「喜びは,オーストリアの金鉱のように偶然の気まぐれで,規則性もなければ法則性もなく,たいていはごく微細な粒状で散在し,大きな塊はきわめて稀である.」(上掲200-201頁)
石がメインの話題の本ではありませんが,読んでいてふと石にたとえた記述が目に入りました.貴重なものを金にたとえる例はよく見ますが,金の天然での産状との類似に注目した例は見たことがなく,印象的でした.
大きなものはほとんどなく,目にすることもそんなにないが,偶に出会うと小さくても嬉しいものが,喜び,というところでしょうか.なかなか味わい深い比喩です.