fever(https://fe-ver.jp/)をやってみたのですが、やっぱりALISやSteemitに比べると、報酬単位が大き過ぎると言わざるを得ないですね。ここが非常に気になった、というお話をしようかと。
あと運用コストの高さも見逃せない問題だと思ったので、その事についても。
ALISやSteemitは、「いいね」をもらっただけでも報酬に結びつくわけですよ(その他にもいろいろ契機/要素はありますが、細かい話は趣旨ではないので省略)。
つまり、すぐに何らかの報酬が発生します。最初はごく僅かな報酬であっても、やっぱりそれはとても嬉しい事でありまして。そして続けていく事によって少しずつ報酬も向上していくわけで。そういう風に、書く側のモチベーションを維持しやすいです。
feverはそこまでのキメの細かさはないわけです。それはモチベーションに影響します。特に怖いと思ったのが、モチベーションの性質にまで影響を与えてしまう点です。この差が非常に大きなものだと感じました。
どういう事か。
例えば、「議事録を作ったらいくら」という報酬単位になっているとします。そうすると、いつしか議事録を作る事自体が目的になってしまうのですよ。大事なのは中身であるにも関わらず。
この辺の事情は、feverをやった事がない人にとっては分かりにくいかと思いますが、説明しだすと焦点がボケてしまうのでこのページでは詳細は省かせてもらいます。とにかく、どうしても報酬の管理が手作業なので、報酬単位を小さくできない事情があります。
一方、ALISやSteemitだとそうはならないんですよね。なぜならば、いい加減な議事録とよくできた議事録では明らかに「いいね」の数が変わりますから。そして「いいね」の数で自動的に報酬額が決められますから。
つまり、議事録を作る側の心理として以下のような違いが出てくるんです。
feverの場合は、
ある一定の品質をクリアしていれば問題ないでしょう
という気持ちになりがちなんです。ついつい、楽しようという邪念が働いてしまうんですw
一方、ALISやSteemitの場合は、
どうせ作るならば少しでも多く「いいね」をもらいたい(少しでも役に立つものを提供するためにベストを尽くそう)
という気持ちで作れるんですよ。
その気持ちの違いが品質に現れるのは当然でありまして。
もちろん、feverならではの良い面もいろいろありますので、一概にfeverがダメだとは思っていませんがね。余裕ありましたら、その辺の事も書きたいと思っています。【2018-10-07追加】書きました → feverの良さ/面白さについて
もう一つ気になった点は運用の大変さです。コミュニティにfeverを導入し、コミュニケーションツールとして積極的に活用しようとすると、それに比例して運用する側の手間暇は指数関数的に多くなるのです。なぜならば、「イマドキ、そんなのありですか?」って思うぐらいメチャメチャ手作業だからですw。実際、ポイントの配布は手作業であります。例えばの話、管理人が多忙であったり、病気で倒れたりしたらポイントの配布は止まります。そんな仕組みになっているので、小さなコミュニティならばともかく、100人、200人の規模になってくるとサスガに厳しいと思います。その規模になると、どうしたって管理人の目の届かないところが出てきます。配布の遅延や漏れが出てくるに違いないわけです。最悪、メンバー間の不公平感が出てきてしまいかねないです。「Aさんはポイントもらえたのに自分はもらえなかった。何故なんだ!?」的なね。
Steemitみたいな完全にシステム化された報酬システムであっても、クジラ問題のような不公平問題が出るわけです。そういう一番センシティブなところを管理人の能力に頼らなければいけないシステムはサスガに無理があるのではないかと思ってしまいました。少なくともスケーラビリティは極めて低い。