バイクを乗られる皆さま。いかがお過ごしでしょうか。
紅葉の時期を迎えツーリングシーズンもいよいよ大詰めとなってまいりました。早い方はそろそろバイクの冬眠準備をされているかもしれませんね。ここ茨城でも素晴らしい紅葉を楽しむことができ、わたくしも心おきなくバイクの乗りおさめをすることができました。吹け上がるエンジンの騒音も、剥き出しの体で感じる風も、来年の春に楽しむことにしましょう。
さて、バイク乗りにとって海外ツーリングはとっても楽しみなイベントです。
そのなかでもオーストラリアツーリングはわりあい人気のあるコースだと思いますが、どうも体系的にまとめられた情報が少ないように感じます。個別にとても詳しい情報はあっても、いったい何を準備すればいいのか、何に気を付ければいいのか。初めから最後までの漠然としたイメージがつかめないことが、多くの人に二の足を踏ませるているのではないか、と。オーストラリアの縦断はとても現実的なものであるにもかかわらずです。まず走行距離は5000キロ程度。期間は2週間ほどでいけますし、英語圏の国でもある(アメリカ横断なら3週間はかかるでしょう)。交通ルールも日本と似ている。国境をバイクで超える必要もない。治安もよい。
これがアフリカ、南米、ユーラシアだと、そのすべての問題に直面することになるわけですから。
僕のツーリング仲間は海外でのツーリング経験が豊富な方が多く、様々なカタフリ話を聞かせてもらいます。そこで笑い話として語られる先輩たちの失敗は、くだらないバカな話が半分、貴重な教訓が半分、といったものでとても参考になるものが多かったりします。一方で何十年も前の話であり、出発にあたって済ませておくべき事務的な準備などに関してはちょっと古いなぁ、今はもう変わってるのになぁ、と思うことが多くあります。
では、ネットで知ることができる最新の情報はどうでしょう?たくさんのサイトがあり、詳しく書いてはある。だがあまりにも細かく分断されすぎて、いくつものサイトを調べなければならず、情報を調べ終わったころにはブラウザはタブで埋め尽くされてしまうことになる。そして、あれ、あの情報が書かさったページはどこさ行っちったんだべか?となるわけです。だいいち、そこまで細かい情報が必要なのだろうか?僕が初めて海外旅行に行ったときは旅行に持ってくパンツの枚数は何枚にするべきか真剣に、本当に真剣に悩んだものでした。ーーちなみにあなたが旅行に持っていくべきパンツの枚数についてもネットは解答を用意してくれる。余計なお世話だと思うだろうか?けれど本当です。調べてみるといい。僕は腹を抱えて笑ってしまったーーだが、と思う。果たしてそんな細かい情報が必要だろうか?
というわけで、このページさえ読めば大体のイメージをつかむことができ、やりがちな失敗話を交えながら気を付けるべきことを知ることができる。これをやってしまったらクリティカルになる、という部分だけは見やすくまとめられている。そういう意味の「まとめ記事」があれば皆さまの不便の解消になるのではないかと思いますし、海外ツーリングが特別な人しか楽しめないもの、という思い込みが無くなると思います。
そして僕が少しでもその役に立てればいいな、と思い今回この記事を投稿します。
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前置きが長くなりましたが、モデルケースとして僕の場合は、
時期:2018年のGW。約2週間の休み。
ルート:東京→メルボルン(飛行機)
メルボルンにてバイクレンタル(バイク屋までタクシー)→
グレートオーシャンロード経由アデレード→
ポートオーガスタからスチュワートハイウェイに入り北上→
エアーズロックに寄り道してからアリススプリングス→
ダーウィンにてバイク返却→
ダーウィン→成田へ(直行便はないので乗り換えが必要)
目安としては走行距離約4000~5000キロといったところででしょうか。よって一日500km走って約10日。人によって一日に走れる距離や、どこか気に入った街で数日過ごしたり、寄り道したり、雨で動けなかったりすると思うので各自それらを勘案してください。僕はエアーズロックで2泊しましたが、全体としては10日ほどで走り終えて、バイクを少し早めに返却し最後はダーウィンでのんびりと。
