ある日、リトアニアでのこと。
ビザ用に写真が必要だったので証明写真機を探したが見つからない。
日本では犬も歩けば証明写真機にあたるというくらいによく見るものだが、そもそも証明写真機などこの国には存在しないのかもしれない、ということに思い当たった。
当たり前が当たり前じゃないというのよくあることだ。
仕方がないのでた人力で撮影してくれる店で撮ってもらった。
日本だと何千円かはかかるものなので、この国ではいったいどれくらいなんだろうとビクビクしながら入店。
普通に安かった。
普通のおばちゃんが普通の椅子に座ったわたしを普通のカメラで撮影してくれた。
言葉が通じないので「もっと顎引いて」とか「右肩下げて」とかをジェスチャーで言われる。
やや手間取りながらも無事手に入った証明写真の出来映えは......
普通。