ブロックチェーンとスマートコントラクトを利用してトラストレスなお金の貸し借りができるよ、という話があります。
昔から不思議なのですが、これって成り立つのでしょうか?
最終的に返済金額を徴収する必要があるでしょう?
それが駄目なら担保をスマートコントラクトによって徴収する、と。
その辺りが上手にできるものか、どうも不安なのです。
金銭貸借の基本的な仕組みとして、期限の利益を得ることにより事業の拡大を可能とし、得られる利益を増大させるというのは理解しています。
スマートコントラクトがどこまで信頼できるかはわかりませんが、担保があるのであれば、それをトークナイゼーションする方向の発展も必要なんじゃないかと思いますです。
先日このようなニュースがありました。
BTCをETHに乗せた、と。もっとちゃんと言えば、BTCを担保にERC20トークンを発行し、BTCペッグのステーブルコインを作った、という感じらしいのです。
P2Pレンディングで必要なのは何だと思いますでしょうか?
人に依るでしょうが、私は、担保価値の目利きだと思うのですね。
だから、いろいろな資産が、現在貸借対照表上に乗せられていないもの(例えば自己創設のれん)も含めて、トークン化されるのはすごく意義がある事だと思ってます。
P2Pレンディングの案件が来ました、担保はERC721のDAPPSゲームアイテムです、と。私はそのアイテムの価値がわからないのでレンディングには参加しないでしょう。
しかし、普通の資産であればトークン化されるとセキュリティトークンになります。そうなると価値の算定は簡単で、参加する人も多くなります。
つまりはP2Pレンディングが流行る条件として、資産のトークナイゼーションと、そのトークン価値算定が、市場参加者におおよそ合意を得られる程度に発達することが必要になります。
既存資産のトークン化が重要だとはわかった、と。
担保として価値算定しやすいもんな、と。
しかしトークン価値算定に合意が必要なのはどういう事か?と。
私の認識です。
資産のトークン化は、株式会社の持ち分を株式化したことに似ています。
株式会社では貸家法に定められた「閾値」が存在します。
例えば過半数の株式を握っているものが、実質的な会社の所有者であるし、過半数に満たなくとも、ある特定の株主以外が少数株主としてしか影響力を発揮できないのであれば、やはりその株主は実地素敵な会社の所有者なのです。
ということは、周りの状況に応じて、自分の持っている持ち分の割合価値が変化するという事です。
具体的な話をします。
Aさんは30%の株式を所有しています。
Bさんが70%の株式を所有している場合、会社の経営権はBさんにあります。
一方で、BさんCさん、、、、それぞれが「1%所有している」という場合、意思決定の場に参加しない死票も出るでしょう、Aさんが、まぁまぁ、会社の経営権を持っているとしてよさそうです。
上記それぞれの場合で、閾値における株式の価格は変わってくるはずなのです。
同様に、トークン化された資産を実質的に使用できるという所有権を表すような場合、トークン価格の理論値算定は非常に困難なものになります。
例えば、ブランドを持っている会社が、日本でそのブランド品を販売できる権利をトークン化しました。
・一番多く持っている人に販売権を認めます
・上位三位までの保有者に販売権を認めます
それぞれの場合で変わってくるはずですし、他のトークン所有者の持ち分割合でも変わってきます。
だから、トークンの理論価格算定に対して、おおよその合意というものが必要だと考えるのです。
AIで与信をするという話もあったりなかったりします。Jスコアなんて話もあります。
商法総則では、銀行に必要なのは与信行為と受信行為。だから与信行為というお金を貸す行為は別に特別な規制がないのですね。(銀行よりは敷居が低いというニュアンスです)
「トークナイゼーションとか小難しいこと言わずに、友達同士での金銭の貸し借りだと考えればいいじゃない?担保とかとらないでしょ?」
いえいえ、それなら現金でやればいい話です。ブロックチェーンでやるという文脈で出てくる以上、返せなくなった時に揉めない、忘れているようだけど催促するのに気が引ける、知らない人であっても担保があれば貸すことができる(=担保を確実に回収できる)、という問題を解決しているのだと私は考えます。
だから、やはり、担保は必要ですし、その価値算定は必要なんです。
担保を取らないんだったらこんな簡単な事はありません。そもそもが現金でやればいいし、スマートコントラクトで扱える姿に変える必要自体が無いんです。
ってか、それだったらもう、おごってあげればどうです?
ではでは
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