費用:一番気になるところですね。僕は約80万。おそらく僕の今回の旅行がもっとも標準的なプランですので、この金額が大体の目安になるかと思います。
という感じでした。
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★やるべきこと。→休みを取って、金をためて、事務的な手続きを済ませる。以上。
休み→各自解決願います。個人的にはGWをお勧めします。10日間の休みに、有休をくっつけて2週間。ギリギリではあるが、現実的かと。正月ごろは低緯度帯が雨季に入ります。道路が水没すると身動き取れなくなるのでやめたほうがいいと思います。お盆はあまり暑くなく快適ですが、メルボルン近辺はかなり冷え込むし、せっかくですのでこの大陸の熱さも楽しむべきかと。
お金→各自解決願います。
語学力→僕はtoeicで650点くらいでした。不便を感じますし、もっと英語ができれば、知り合ったバイク乗りたちや触れ合った人たちともっと仲良くなれるのにな、と思います。でも、いけます。英語の達人になるのを待ってから旅行に行こうってんだったら、何にもできないと思います。
事務的なこと→パスポートを取る。持っている人は有効期間の残りに注意。
→2週間(3ヶ月までOKです)ならビザでなくETASを取得。電子認証の観光ビザみたいなもので、これを持っていないと入国できません。旅券番号など入力。簡単。自分でやったら20ドルかかります(即日)。旅行代理店だと5000円くらいのはず。ビザ申請専門業者に頼むと500円くらいですね。ただ、業者はある程度の人数を取りまとめてからまとめて申請しているためか数日かかります。
→国際免許証の取得。お持ちの免許を管轄する免許センターか警察署で取得。免許センターなら即日で出してくれるのでそのほうがよろしいでしょう。ちなみに1年有効。都道府県によって違いますが、だいたい2500円で、それに写真代やらなんやらで、5000円ほどですかね。オーストラリアは排気量の制限がないので、中型免許でリッターバイクも乗れます。僕も中型だけでしたが、600㏄のYAMAHA FAZERを借りました。あ、一応日本の免許も現地に持っていきましょう。
→航空券の手配。通常の往復チケットだとメルボルン到着のメルボルン出発となってしまいます。ダーウィンまで行って、折り返して帰ってくる人や、縦断した後さらに大陸をめぐる場合はそれでいいですが、ダーウィンで旅行を終える人は周遊チケットにしましょう。シーズンにもよりますがだいたい15万くらいでしょう。
→バイクの手配。方法は3つ。
値段が安い順に
①現地で買って、終わったら売る②現地で借りる③自分のバイクを持ち込む
①時間がある人はこれが一番安く済むようですね。ただ正直僕はやったことないのでわかりません。僕が10年ほど前にオーストラリアに行ったときはネットでの売買などはなく、ローカルの新聞だったりスーパーの壁に貼ってある、手作りの張り紙なんかをチェックしていいものを仕入れていましたね。今はネットでやり取りするのでしょうから、現地に行く前にやり取りを済ませておけばその日に購入もできるでしょう。名義の変更と登録自体は一日でできるらしいです。使い終わったバイクは現地で売却。もしくは、向こうではハーレーなどが割安で手に入るので、--というか日本のハーレーが高すぎる気が、、、--船便で日本に運んで、日本で売るともうけにさえなるという話を聞いたことがあります。
②僕はこれにしました。
今回は Garners Motorcycle Hire というバイク屋でレンタルしました。メルボルンの駅からタクシーで20分ぐらいだったかな。
booking のボタンを押すと、借りる日と返す日のカレンダーが出てきます。あと時間。そして返すところが数か所提示されるので、望むところにチェックを入れる。これだけです。その後見積もりが出てきて、保険に加入するかなどが聞かれるのでそれらを入力していけば終了です。もっとも、僕はこのバイク屋の回し者でも何でもありません。melbourne motorcycle rental で検索すればたくさんヒットします。お好きなところでどうぞ。
