先日
こちらを書きました。
その続き。ナレッジマネジメントの話です。
ナレッジマネジメントはアメリカで起きました。
日本より雇用の流動性が高く、言ってしまえばすぐに辞めちゃうわけです。すぐに解雇できるわけです。
退職時に、彼らが持っているスキルが残された者に上手く伝承されればいいのですがそれがうまくいかない。
退職するからにはそれなりの理由があるわけで。立つ鳥跡を濁さずという人もいればそうでない人もいるでしょう。
どちらが多いかというと、多分後者でしょう。
前者であっても、文章化できることもあればできない事もあります。
どこまで文章や言葉で説明できるかは人に依るのですね。
「パッと来た球をバシッと打てば、ギューンと飛ぶ」としか表現できない場合はその典型です。
文章として上手に残してくれていても、その資料を読み解く力がない場合もあります。
もっと言えば、その資料が時代にそぐわなくなってしまった場合もあり、この場合はノウハウが伝承されてしまう事が悲劇にもなります。
まとめます。
・ナレッジを残すインセンティブがない場合がある
・ナレッジを情報化できない場合がある(感覚的なものなど)
・ナレッジを情報化できない場合がある(伝え手の力量不足)
・情報化されたナレッジを活用できない場合がある(受け手の力量不足)
・情報化されたナレッジを誤用してしまう事がある(資料を金科玉条としてしまう、メンテナンスしない)
この辺りがナレッジの伝達で起こりやすい話です。
関連する話でSECIモデルというものがあります。
これはある学者さんが作ったモデルで、
1)熟練者の体に染みついているノウハウを
2)情報として置き換え
3)初心者に伝え
4)初心者の体に覚えこませる
という流れを整理したものです。
これが現状で上手くいくかというと、実際はなかなか。
その理由なんですが、1)~4)のサイクルにかかる時間が実用的でない、というのが根本原因のように思います。
変化の激しい環境であれば、重要なものは訓練している間に環境が変化してしまいます。
パッと聞いてパッと答えてもらってパッとわかる。そんな問題は楽です。情報化してしまえばいい。
この時気をつけねばならないのがその情報をメンテナンスするという事です。管理責任者をつけておく必要がある。
ナレッジマネジメントのシステムは多くありますが、情報の陳腐化は問題になるようです。
これらから、ノウハウ(やり方の知恵)からノウフー(だれが何に詳しいのか)という概念が出てきました。
では、これで情報の陳腐化から逃れられるかというとそうでもなく。
社員が多いところでは、異動を機に、既存の知識がアップデートされていなかったりします。
(例えば、経理から総務に移って数年たっている場合、最新の基準を追っているかは疑問です)
「なるほど、では人事異動情報をノウフーに組み合わせれば解決できそう」
それをしてOKというところもあれば、NGというところもあります。
ダメなところがあるので、少なくとも世間一般にそれを解決策として提示はできません。
ノウフー情報もアップデートが必要なのです。
「なんだか面倒だね、情報を使うつもりが情報に使われているみたい」
その通りなんです。
むしろ、社内で顔を売り、気軽に質問出来たりメタ知識(知識の知識)を情報交換できる関係性の構築が重要なようです。
世間一般ではどうかは分かりませんが、ナレッジマネジメントの最善手は個人間の活発な交流を促進することだと私は思います。
ではでは
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