テレビ番組のなかには「1社提供」と呼ばれる番組があります。
むかしで言えば、サザエさんは東芝の1社提供でした。しかし、1969年からおよそ50年にわたって表示され続けてきた「TOSHIBA」の文字が『サザエさん』の画面から消えました。広告業界では大ニュースだったし、世間でも見慣れた企業の名前が消えたのはショッキングなニュースであったと思います。TBSの「ノーサイド・ゲーム」で描かれたように、企業は経営環境が苦しくなれば企業チームの予算を削るし、広告の一環である番組提供もバッサリ切るわけです。
いまでもミニ枠番組での1社提供というのはあるにはある。例えば
・世界の車窓から(富士通)
・世界の街道をゆく(キヤノン)
・キューピー3分クッキング(キューピー)
大型番組で未だに1社提供が続いているもので代表的なのは以下のようなものだろう。
・世界ふしぎ発見!(日立グループ)
・おしゃれイズム(資生堂)
企業にとって1社提供を継続していくのは超大手企業であっても簡単ではない。経営環境に左右されれば真っ先に予算を切られてしまってもおかしくない領域だ、若い人はテレビを見ないし(そもそも家に無いし)、果たして誰に届いているのだろう?と思うクライアントがいてもおかしくはない。それは、これだけデジタルメディアが発達した世の中では致し方ないことだ。
テレビですらそんな状況なのだが、他のメディアあるラジオも同様かというとそうではない。それはラジオが人気媒体であるから、という訳ではなく、昔からの名残もあり未だに1社提供番組が多いメディアである。
私は好きなラジオ番組があってそれは日本航空(JAL)の1社提供番組だ。
JALも色々と問題を起こしており、いつ広告費が削られるか分からない状況ではあると思う。しかし、この番組だけは維持して欲しい。たとえ、他のテレビスポットとかを削ってでも維持して欲しい。
ラジオはスマホアプリの「radiko」が誕生したのと、最近音声コンテンツが盛り上がってきてる環境も相まって新聞雑誌のような暗黒状態ではないかもしれない。しかしながら油断はできない。ラジオの予算だっていつ削減されてしまうやら、、、
そういう固定ファンがいる1社提供番組が終わるというのは、結構悲しい出来事ではある。