

「〇〇警察署の者ですが、あなたの口座がマネーロンダリングに使われています」
突然、警察官を名乗る人物からこんな電話がかかってきたら、誰でもパニックになってしまいますよね。「逮捕されるかもしれない」「どうすればいいの?」と不安で頭がいっぱいになるかもしれません。
しかし、結論からお伝えします。警察が電話でお金を要求したり、SNSに誘導したりすることは「絶対に」ありません。それは99.9%、あなたの大切な資産を狙う「ニセ警察詐欺」の電話です。
近年、このニセ警察詐欺の手口は信じられないほど巧妙化しており、2025年における警察官をかたる特殊詐欺の被害額は、なんと1,000億円を超えています。もはや「オレオレ詐欺」以上に警戒すべき犯罪と言えるでしょう。
この記事では、読者の皆様が絶対に詐欺の被害に遭わないよう、2026年最新の巧妙な手口や、電話に出てしまった時の具体的な対処法、そして今すぐできる防犯対策を分かりやすく徹底解説します。この記事を読めば、いざという時でも落ち着いて正しい行動が取れるようになりますよ。
最初にお伝えしたい最も重要なルールは、「本物の警察官は、電話口でお金に関する要求を一切しない」ということです。この大原則さえ覚えておけば、大半の詐欺は見破ることができます。
詐欺グループは、あの手この手であなたを不安にさせようとしますが、彼らの最終目的は常に一つしかありません。
ニセ警察詐欺の犯人は、正義の味方を装いながら、最終的にはあなたの資産を奪い取ろうとします。
例えば、「犯罪で得たお金かどうか調べるために、指定の口座に全額振り込んでください」「身の潔白を証明するために、自宅にある金地金(インゴット)を預からせてください」などと言葉巧みに要求してきます。最近では、暗号資産(仮想通貨)を送金させる手口も急増しており、大阪では4億円を超える被害も報告されています。
「警察が捜査のために預かるのだから安心だ」と思い込ませるのが彼らの手口です。しかし、日本の法律や警察の捜査において、電話一本で一般市民に資金移動を指示することはあり得ません。お金や資産の話題が出た瞬間に、「これは詐欺だ」と断定して間違いありません。
もし、すでに警察を名乗る怪しい電話に出てしまっている、あるいは、まさに今かかってきている最中だという方は、今すぐ通話を切ってください。
「でも、本当に警察だったらどうしよう…」「一方的に切ったら怒られるかも…」と心配になるお気持ちはよく分かります。しかし、本物の警察官であれば、電話が切れたからといって、いきなり家に乗り込んで逮捕するようなことはしません。
無言でガチャ切りして構いません。少しでも「おかしいな」と感じたら、相手のペースに巻き込まれる前に通話を遮断することが、最大の自己防衛になります。
「自分は詐欺なんて引っかからない」と思っている方ほど、最新の手口を知ると驚かれるかもしれません。近年のニセ警察詐欺は、かつてのような「怪しい片言の日本語」ではなく、最新のテクノロジーを悪用して極めて巧妙に仕掛けてきます。
ここでは、2026年現在で特に警戒すべき5つの手口をご紹介します。
スマートフォンの画面に「警視庁」や「〇〇県警本部」の実在する代表電話番号が表示されたら、誰でも本物だと信じてしまいますよね。実は今、特殊な技術を使って発信元の電話番号を偽装する(スプーフィング)手口が横行しています。
あなたがネットでその電話番号を検索すれば、確かに本物の警察署の番号が出てくるため、「本当に警察からの電話だ!」とすっかり信用してしまうのです。犯人はこの心理を巧みに突き、初期段階での警戒心を一気に解いてきます。着信番号が本物であっても、中身がホンモノとは限らない時代になっているのです。
着信画面に「+1」や「+44」など、「+(プラス)」から始まる見慣れない番号が表示されたことはありませんか?これは国際電話からの着信を示しています。
詐欺グループは、日本の警察の追跡を逃れるために海外のサーバーを経由したり、海外の通信アプリを利用したりして電話をかけてきます。中には、末尾を「0110」にして警察らしさを演出する悪質なケースも確認されています。
日本の警察官が、一般市民への連絡にわざわざ国際電話を使うことは100%ありません。「+」から始まる番号からの着信には、絶対に出ないようにしましょう。
「より詳しいお話をしたいので、LINE(またはSkype等)でビデオ通話をしましょう」と持ちかけてくるケースが急増しています。これも大きな罠です。