僕の借りたバイクで一日約15000円。長期で借りるとディスカウントされて2週間で約15万円、、、なのですが、ここで注意。乗り捨てする場合は大体2倍の料金がかかります。ここではメルボルンでピックアップ、ダーウィンでドロップオフなので、約30万弱でした。(もちろん年齢などによりますが)これに保険などを入れると35万円程度が相場と言ったところでしょうか。
ちなみにヘルメットのレンタルもしてくれていましたが、僕は自分で持ち込みました。保険にも入りませんでした。これが失敗だった、、、
③世界中をバイクで旅する人は船便で送って大陸間を移動してバイク旅をしているみたいです。僕はやったことないのでわかりません。そのうちやってみようと思うので、その時はまた記事書きます。
→交通ルールの確認。まあ正直飛行機の中で確認すれば十分です。ラウンドアバウト、矢印信号、踏切では一時停止しない、夜は運転しない、道にはいろんなものが落ちているなどなど。後で詳しく書きます。
こんなもんですかね。
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★安くするコツ
まずかかる費用をまとめると、
・パスポート→安くならない。
・ETAS→代行業者に頼む。
・航空券→なるべく早めに取る。また、LCC(ジェットスター)やレガシーの割引を探す。
・バイク→安いバイクを借りる。ですが、せっかくですので好きなのに乗りましょう。個人的には排気量の大きいほうが、スピードも出しやすく一日の走行距離も楽に稼げるのでいいと思います。
あとは、タンクの容量が大きく、航続距離が長いほうが安心です。200キロ走ってたどり着いたスタンドがガソリン売り切れ、次の町まで200キロとかだと身動きが取れないので、、、
ハエがぶつかってくるのがいやな人はカウル付きのほうがいいかと。
・ホテル→1日1万~1万5千円というところでしょう。ゲストハウスやAirBなども検討してみる。
・食費→せっかくのオーストラリアです。現地のおいしい食事を楽しみましょう。ちなみに物価高いです。ぼったくられてるわけじゃありません。カジュアルな喫茶店でコーヒーと軽く朝飯を食べたら2000円ぐらいなんてのもありました。ただし、ロードハウスで労働者向けの朝飯を買えばだいぶ安く済みます。ロードハウスはガソリンスタンドと雑貨屋とレストランとモーテルを合わせたようなものでかなりお世話になるはずです。労働者やトラックの運転手たちはここで焼き立てのベーコンバーガーを買い求め、仕事へと向かっていきます。
・ガソリン代→安くならない。ですが、しなくていい出費を抑えることはできます。アウトバックに入ってしまえば一本道ですが、アデレードを出たくらいだと道を間違えることがあります。100キロくらい進んだところで道が間違っていることに気づいて、引き返す。これでトータル200キロのロス。10リットル、1500円。だが、まあ。一度も道に迷わない、というのも興がないでしょう。
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ざっくりとした費用のまとめ。
・ホテル代1日12000円、食費一日5000円、ガソリン代一日3000円。合計20000円×14日で280000円
・航空機150000円
・バイクレンタル代350000円
合計で約80万円というところですね。
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以下カタフリ話。バカだなぁと思いながら読んでいただければ。
紫外線→めちゃくちゃ強烈です。僕が着ていったジャケットは袖口にジッパーが付いていて、開けるとジャケットの中に風を通すことができます。ですが開けて走っていたらとんでもないことになりました。朝はよかったのですが隣町まで2時間ほど走ったところで若干日焼けが始まっていました。ここで袖のジッパーを閉めればよかったのですが、閉めるのを忘れてしまいました。途中で一旦停止して閉めろよって話なんですが、快調にかっ飛ばして気分よく走っていると次の町まで止まらないでいいや、って気持ちになるものなんです。結局真っ昼間の太陽でこんがりと灼けた僕の手首は見たことないぐらいに真っ赤にはれ上がって、触れないほどの激痛に数日苦しむはめになりました。
