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オンラインゲームとRMTの黎明期を振り返る

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  • shingen-crypto
  • 2019/10/18 13:25

※この記事はMiyapeeeさんのBlogへ寄稿した記事を再編したものです。以前の記事はBlogと共に消滅しましたが、ブロックチェーンゲームとRMTは切っても切り離せない縁があるので下書きから書き起こしたものをこちらで残しておきます。

特にDiablo3のケースを見た時、必ずしも二次流通が保証されたゲームが正義ではないという側面が見えると思います。

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ブロックチェーンゲーム界隈はEtherTownやKittiesから始まり、マイクリ、クリスペ、Gods Unchained等を含め、新作がどんどんリリースされて徐々に盛り上がりを見せていると感じます。

私はあまり幅広く追えている訳ではないのでブロックチェーンゲームそのものに詳しくはないのですが、それでも現状殆どのブロックチェーンゲームと切り離せないのがゲーム内資産の換金性だと思います。

それは例えばゲーム内での何か(クリア、報酬、配当等)に対して独自TokenやETHが配布されたり、他の買い手に対して売れたりとかのものです。という事は現状殆どのゲームとプレイヤーは報酬を目当てに動いていくという事になるでしょうか。

 

実は結構な昔、それこそ20年以上前からオンラインゲームではゲーム内資産を換金する事が間接的にせよ可能であり、それは多くの影響をゲームに及ぼして来ました。それが具体的にどんなものだったのか、今回は私の過去の記憶を掘り起こしてみます。

※書いた後から調べたところ、世界初のMMORPGはNeverwinter Nightsでしたが筆者は体験していなかったので省きます

1996 Diablo 〜オンラインゲーム普及の兆し〜

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オンラインでのハックアンドスラッシュというジャンルを確率した超有名なアクションRPGです。ここでの資産は強力な武器や防具、装身具でした。

通常強い装備を入手するには冒険を重ねたりNPCの店を只管訪ねて当たりを買う、みたいな形で入手しており、当時遊んでいた人は装身具が敵から出た時の効果音に身体が反応する、なんていう懐かしいネタもあるかと思います。

しかし残念ながらDiabloの資産≒アイテムデータはLocal PC保存であり平文で容易に改ざんと複製が可能でした。知らない人達と一緒に遊んだ時に”親切”な人が超強力アイテムをばら撒いてくれたりする程です。

ですので結果としてDiabloのアイテムには金銭的な資産性は産まれませんでした。

1997 Ultima Online(UO) 〜RMT誕生〜

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世界初のMMORPGの登場です。24時間365日動き続ける(メンテナンス時間以外は)箱庭の様な世界に数百、数千というプレイヤーが集まって好き勝手に遊ぶゲームです。戦士から職人、商人、盗人でもPKでも出来る、元祖にして未だこれを超えるMMORPGは出ないという程の作品です(ゲームデザインのみでなく、話題性とプレイヤー人口の一極化により実現したと私は捉えています)

さて問題の資産と経済についてですが、ここでついにオンラインゲームの資産が現実での金銭価値を持つ事になりました!

理由を幾つか挙げてみましょう。

- 殆どのゲームデータがサーバ側で管理されていた為、複製や書換不可 

- 死亡時にほぼ全ての持ち物を落とし、他人もそれを拾える為、アイテムの流動性が高い 

- 武器防具や道具は耐久力を持っており消耗品 

- 限られた土地の中でプレイヤーが所持可能な不動産があった

上記の様な状況でしたので、活動には基本的に消耗品が必要でゲーム内マネーの需要は高く、不動産は最も価値が高いものとなりました。

マジックアイテムの装備もあったのですが、戦闘≒死亡と喪失のリスクに繋がる為に価値は低いという状況です。

そんな需要に答える為にRMT(Real Money Trading)という言葉と商売が産まれた訳です。代表例を挙げると、不動産は城が100万、タワーが30万とかそんな相場でした。

ちなみに中華業者Botはこの時居なかったです。尚且MPKやPKが可能なシステムなので恐らくBotが居ても駆逐されて戦利品を奪われる運命だったでしょう。ゲーム内マネーの需要はそれなりにあった様に見え、RMTの需要もそれなりだった様に見えます。

1999 Everquest(EQ) 〜アカウント売買の台頭〜

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戦闘と攻略に特化したMMORPGの初登場です。ちなみにFF11はEverquestのフォークです!