ビデオ通話に切り替わると、画面の向こうには警察官の制服(コスプレ)を着た人物が座っています。そして、もっともらしく偽造された「警察手帳」や、あなたの名前が書かれた「逮捕状」の画像を画面越しに見せつけてきます。
視覚的なインパクトは絶大で、これを見せられた被害者の多くは恐怖で冷静な判断力を奪われてしまいます。本物の警察がSNSで取り調べをしたり、逮捕状をLINEで送ってきたりすることは絶対にありません。
自宅の固定電話やスマホに電話がかかってきて出ると、「こちらは総務省です。2時間後にこの電話は使えなくなります。詳しく知りたい方は『1』を押してください」といった機械の自動音声(ガイダンス)が流れることがあります。
驚いて指示通りに数字ボタンを押すと、そこから偽のオペレーターやニセ警察官に電話が転送され、言葉巧みに詐欺のシナリオがスタートします。犯人側は自動発信システムを使って無差別に大量の電話をかけ、反応した人だけを狙い撃ちにする効率的な手法をとっています。
ニセ警察官が最もよく使うセリフの代表格です。
「あなたが落とした保険証が悪用され、あなたの名義で作られた口座が詐欺に使われています」
「あなたは資金洗浄(マネーロンダリング)の容疑者としてリストアップされています」
「このままでは全ての銀行口座が凍結され、あなたも逮捕されます」
このように、被害者自身が「知らないうちに犯罪の加害者になってしまっている」と信じ込ませます。「守秘義務があるので、誰にも話してはいけない」と口止めすることで、家族や銀行窓口で相談されるのを防ぐという周到さです。
「なぜ、私のところに警察から電話がかかってきたのだろう?」と疑問に思うかもしれません。詐欺グループは、無作為に電話をかけている場合もありますが、多くの場合、明確なターゲットを絞ってアプローチしています。
詐欺グループの背後には、違法な名簿業者が存在することが少なくありません。過去に通信販売を利用した履歴、アンケートの回答、同窓会名簿など、様々なルートからあなたの名前、住所、電話番号、さらには家族構成や大まかな資産状況までが漏れ、裏社会で売買されている可能性があります。
「〇〇さんのお宅ですか?」と本名でかかってくるため、「警察がちゃんと調べて電話してきている」と錯覚しやすいのですが、単に彼らが名簿を読み上げているだけなのです。
依然として、固定電話は詐欺グループにとって最大の「入り口」です。特に、日中自宅にいることが多い高齢者はターゲットになりやすく、被害者の多くを占めています。
高齢者の方は「警察=絶対的に正しい権威」という意識が強い傾向があり、警察官を名乗る人物からの強い口調での指示に逆らえず、パニックになりやすいという心理を犯人は熟知しています。離れて暮らす親御さんがいる場合は、特に注意喚起が必要です。
実は、「自分は詐欺の手口を知っているから大丈夫」と過信している人ほど、新しい手口に直面した時に騙されやすいと言われています。
従来の「オレオレ詐欺」のイメージしかない人は、制服姿の警察官とビデオ通話をしたり、実在する警察署の番号が表示されたりすると、「テレビで見た詐欺とは違う!これは本当の事件だ!」と思い込んでしまうのです。詐欺の手口は日々進化していることを常に意識しておく必要があります。
どんなに気をつけていても、うっかり怪しい電話に出てしまうことはあります。大切なのは、その後の対応です。万が一、警察を名乗る不審な電話に出てしまったら、以下の3つの行動を徹底してください。
前述の通り、一番の対策は「電話を切断すること」です。相手がどれだけ脅してきても、逮捕状をチラつかせても、関係ありません。
「少し確認して折り返します」「家族に相談します」などと言って、とにかく通話を終了させてください。相手が引き止めようとしても、無言で電話を切って構いません。詐欺師と会話を続ける時間が長ければ長いほど、マインドコントロールされやすくなります。
電話を切った後、相手から「こちらの番号に折り返してください」と指定されたり、SMS(ショートメッセージ)でLINEの友達追加リンクが送られてきたりしても、絶対にアクセスしてはいけません。
指定された番号は、警察署ではなく詐欺グループの別働隊(偽の警察官や検察官役)につながるだけです。SNSに登録してしまうと、相手にあなたの個人情報がさらに漏れたり、執拗な連絡が来たりする原因になります。
電話を切った後、どうしても不安が残る場合は、自分から「本物の警察」に確認の連絡を入れましょう。