服装→常識的なバイク乗りの服装をすべきでしょう。靴はくるぶしを保護するブーツもしくはハイカット。ジャケットはパッド入りのものか、革製もしくは厚手のもの。グローブ。そして、フルフェイスのメット。僕はフルフェイスでない自分のメットをもっていきましたが、大失敗でした。隙間にハエがぶつかるんですよね。時速1●0キロでぶつかるハエはまさしく弾丸そのもの。
たまらずに結局アデレードでメットを買うことになりました。しかもよりによって祝日で町中のバイク用品店が休みだったのでーーバイク屋、祝日に稼ぐべきじゃないか?--半日かけて町中を行ったり来たりしてようやく4万出してメットを手に入れることができました。ちなみに、むこうではメットに承認マークがついているものでなければ適法でないということになっています。まぁぶっちゃけ大丈、、、いや、何でもありません。おとなしくバイクをレンタルするときに一緒に借りとけばよかったと思いました。
気温→メルボルン近辺は高緯度なので寒いです。セーターが必要なくらいでした。緯度が下がってくるにしたがい温度はぐんぐんと上昇し、アウトバックから亜熱帯のあたりはかなり暑くなります。
アボリジニ→まずはじめに。僕は不当な差別や偏見を憎んでいるし、受けてもいない被害を吹聴などしたくもない。後で調べてみたが、彼らの歴史はまさしく悲劇としか言いようがない。だがしかし。彼らには用心したほうがいいと感じたのが正直なところです。彼らはたいてい裸足で、店の軒先に寝転がっている。そうでなかったらおんぼろの車のまわりにたむろして何事かをわめきあっている。
ダーウィンで知り合ったオーストラリア人のバイク乗りに、「なぜアボリジニーはみんな靴を履かないんだ?」と聞きました。彼は苦笑いしただけでした。「なぜ、ボロボロの服を着て、昼も夜も路上で寝てるんだ、起きてるやつの半分は後をつけてきて物乞いするし、残りの半分はギャングみたいたむろしてる。俺はこの大陸の南から北まで走ったけど、アボリジニーのロードハウスの店員を一人だって見かけなかった」彼は困ったような顔をしてしばらく考え込み、アボリジニの文化や歴史について解説をしてくれました。それは僕の知りたかったことに対する答えではなかったし、僕にはその手の英語を聞き取るのはちょっとばかし難しかったのでそれ以上は何も言いませんでした。だが、まあ。あなたが空港の土産物屋で見かけるアボリジナルアートは誰が作ったものだろう?「保護区」を設定しているのは?アボリジニの文化と歴史を語っているのは?少なくともアボリジニでは、なかったはずだ。記事の主題からそれるのでこれくらいにしておきますが、そういうことです。
虫→日本で問題になっているセアカゴケグモという名前のクモがいますね。現地ではレッドバックと呼び、きわめて普通に、そこらじゅうで見かけるクモです。ああ、あれね、痛いよ。って感じだったので大丈夫でしょう。死者がでるようなものではないらしいです。それ以上にやばいのが2種類くらいいるらしいです。名前は忘れた。サソリもいるらしい。もし昼寝したりする場合は、地面にゴロンでなく、バイクのシートの上でするべきでしょう。
ちなみにハエ多し。道路で休憩して、メットを脱ごうものなら、ぶんぶんじゃかじゃかたかってきて非常にうざし。
クラゲ→終点ダーウィンはアラフラの海に面した非常に美しいビーチがある街です。4000キロの乾燥しきった大地を駆け抜けた後は、海にざぶんといきたくなるものです。そこで板でも借りようかとサーフショップを探したのですが見あたらなかった。というのもこのキロネックスというクラゲが海に生息しているせいらしい。こいつは地球上で最も強い毒をもつ生物とのことです。刺されると、とても痛いらしい。どのくらい痛いかというと、「死ぬほど」らしいです。これは比喩ではなくて、文字通り痛すぎてショック死するらしいです。ショック死しなくても痛すぎて気を失っておぼれて死ぬらしいです。ショック死も気絶もせずに陸まで泳ぎ着いても、そのころには毒が回って死んでしまうそうです。もし泳ぐならばきちんと地元のルールで定められたエリアにしましょう。