このゲームははっきり言ってキャラのレベルと装備こそ命でした。

初期の方は殆どの装備品がTradableでしたが、途中から装備品のインフレやRMTを懸念してなのか、一度装備すると譲渡不可になる物が増えてきました。(装備品のインフレとは高レベルのキャラが強い装備を安価で売り捌く事により、後発プレイヤーは冒険で入手するより安価で強い装備品を購入する方にインセンティブが働き、ゲーム性が損なわれる事です)

ちなみに一部の装備については入手困難度が半端ではなかったので、超人気ゲームであったにもかかわらず世界で数名しか持っていないという状況もありました。

それに加えて譲渡不可だった事情から、ここでついにアカウント売買のRMTが登場します。俗にいう「誰々さんの中の人変わった?」ってやつです。実はこんな昔からあった訳ですね

ちなみに凄まじい廃人ゲームであったにも関わらず中毒性が高く、欧米では局地的に社会問題になっていた様です。主に家族持ちの大人が仕事や家族よりゲームを優先してしまうという状況です。

2002 Ragnarok Online(RO) 〜中華Bot爆誕〜

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日本では大人気、間違いなくMMORPGを日本で流行らせたのはこのゲームがきっかけでしょう。

私は遊んでないので詳細は省きますが、自動で狩りをするBotが結構問題になって居ました。低レベル帯の雑魚が高級アイテムを超低確率で落とす為に、それを只管狩り続けるBotが横行したのです。基本的には止める手段に乏しく、プレイヤー達は皆文句を言っていたのが印象的です。

確認はしていないですが、プレイヤー間トレードが盛んだったのでRMTはかなり盛り上がったでしょう。

2012 Diablo3 〜公式プレイヤー間RMT〜

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なんとついに運営公式RMTが登場しました。これは結構歴史的な出来事ではないでしょうか?

ゲームで拾ったアイテムをゲーム内オークションでUSDを使って売買できるのです。

併せて当時のゲーム内最高難易度(Inferno)は凄まじく敵が強かったのです。昨今では中々お目にかかれない、昔のファミコンゲームさえも凌駕するのではないかと思う敵の強さでした。

当然拾えるアイテムの質は難易度に比例しますのでプレイヤー達はこぞって最高難易度のクソゲーに挑戦していました。文字通りのトレジャーハントです!

と、ここまでは良かったのですが…プレイヤー側のトレハン効率化と運営側からのゲームバランス調整の戦いは厳しいものでした。

最早笑い話なのですが、ハクスラなのに敵を倒さずオブジェクト破壊して稀に出てくるアイテムを狙ったり、敵を無視して固定で出てくる宝箱だけを狙う方が効率が良い時もありました。

しかしこうした効率の良い手法、または特定の強力な戦術が編み出されては運営によって潰されるイタチごっこになってしまったのです。

少し時間が経つと、ゲームの難易度は下げられ敵から得られる良アイテムの取得確率は極端に下げられました。

更にプレイヤー側から市場に供給される中級アイテムにより装備がインフレ化し、上級アイテムは滅多にお目にかかれない状態です。

率直に言って、ゲーム内でアイテムを探すよりも現実世界で働いて欲しいアイテムをオークションで買う方が早いという状況になったので、ハクスラの醍醐味が大きく失われたと言わざるを得ません。

まとめ

以上で今回の振り返りは終わりです。

当時は運営が二次流通しないけど最強装備を十数万円で販売していたケースもありました。ゲームの名前は忘れてしまいましたが…

更にこの後は基本無料+ガチャによる課金ゲームとかも流行ったのですが、其の辺りは私も遊んでいないのであまり詳しくないのが正直なところです。

これらを振り返った時、人間同士が関わり、複製不可な市場が出来た時には運営がどうするにせよプレイヤー間のリアルマネーマーケットも平行して存在するという事が見えたかと思います。

またDiablo3をみても解るように、公式RMT≒二次流通が保証されたからと言って必ずしもプレイヤー全員がハッピーになるとは限らないのです。

当然ながらゲームバランスは市場の流通を考慮しなくてはならないので、そこが普通のゲームとは変わります。TCGならまだしもレベルデザインやトレハン要素がついたハクスラでは正直言ってあっさりとバランスが崩壊し、冒険で取得出来るアイテムを得る喜びが失われるという事です。

勿論の事、そこも踏まえて上手くバランスを調整すれば皆がハッピーになる様な形にも出来るでしょう。素人考えで言えば消費(消耗や二次利用不可等)が鍵になると思います。

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