緊急性がない相談事態の場合は、全国共通の警察相談専用電話「#9110」にダイヤルしてください。専門の相談員が対応してくれます。または、インターネットでご自身の住んでいる地域の最寄り警察署の代表番号を調べ、そちらに電話をして「〇〇と名乗る警察官から電話があったが、事実か?」と確認してください。
参考:警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ - 政府広報オンライン
詐欺の電話は「出ないこと」が最強の防御です。精神的なストレスを抱えないためにも、電話機本体の機能や設定を見直し、物理的に詐欺電話をシャットアウトする環境を整えましょう。
最も簡単で、しかも絶大な効果があるのが「常に留守番電話に設定しておくこと」です。外出中だけでなく、家の中にいる時も常に留守番電話にしておきましょう。
電話が鳴ってもすぐには出ず、留守番電話のメッセージが録音されるのを待ちます。知人や家族など、用事がある人は必ずメッセージを残します。メッセージを聞いて、本当に必要な電話だけ折り返せば良いのです。詐欺犯は自分の声が証拠として録音されることを極端に嫌うため、留守番電話に切り替わった時点で電話を切ることがほとんどです。
より強力な対策として、自治体や警察も推奨しているのが「防犯機能付き電話機」への買い替えです。
この電話機は、着信音が鳴る前に、相手に対して「この通話は防犯のために録音されます」という警告アナウンスを自動で流します。このアナウンスを聞いた詐欺犯の多くは、通話を諦めます。
さらに、見知らぬ番号からの着信を自動で拒否する機能や、通話を自動録音する機能が備わっているため、高齢者のご家庭には特に強くおすすめします。
「〇〇警察署の者ですが、息子さんがトラブルに巻き込まれて…」という、従来のオレオレ詐欺とニセ警察を組み合わせた手口も存在します。
離れて暮らす家族とは、「電話でお金の話が出たら詐欺」「合言葉を決めておく」といったルールを日頃から共有しておきましょう。また、頻繁に連絡を取り合うことで、声のトーンや近況を把握しておくことが、いざという時の違和感に気づくための強力なセンサーになります。
この記事を読んでいる方の中には、「すでに相手の指示通りにお金を振り込んでしまった」「暗号資産を送金してしまった」という方もいるかもしれません。
もし被害に遭ってしまったと気づいたら、1分1秒でも早く以下の行動をとってください。
まずは、振り込み先の銀行(金融機関)に大至急連絡し、「詐欺に遭ってお金を振り込んでしまった」と伝えてください。
間に合えば、犯人の口座を「凍結」し、お金が引き出されるのを防げる可能性があります。また、「振り込め詐欺救済法」という法律に基づき、犯人の口座に被害金が残っていれば、被害額の一部が返還される制度もあります。泣き寝入りせず、まずは金融機関に相談することが第一歩です。
金融機関への連絡と同時に、最寄りの警察署に出向いて事情を説明し、被害届を提出してください。その際、以下のものが証拠として役立ちますので、絶対に消去せずに保存しておいてください。
着信履歴(相手の電話番号や着信日時)
SNS(LINE等)でのやり取りのスクリーンショット
相手から送られてきた画像(偽の警察手帳や逮捕状など)
振り込み明細書や送金履歴
証拠が多ければ多いほど、警察の捜査が進展する可能性が高まります。
いざという時に冷静に判断できるよう、本物の警察官の対応と、ニセ警察詐欺の典型的な手口を比較表にまとめました。これを見れば、その違いは一目瞭然です。

国際ワン切り詐欺(Wangiri)とは?仕組み・被害額・よく使われる番号帯まで徹底解説
最後までお読みいただき、ありがとうございます。2026年最新のニセ警察詐欺の実態と、その対処法について解説してきました。
詐欺の手口は年々巧妙化し、ビデオ通話や偽の電話番号表示など、あの手この手で私たちを騙そうとしてきます。しかし、警察が電話でお金を要求したり、SNSで取り調べを行ったりすることは絶対にありません。この事実を知っているだけで、被害を防ぐ確率は格段に上がります。
もし怪しい電話がかかってきても、「出ない」「信じない」「すぐに切る」。そして、少しでも不安に感じたら、ためらわずに警察相談専用電話「#9110」へ相談してください。
あなたの大切な財産を守るためにも、この記事でご紹介した「常に留守番電話にする」などの防犯対策を、ぜひ今日から実践してみてくださいね。