ワニ→亜熱帯あたりに生息しているようです。クラゲと同じくこのあたりの海水浴を困難にしている原因の一つです。ついでに言うと危険なサメも生息しているようですが、クラゲとワニがいればサメのことは書かなくても、もう変なところで泳ぐことはないでしょう。さて、日本人は温泉が大好きですね。僕も好きです。ダーウィンの近くにはジャングル温泉で有名なマタランカがあります。温泉というよりは、流れる温水プールという感じでしたが。一応この辺りもワニの生息地になっているので留意しておきましょう。温泉自体は泳げるエリアが決まっていて、そこは柵で囲われているので安全ですが、ちょっと調子こいて勝手なところで泳いだりするのはやめましょう。ルールを破るのはあなたが悪いし、ワニに食われて困るのもあなたです。
夜間走行→夜は走らないほうが良いでしょう。カンガルーの死体が転がっていたりするし、羊さんたちが道路を横断していたりする。もちろん昼間でも注意はしなければなりませんが。反対車線になんか棒が落ちてるな、と思ったらその棒がいつの間にか僕の目の前に移動してきてあわてて急ブレーキをかけたことがありました。ちなみに歩く棒の正体はでっかいトカゲでした。
また、夜のエアーズロックを見に行こうと思い走り始めたところで、道路を横断する牛の大群に出くわしてこりゃ危ないな、やめとこうと考え直し引き返したことがありました。道路を横断してはならないというのは、我々人間の理屈であり、牛さんたちには関係のないことです。いや、こう考えてもいい。仮に人間様の道を横断する牛さんが悪いとしましょう。だが。ぶつかって死ぬのはあなたです。夜はおとなしく休みましょう。
ガソリン→ガソリンスタンドがガソリン切れということがありました。可能な限り満タンにすべきでしょう。そして予備タンクもあったほうがいい。というか隣町まで300キロだとバイクの一般的な航続距離200キロを大きく超えているので必要になるでしょう。僕の場合は200キロ走ってたどり着いた街で給油後、次の給油できるスタンドまでが300キロ近くあることが判明し途方に暮れたことがありました。たまたまそのロードハウスで予備のタンクを売っていたーーしかも最後の一個!ーーのでよかったですが、もし売っていなかったら前の町まで200キロをタンクを買うために延々引き返さなくてはならない(そしてまた200キロ戻ってくる、、、)。なるべく早い段階で手に入れておくことをお勧めします。ちなみにぺトロールステーションという呼称が一般的。
ガソリンの入れ方→だいたい後払いです。乗りつけて、いきなりノズルを取って給油します。そして給油が終わったら、店内に入りレジで自分の給油した計量器の番号を伝えます。するとレジで金額を言われるので、お支払する、って感じですね。この時に店内で何か買って一緒に精算するのももちろんOK。田舎のほうだと計量器のノズルにカギがかかっていて、店の人にひとこと言わないと給油できないところもありました。
洪水→赤道に近くなると雨季乾季があります。正月ごろは雨季になります。道路が水没して通行不能になります。水没したらあきらめましょう。近くのバイクを返却できる街を探して、そこにバイクを返し、飛行機で帰るほかありません。気持ちはわかりますが、「4日後に飛行機に乗らなければならない、会社に行くために帰国せねばならない、」ということは命の危険を冒して次の町へ無謀な突撃をする理由にはなりません。
ロードトレイン→まさしく陸の怪物というにふさわしい、コンテナを連結したトラック。13メートルのコンテナを3本、最大で4本連結しているのさえ見かけました。13メートル×3にトラックの長さも含めて50メートルくらいになるでしょうか。こいつが1●0キロで走ってるのだから最初は圧倒される。追い越すのには自分が思っている以上の距離が必要ですし、すれ違う時にもかなり風圧で煽られるので注意が必要です。
