然に消費者に行動変容を起こせるかが大切となります。
競争相手が増えすぎてレッドオーシャン化している2021年のYouTubeでは、いいコンテンツの作成に加えて、時代に合わせたマーケティング戦略も必須となっていくでしょう。
もし千莉が実際に行っている、属性順位転換によるPR戦略を具体的を知りたいという方は、以下で有料記事にて解説していきますので、よろしければご覧ください。
あなたも是非、「面白い動画の企画」だけでなく「チャンネル登録をする理由の企画」も考えてみてください。