僕が読書を通じて常々思っていることは、ノンフィクションを読んでいる人が少ないことです。趣味が読書と言うと、小説や自己啓発を連想する人があまりにも多く、僕はこの考え方を変えて欲しい。だから紹介します!!
著者であり主人公のトーマストウェイツはイギリスのクリエイターです。彼は次著"人間をお休みしてヤギになってみた結果"を出版し、イグノーベル賞を受賞しました。
そんな彼の初著書が今回紹介する本、”ゼロからトースターを作ってみた結果"です。新潮文庫から出版された数少ないノンフィクション作品です。
A.読みやすい。
値段は880円です。メルカリで買ったらもっと安いでしょう。文庫本サイズ、ページ数約200ページ、行間も空いていて文字も大きく、写真や絵も多いため、日頃本を読んでいない方にもおすすめです。
B.とにかく内容がおもしろい。
電車で読んだことが間違いでした。ふとした瞬間に著者の発想や言動で笑いを誘ってきます。
本の内容は、著者が鉱山に行って原料を取りに行ったり、材料を加工しながら、0からトースターを作るシンプルな話です。彼はこのプロジェクトを本気で実行するのですが、専門家とのコミュニケーションで全然噛み合っていない点がとても面白いポイントです。著者がとにかくユニークでユーモアがあり、頭がいいのかアホなのか、よくわかりません笑。
主人公(著者)がアポを取って専門家に尋ねに行ったり、原料を探しに行ったり、冒険しているようで好奇心がくすぐられました。最後にトースターが出来上がったときが最高に面白かったです。
意外だったのが、著者が巻末で人間の分業について問題提起している点です。技術革新によって社会が発展した現代社会とは対照的に、原料を調達したり、狩りをするといった原始的な生き方ができなくなっていると疑問視していました。やってることはアホなのに、最後は格好よく終わってます。
少しでもノンフィクションの面白さが伝われば嬉しいです。