SIMフリー携帯→まああったら便利かなとは思ったのですが、僕はSIMは買いませんでした。ホテルではWIFIを使いますし、喫茶店などでも使える。地図はオフラインのものをダウンロードした。運転中は携帯を見ないし、そもそもアウトバックに出てしまったら圏外で通じない。(ただ、小さいパラボラみたいなところでは使えるみたいです)
グーグルマップで経路案内を使うときはおそらくネット通信しているはずです。メルボルン、アデレードなどの大きな町では結構迷ったりするので、やはりSIMを買うかするか、SIMフリーのポケットWIFIを持って行ったほうがよかったなと思いました。
※補足ですが、日本の大手キャリアで契約しているスマホをそのまま持って行って、現地でSIMを買って差し込んでも使えません。キャリアのスマホにはSIMロックがかけられているためです。SIMフリー携帯かSIMロックを解除した携帯でないと使用できません。安全上はロックがかかっていたほうがいいのでしょうが、僕は解除して特に問題を感じたことはないです。キャリアの乗り換えにも便利ですし、解除してしまうことをお勧めします。
地図→紙の地図は持っていきませんでした。オフラインの地図アプリをダウンロードしていきましたが、非常に助かりました。アプリはトラベルコちゃんというもので、動きが遅くて実にイライラする代物なのですが、それをカバーするに十分なメリットがあります。まずホテルやガソリンスタンドなどの情報がかなり詳細であること、そして、オフラインで使えること。すばらしい。どんなしょぼい小さな道でも、街中であれば、なんとかロードとかアベニューとかしけた看板が立っています。僕が道に迷ったときはその看板の名前を検索窓にうちこんで、自分の位置を確認していました。まぁネットにつなげばいいじゃん、と言われればその通りなのですが。電池無くなったら使えないじゃんと言われてもその通りなのですが。
ちなみに当時は車でしたが、10年ほど前にオーストラリアを移動したことがありました。お金がもったいないので地図なし。安い車をレンタルしたので、ナビなし。スマホなんてのはもってのほか、ガラケーでした。外国で道を尋ねるのにビビってしまって、不安のままひたすら走り続け、1000㎞走ったところでようやく自分がまったく見当はずれな方向へ車を走らせていたことに気づいたことがありました。あたりまえですが、なにかしらの地図は持っていきましょう。
保険→バイク屋の車両保険と旅行保険のふたつですが、僕はどちらも入りませんでした。自分はコケるはずない、なぜならば事故はマヌケな奴がするものだし、俺はマヌケじゃないからな。という極めて論理的かつ合理的な結論を導き出したのですが、初日から立ちゴケしてーーいったい何年ぶりだろう!ーー、がっっつり傷、つけちゃいました。あとでその分請求されたのでやはり入っておくほうが無難かと思います。旅行保険に関しては、入らないかわりに海外旅行保険自動付帯のクレジットカードを3枚持っていきました。これで500万くらいはおりるはず。だいたい航空券を決済したカードには旅行保険ついています。それに加え自動付帯のカードは決済に使用していなくても、現地に持っていきさえすれば保険の適用となりますし、他の保険との併用もできます。有名どころではdカードのゴールド、エポスカード、オリコカード、ハマカードあたりでしょうか。もちろんほかにもあるでしょう。ただ、もし事故って骨折して入院したら多分1000万くらいはかかると思うので、たりるかどうかでいえば全然たりないです。心配な人はきちんと入っておいたほうがいいと思います。
故障→簡単な修理はできたほうがいいですが、無理ならあきらめるしかないでしょう。ペダルの曲がり、レバーの折損くらいは立ちゴケでもやると思うので、車載工具に加えてちょっとしたパイプやら針金やらあれば安心だとは思います。
交通ルール→左側通行で、日本人にはなじみやすいです。スチュワートハイウェイに限らずですが、ハイウェイの途中には小さな町が点在しています。だいたい給油のために立ち寄りますが、街の中をハイウェイ気分でかっ飛ばしがちになります。気を付けましょう。
また、今回ではなかったですが、数年前に車で移動しているとき、鉄道の踏切で一時停止しようとしたら、後ろの車にめっちゃ怒られました。まぁ考えてみれば、砂漠のど真ん中では列車が来ているかどうかなんてのは地平線のかなたからでもわかりますからね。踏切で一時停止というのは列車が来ていないか遮断機が下りていない限りする必要はないのでしょう。
あと、横断歩道ではみんなきちんと止まって歩行者を先に行かせていましたね。バイクでもきちんと止まったほうがいいでしょう。
小さな交差点はラウンドアバウトという時計回りのロータリーになっていることが多いです。まあとにかく、中を走っている、右側から来る車が優先と覚えておけばよろしい。周りの空気を読みつつ、2、3回実際にやれば十分理解できるはずです。
方向指示付き信号機が日本とは少し違います。通常の信号の青赤黄色はおなじですが、右折用の指示矢印にも青赤黄色があります。まぁ矢印も信号と同じく青が進んでOKで、赤がだめ、ということなので別段特別でもないのですが、最初は少し戸惑うかと思います。空港からバイク屋までの間のタクシーでイメトレしておきましょう。数回見れば理解できると思います。
具体例としては通常の信号が赤でも右折レーンの矢印が青なら進んでOK。通常の信号が青でも、右折の矢印が赤なら、右折はできない、ということ。まぁ前の車についていけばよろしい。もしあなたが先頭だったら、後ろの車にクラクションを鳴らされるだけです。
宿→だいたい走行距離で目安をつけて、その日の目的の町で適当に探しました。小さい町はロードハウスで給油して、そのままここって泊まれますか?って聞いたらガソリンの支払いと一緒に部屋に案内してくれます。ロードハウスはランドリーがなかったり、キッチンがなかったりまちまちですね。
大きい街ならモーテルがあるのでそこに泊まります。だいたいのところは入り口に満室空室が(VACANCYかNO VACANCYか)安っぽい電光掲示板などで表示されているので、もちろん空いているモーテルに入っていきましょう。カウンターの近くの適当なところに止めて、受付のおねーちゃんおにーちゃんに泊まりたい旨を伝える。パスポートと、クレジットカード、車種などの情報を記入すればOKです。にっこり笑って鍵を渡してくれます。できればおすすめのレストランを教えてもらうか、タウンマップをもらっておきましょう。あとで思い出にもなりますし。
また、二階建ての場合は一階のほうが荷物の出し入れの面で楽だと思います。だいたい簡単な共同のキッチンとランドリールームが併設されています。パンとジャムとコーヒーは無料です。ただ長期滞在している人が買い置きしている場合もあるので一応注意を。また、しょぼいプールが付いているところもあります。
早い時間に出発しようとすると、受付が閉まっていることがあります。その時はリターンボックスという郵便受けみたいなものが設置されているので、その中にカギを入れとけばOKです。僕は最初これがわからなくて従業員が起きてくるまで受付周辺でうろうろしていたものです。 ポストの場所がわからないときはあらかじめ受付するときに聞いておくとよいでしょう。
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さて、いかがだったでしょうか。
世界には地球を何周も回っているライダーや、信じられないほどの秘境を旅するバイク乗りがいます。いったい彼らがお金と休みをどう工面しているのか僕にはさっぱり見当がつきません(きっとビットコインで大もうk、、、ww。金銭以外の価値で回る経済圏ができたら素敵だな、とホント思います)。ですがそれに比べれば今回ご紹介したルートはとても実現可能なものだと思いませんか?
少なくともあなたの人生にかかわるほどの決断は必要ない。つまるところ必要なのは2週間の休みと80万のお金なのですから。休暇も、頭を下げれば十分取得可能な日数で、仕事を辞める必要はない。金額もまあ何とか工面できそうな額です。
あとは、いつものツーリングと同じです。旅行の始まりはいつも地図を広げ、道順を考え、ワクワクしながらルート上にある見知らぬ街を想像することからスタートするのですから。
よいツーリングを。